表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

226/475

鹿行地域珍道中! 臨時リーダーるみねぇと北関東スリーアローズ、常夏進軍中

北関東スリーアローズ。

その名は勇ましい。

だが実態は、まだまだ荒削り。


方言は抜けない。

段取りは甘い。

自信はあるが、方向性が定まらない。


そんな唯奈と結花の前に、

ある日、突然現れたのが――

いわき市のトロピカルダンサー・木戸瑠海。


通称、るみねぇ。


「今日から私が臨時リーダーだっぺ!

 細けぇことは後だ! まずは楽しむぞー!」


この一言で、

北関東スリーアローズの運命は、

いい意味でズレ始めた。


■第一章 鉾田市、常夏上陸


"新生"北関東スリーアローズのスタートは、

茨城県鉾田市。


メロンと畑と、

やたら空が広い町。


ステージ横で唯奈と結花はソワソワしていた。


「リーダーが…るみねぇ…」

「しかもトロピカルって何…?」


そこへ、

派手な色の衣装で現れるるみねぇ。


「おら、いわき市から来た木戸瑠海だっぺ!

 いわきは北関東じゃねぇけどな、

 今日だけ仲間に入れてけろ!」


一瞬の静寂。


――からの、

ドッと笑い。


「え、最初からそれ言うんだ」

「正直すぎる…」


るみねぇは続ける。


「北関東だろうが南国だろうが、

 楽しんだもん勝ちだがんね!」


この時点で、

客席の心はほぼ掴まれていた。


鉾田の子どもたちは、

ダンスより先に訛りに反応する。


「なんでそんな喋り方なのー?」

「それ福島弁だっぺ! 勉強になるぞー!」


もはや何のイベントか分からない。


だが、

楽しい。


それだけは確かだった。


■第二章 鹿嶋市、神社とトロピカルの衝突


次の目的地は鹿嶋市。


鹿島神宮の近くでのイベントに、

るみねぇは開始前から不安そうだった。


「神様の前でトロピカルって大丈夫か…?」


だが始まれば、いつも通り。


「神様もな、笑う方が好きだっぺ!」


意味不明だが説得力がある。


唯奈と結花のダンスが少しズレると、

ステージ上で即ツッコミ。


「今のステップ、

 鹿じゃなくてカンガルーになってたぞ!」


観客爆笑。


本人たちは赤面。


だが不思議なことに、

その後のダンスは一気に良くなった。


「失敗しても笑っていい」

その空気が、三人を救っていた。


■第三章 神栖市、助手席問題発生


移動はワンボックスカー。


当然、運転はるみねぇ。


「安心しろ!

 いわきで毎日峠越えてる!」


この一言で、

唯奈と結花はシートベルトを二重に締めた。


急ブレーキ。

急ハンドル。

謎の鼻歌。


「る、るみねぇ…」

「これ…安全…?」


「大丈夫だ!

 生きてるべ!」


生存基準が低い。


神栖市に着いた頃には、

二人とも妙な連帯感が芽生えていた。


「…生き延びましたね」

「…はい」


これもチームビルディングである。


■第四章 行方市、三本の矢が揃う


最後は行方市。


控室で、

唯奈がぽつりと言った。


「最初は不安でしたけど…」

「今は、ちょっと楽しいです」


結花も頷く。


「怒られないのに、

 ちゃんと成長してる感じがします」


るみねぇはニッと笑った。


「それが一番だっぺ。

 ヒロインはな、

 伸びる時は勝手に伸びるんだ」


ステージ本番。


三人の動きは、

決して完璧ではない。


だが、

生きている。


観客の拍手は、

この日一番大きかった。


■エピローグ


帰りの車内。


唯奈が言った。


「るみねぇ、

 臨時って言ってましたけど…」


結花が続ける。


「また来てほしいです」


るみねぇは照れくさそうに笑う。


「しょうがねぇなぁ。

 じゃあ次は、

 本物の常夏を持ってくるべ!」


北関東スリーアローズは、

この日から少しだけ強くなった。


そして、

北関東に――

常夏が根を張り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ