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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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19/668

任務報酬は “あたり前だ” じゃ納得できへん!

ジェネラス・リンクの弱小下部組織を潰す、という任務は、戦隊ヒロインとしては朝飯前……とまでは言わないが、美月と綾乃にとってはストレッチ運動みたいなものである。数分の乱戦の末にアジトは壊滅。戦闘後、美月は片膝をついて汗を拭いながら、あくび混じりに「もうちょい手応えほしかったな〜」とこぼした。


「油断は禁物よ、美月。任務は最後までが任務どす」と綾乃が清楚に決め顔で言った直後だった。


一台の黒塗り車がツツーッと現場に滑り込み、中から現れたのは、政府高官として名を馳せる中年男性。髪にワックス、白いスーツにサングラスという、妙に照明が似合いそうな風貌である。


彼はポーズを決めながら、低音でこう言った。


「ナァ〜イスですねッ!」


美月と綾乃、見事に顔を見合わせた。


「……え、誰?」

「誰っていうか、何?」


突如差し出されたのは、どこか昭和の風を感じるシンプル包装の乾き物スナック。赤い袋に素朴なイラスト。高官は満面の笑みで言った。


「2人で仲良く食べてね♪」


スナックの名は──某クラッカー。そう、昭和生まれの親世代なら思わず口にしてしまいそうなフレーズのアレである。「当たり前だの○○○○」的な。だが、2004年生まれのミレニアム女子、美月と綾乃にとっては、まったくの未知領域。


「……は?」

「なに?この渇いた報酬」


綾乃は思わず口を尖らせ、美月に至っては「あんなん、駄菓子屋の奥でホコリかぶってるヤツやん!」と嘆く始末。


高官は構わずサムズアップで去っていった。


「……あの人、なんやろな」

「正直、敵より強烈だったかもしれない」


その日の夜、クラッカーはふたりの部屋の棚に“任務報酬記念品”としてしっかり飾られていたという。


なお、美月は後日ネットで「当たり前〇のクラッカー」を検索し、知れば知るほど「……せめてチョコつけてから渡してくれや」とさらに不満を募らせたとかなんとか。

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