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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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193/576

白いリボンは血の運命を隠す――戦後最大の禁断秘史・白石陽菜出生の真実

その少女は、あまりにも“光”だった。

白いリボンを揺らし、屈託なく笑い、誰からも愛される存在――白石陽菜。


だが、その誕生の瞬間から、彼女の人生は国家規模の闇に包まれていた。


陽菜の実父。

それは、国民から圧倒的な支持を受け、

「戦後最高の宰相」

「清廉潔白の象徴」

とまで称された元総理大臣。


金にも女にも権力にも溺れず、スキャンダルとは無縁。

海外首脳からも一目置かれ、歴史教科書では“理想の政治家”として語られる存在。


――そんな男が、ただ一度だけ、運命を誤った。


陽菜の実母。

今は白石家で静かに家事をこなす家政婦、杉本恵。


しかしそれは仮の名。

仮の顔。

仮の人生。


かつて彼女は、

小柄で童顔、しかし目を奪う肢体を持ち、

複数の名前と国籍を使い分け、

数多の要人を“闇に葬ってきた”

諜報機関の切り札――

**「東洋のマタハリ」**と恐れられた女だった。


彼女の接触は、死の予告。

彼女の微笑みは、転覆の引き金。


その毒牙にかかり、表舞台から消えた権力者は数知れない。


――そして、標的の一人が、あの元総理大臣だった。


だが、計算外が起きる。


恋ではない。

欲でもない。

それでも、命が宿った。


白石陽菜。


この事実が明るみに出た瞬間、

母子は消される運命にあった。


そのとき、立ち上がった男がいる。


波田司令官。


かつて諜報部の中枢にいた、

義理と人情と裏の顔をすべて知る男。


雨の夜、

震える母が抱きしめた赤子を差し出し、

涙ながらに叫んだ。


「お願いです……

 この子だけは……

 この子だけは生かしてください……!」


沈黙。

重すぎる沈黙。


やがて波田は、べらんめえ口調で吐き捨てる。


「昔から、

 女の涙と、

 ガキの寝顔にゃ、

 俺は勝てねぇんだよ」


その一言が、運命をねじ曲げた。


波田はあらゆるコネを使い、

戸籍を書き換え、

記録を消し、

顔を変え、

名前を奪い――


少女を白石家の令嬢として生かし、

母を家政婦・杉本恵としてそばに置いた。


それは、最大の慈悲であり、

同時に最大の残酷。


母は、

自分にそっくりな娘に仕え、

毎日笑顔を見ることができる。


だが――

決して「母」と名乗ってはならない。


「お嬢様、体調はいかがですか?」


その一言を言うたび、

胸の奥で、何かが砕ける。


陽菜は知らない。

優しい家政婦が、

自分を命懸けで産み、

世界から消された女だということを。


白いリボンの妖精は、

血にまみれた運命の上に立っている。


この秘密を知る者は、

波田司令官、

養父、

そして母――杉本恵、ただ三人。


そして今日も、

何も知らぬ少女は、

無邪気に笑う。


――その笑顔が、

やがて国家を揺るがすとも知らずに。


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