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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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25/443

げんこつに、静岡の絆を込めて

かつて、東と西の電気を分けた川がある。

その名は、富士川。

今はもう電圧の違いは解消されたが、そこに新たな「境界線」がある。


──それが、政府公認「戦隊ヒロインプロジェクト」の東西連携会議だ。


舞台は、静岡県富士市。富士山を仰ぐこの町に建てられた、政府直轄の防衛・調整施設。

通称「富士中間拠点」。


ここに集うのは、関東の防衛を担う東チームの小春こはっつあん

関西方面を中心とする西チームの美月と綾乃、

そして2チームをつなぐ司令塔、政府広報官の**芹沢遥せりざわ はるか**である。


芹沢遥は28歳。

政府キャリアとしての責務をこなしつつ、ライトウィンドレンジャーの調整官を務める女性だ。


富士市生まれ富士市育ち。

長身、知的、クールビューティー。

なのに時折ふっと静岡弁が出るあたりが、彼女の“抜け感”の魅力でもある。


この日も、会議は滞りなく終了。


「では、以上で今月の定例調整を締めます」


と芹沢が告げたあと、3秒の間を空けて、にこりと微笑んだ。


「……さて。お待ちかねの“例の店”へ、行きましょうか」


「出たーっ!遥姐さんの恒例、富士の打ち上げ!」


「小春、毎回元気すぎるわ……」


「ふふ、でもちょっと私も楽しみにしてた」


数十分後、富士市の郊外にあるオレンジ屋根のレストランに、ヒロインたちの姿があった。

地元民にはおなじみの“炭火がウリ”のこの店は、名前こそ伏せられているが、あのソースの香りで誰もがピンと来る。


席に着いた瞬間、小春が手を挙げて宣言する。


「アタシ、げんこつハンバーグ!ソースは……両方ッ!」


「私はおにぎりハンバーグにするわ。ライスは普通で」


「……わたしはチーズトッピングを試してみようかしら」


芹沢は全員の注文を見届けて、静かにグラスを掲げた。


「じゃあ、今日も無事に、東西そろって。

げんこつに、気合い込めて——かんぱい!」


「かんぱーい!!」


こうして今夜もまた、鉄板の上でじゅうじゅう音を立てながら、

ヒロインたちの絆は焼かれ、強くなっていく。


そして誰よりも、芹沢遥がその光景をうれしそうに見守っていた。


「……やっぱ、静岡って、ええとこでしょ?」


それが、彼女の誇りだった。

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