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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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28/443

応援も正義もワンセットや!

「はぁ〜……やること多すぎて手ぇ回らんっ!」


チア練の汗をぬぐいながら、美月は体育館の隅で水をがぶ飲みした。

都市対抗野球・本番に向けて、チアチームは日々練習に明け暮れていた。

応援フォーメーション、フラッグ演出、立ち位置の確認――すべての流れを完璧に頭に叩き込まねばならない。


しかも美月は、五回裏終了時のヒロインショーも担当する特別枠。

応援席で跳ねてたと思ったら、戦隊衣装に早替えしてステージに上がり、子どもたちを沸かせるという、

なかなかの“正義と応援の二刀流”。


「なんでうちだけこない忙しぃねん……」


思わずぼやきながらも、

戦隊衣装でリハーサルのステージに立った瞬間、美月の顔がふっと明るくなった。


「……あれ? 楽しいかも……」


まばゆい照明。広がるスタンド。誰もいない客席に向かって手を振ると、

まるで大観衆の子どもたちが返してくれるような気がした。


「応援って、届けるもんやろ? ヒロインも一緒や。

ほな、“届ける応援ヒロイン”って最強ちゃうん?」


体育館でのチア練習後、彼女は一人でドーム会場のステージ練習にも通い始めた。

仲間に頼んで音源を用意してもらい、

「いざとなったら、子どもたちにも“かめはめ波”とか“正義ポーズ”させたら盛り上がるやん!」とノリノリ。


演出ノートには「ヒロインポーズ①:子ども全員で!」「ポーズ②:大人にもウケるやつ!」などと書き込み、

チアの合間にマジックで戦隊のポーズ練習を始める姿は、もはや文化祭実行委員長のノリだ。


「応援も戦隊も、みんなと一緒に楽しむんが一番や!」


大変だけど、楽しみ。

ハードだけど、やりがい。

そして――「うちにしかできんこと」が、ここにはある。


東京ドームのステージで“正義”を振りまくその日を思い浮かべて、

赤嶺美月は今日も元気に汗をかいていた。

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