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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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270/507

広島弁、下町に落ちる――のどかと小春の東京カルチャーショック無双

新橋。

ヒロ室の会議が一段落した直後、江波のどかはビルの外を見て固まっていた。


「……人、多すぎん?」


それは悲鳴ではない。

本気の疑問だった。


広島市在住、行動範囲はほぼ広島市内。

路面電車とお好み焼きとサンフレで人生が完結している女にとって、新橋の雑踏は刺激が強すぎた。


そこへ、肩で風を切って現れたのが――

月島小春。


江戸っ子ギャル。

歩き方がすでに東京。


「よっ、のどか!

 せっかく来たんだからさ、東京フルコースいこ?」


のどかは一瞬たじろぎ、そして即答。


「頼むわ。

 この街、ちぃと気合い入れんと飲み込まれる」


■ 下町編:浅草


最初に案内されたのは浅草。


雷門を見上げて、のどかが一言。


「……でっかい提灯じゃのう。

 台風来たらどうするん?」


小春「心配するとこ、そこ!?」


仲見世通りを歩きながら、

のどかは終始キョロキョロ。


「揚げまんじゅう、雷おこし、せんべい……

 ここは腹を試されとる街か?」


小春「正解。江戸は胃袋の街」


のどか、納得したように頷く。


■ 高さ編:スカイツリー → 東京タワー


次はスカイツリー。


下から見上げた瞬間、のどかが真顔。


「これ……殴ったら勝てる?」


小春「誰と戦う気!?」


エレベーターで上昇中、

のどかは腕を組んで黙り込む。


「……高いとこは嫌いじゃ。

 地に足ついとらんと落ち着かん」


小春「柔道有段者の発言じゃない」


続いて東京タワー。


「こっちは赤いのがええのう。

 戦隊ヒロイン感ある」


小春「評価基準が独特すぎる」


■ 混沌編:渋谷・新宿


スクランブル交差点。


のどか、立ち止まる。


「……これ、全員敵?」


小春「違う!ただの人!!」


新宿ではビル群を見上げて一言。


「この街、夜になったら怪人出るじゃろ」


小春「出ないし、出たらヒロイン出動案件だから」


■ 食文化編:もんじゃ焼き


そして最大の事件は――

もんじゃ焼きだった。


鉄板に広がる、謎の液体。


のどか、沈黙。


「……失敗しとる?」


小春「成功してる」


一口食べて、のどかが目を見開く。


「……これ、途中じゃん?」


小春「完成形が途中」


しばらく考えた末、のどかが言う。


「東京は……

 “未完成を楽しむ文化”なんじゃの」


小春「急に評論家」


■ 夕暮れ、正直な感想


一日歩き回り、

夕方の隅田川沿いで二人は腰を下ろす。


のどかがぽつり。


「東京はな、

 冷たくて怖い街じゃ思うとった」


小春、黙って聞く。


「でも、人はちゃんと人じゃった。

 忙しいけど、優しい」


少し照れたように続ける。


「……ええとこじゃのう、東京」


小春は笑った。


「でしょ。

 また来なよ、今度は夜も案内するからさ」


のどかは立ち上がり、拳を握る。


「次は負けん。

 東京、攻略してやる」


小春「観光に勝ち負け持ち込むな!」


こうして、

広島弁と江戸っ子ギャルの珍道中は幕を閉じた。


東京は今日も忙しい。

だがその隙間に、

確かに一人のヒロインの笑顔が刻まれたのだった。


――なお、

帰りの新幹線でのどかはこう呟いた。


「やっぱり、ウチは広島が一番じゃけぇ」


それを聞いて、小春は大笑いした。

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