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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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227/525

浜通りから会津まで! 常夏るみねぇ率いる福島三地区珍道中・笑って泣いて2泊3日

北関東スリーアローズが、まさかの“白河の関を越境”する日が来た。

臨時リーダーに就任したのは、いわき市が生んだトロピカルダンサー、木戸瑠海――通称るみねぇ。


「北関東じゃねぇけどよ、今日は“心の北関東”ってことで勘弁してけろ!」


その一言で、すでにバスの空気は南国寄りだった。


■一日目:浜通り・南相馬編


最初の目的地は南相馬市。

震災で大きな傷を負った街だが、会場には家族連れがぎっしり集まっている。


開演前、るみねぇは突然、控室で深呼吸した。


「……実はよ、あの時、うちの実家も津波でな」


一瞬、唯奈と結花が黙る。

しかし次の瞬間、


「だから今日はよ!湿っぽいのは無しだ!

笑って、踊って、汗かいて、“生きてっぞコラ!”ってやる日だ!」


切り替えが早すぎる。


ステージに立ったるみねぇは、福島弁全開で叫ぶ。


「南相馬のみんなぁ!

今日もちゃんと息してっかぁ!?

息してっなら、手ぇ叩げぇぇ!」


その勢いに、司会台本は即死。

だが観客は大爆笑。北関東スリーアローズも必死に追随する。


途中、唯奈が振りを間違え、結花が逆方向にターンする事故が起きるが、


「大丈夫だ!今のは“浜通りスペシャル”だ!」


るみねぇの一言で全部正解になる。

この人、強い。


■二日目:中通り・郡山編


翌日は郡山市。

ここでは、るみねぇが“進行役”を完全掌握する。


「次はよ、自己紹介だ!

名前言って、好きなもん言って、最後にドヤ顔な!」


この雑な指示に、唯奈と結花は戸惑うが、

なぜか観客ウケは最高。


「郡山はラーメンもうまいし、人もあったけぇなぁ!」

「あと駅前、風つえぇ!」


いらない情報まで盛り込むるみねぇ。

だが会場は笑いに包まれる。


イベント後、控室で唯奈と結花がヘトヘトになっていると、るみねぇがポカリを配りながら言った。


「今日の反省点な。

……みんな、もっと肩の力抜け」


名言なのか雑談なのか分からないが、なぜか効く。


■三日目:会津・会津若松編


最終日は会津若松市。

空気が一気に“歴史の街”になる。


るみねぇは少しだけ声のトーンを落とした。


「会津はよ、重ぇ。

でも、だからこそ、笑いも必要だべ?」


ステージでは、なぜか突然“即席会津トロピカル盆踊り”が始まる。


「右!左!南国!はい会津!」


意味不明だが、子どもたちは大喜び。

北関東スリーアローズも腹をくくって踊る。


ラスト、るみねぇはマイクを握って一言。


「福島はな、地区も方言も全部違ぇ。

でもよ、笑った時の顔は、だいたい同じだ」


珍しく静かな拍手が起きた直後、


「……で、ホテルの温泉どこだ!?」


全部ぶち壊し。

会場は大爆笑。



帰りのバスで、唯奈と結花は口を揃えた。


「リーダーって、こういう人でもいいんですね……」


るみねぇは窓の外を見ながら言う。


「完璧じゃなくていいんだ。

一緒に汗かいて、笑って、迷走してりゃ、それでチームだ」


その背中は、常夏で、やたら頼もしかった。


――こうして、

浜通り・中通り・会津を駆け抜けた2泊3日の珍道中は、

北関東スリーアローズに“型破りな成長”という土産を残したのだった。


次の巡業?

いまのところ未定。

だが、るみねぇが呼ばれれば――常夏は、どこにでも現れる。

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