ヒロインママ、スーパーで大注目される
東大阪市のとある大型スーパー、惣菜コーナー。
パート勤務中の赤嶺春菜(48歳、美月の母、年齢より若く見える美魔女)は、今日も白衣姿で軽やかにコロッケを揚げていた。
「春菜さん、昨日のニュース観たでぇぇ!!!」
いきなり隣のベテランパート・竹内さん(60代)がラップ巻きの手を止めて声を張り上げる。
「もうビックリやわ!あれ、美月ちゃんやんな!?うわーっ!テレビの中で戦うてるやーん!」
「せやろ~うちの子やねん……って、なんで今さらそんな大騒ぎしてんの(笑)」
「なんでってあんた、“地獄でカルテでも書いとき!”て、あの顔で言う!?清純そうな顔で口悪すぎるやろ!」
「な、なんかもう……笑うしかないよねぇ……(苦笑)」
他のパート仲間たちも集まってきて、惣菜コーナーが即席ファンミーティングに。
「お母さんもキレイやから、親子やなってわかるわ〜」
「娘さん、全国放送で“おどれら!”言うてたけど、家でもあんな感じなん?」
「いや、家ではもっとおとなしい……はず、たぶん……願望……」
と、答えになってない春菜。
「てか旦那さん、ようアレを止められたな!」
「うちのダンナ、ずっと“オレの教育は間違ってなかった!”て鼻の穴ふくらませてたわ(笑)」
そんな中、主任の男性(40代独身・ややイケメン)がぽつりとつぶやく。
「僕……ヒロイン美月のファンなんですよ。いやぁ、あの啖呵切りがたまらん。LINEスタンプ出ないかなぁ……」
「ちょ、LINEスタンプてアンタ……」
春菜は思わず揚げたてのコロッケを置き忘れるほど脱力。
そして、その日スーパーでは「美月ちゃん応援セール!」が勝手に始まり、唐揚げとコロッケが異常に売れたという――。




