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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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242/489

港町に吹いた突風注意報――鬼代官、スカートと怒号で制圧す

神戸市・港湾エリアの緑地公園。

海と空が近く、観光客も多いこの場所で、

戦隊ヒロイン交通安全キャラバンは完全に“劇団化”していた。


もはや寸劇。

もはや公演。

誰も「交通安全イベント」とは思っていない。


「次の演目いきまーす!」


軽快なブラスが鳴り、

警察音楽隊+カラーガード隊が颯爽と登場。


その先頭に立つのは――

神戸の鬼代官・岡本玲奈。


白いブーツ、整った隊列、

そして港から吹き上げる、余計に元気な海風。


フラッグが大きく振られた瞬間だった。


「……あ」


玲奈のミニスカートが、

ふわりと予想以上に持ち上がる。


見えたのは――

水色のアンダースコートと、

無駄のない鍛えられた長い脚。


観衆が一瞬「おっ」となり、

次の瞬間、拍手が倍になる。


「おおおおー!」

「風、ナイス仕事!」


本人は一切気にしていない。

――というか、気にしてる余裕がない。


続いて登場、

もはや名物。


赤嶺美月・交通安全“悪い例”最新版。


「今日はな、

 港町スペシャルや!」


・スマホ操作

・イヤホン

・急な横断

・自転車飛び出し

・信号ガン無視


全部盛り。


さらに今回は――

観光客ごっこが追加。


「写真撮らなあかんやろー!」

と、横断歩道のど真ん中でポーズ。


子どもたち、腹を抱えて爆笑。


彩香が即ツッコミ。


「命賭けて映え狙うな!」


そこに紀伊ハンターの3人が加勢。


・美咲が真面目に注意

・あかりが分かりやすく解説

・麻衣が優しくフォロー


役割分担が完璧すぎて、

もはや教育番組。


兵庫県警スタッフ、

またしても手応えを感じる。


「……これはシリーズ化できる」


イベント終了後。

いつもの“反省会”という名の雑談。


――が、

5分で崩壊。


「さっきのな、

 うちの横断、もう一段階オーバーにできたやろ?」


「十分オーバーや!

 あれ以上やったら検挙や!」


「でも笑いは――」


「笑いよりルール!」


いつもの

美月 vs 彩香。


そこへ巻き込まれる紀伊ハンター。


「え、どっちが正しいんですか?」

「私は彩香さん派です」

「いや、美月さんの方が分かりやすかったような…」


火に油。


その瞬間。


――バサッ!


再び強い風。


玲奈のスカートが、またもや翻る。


その勢いのまま、

玲奈が一歩踏み出す。


「……あんたら」


全員、凍る。


「次元が低すぎるわ」


静かな声。

しかし、圧がすごい。


「子どもらはな、

 ちゃんと止まること覚えて帰った。

 それでええやろ」


誰も言い返せない。


「演技がどうとか、

 笑いの強度がどうとか、

 港の風に流しとき」


美月、そっと手を挙げる。


「……すんません」


彩香も頷く。


「……反省します」


玲奈はスカートを直しながら、

ため息ひとつ。


「ほんま、

 カラーガードより

 あんたらの仲裁の方が体力使うわ」


全員、爆笑。


神戸の港。

風は強く、

人は多く、

ヒロインはやかましい。


それでも――

この街で、

交通安全は確実に広まっていた。


鬼代官は今日も、

スカートと怒号と正論で、

現場を制圧する。


次の開催地?

――それはまた、

風の強い場所に違いない。

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