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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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グレースフォース 一泊二日“遠距離ゼロ距離”シンクロ旅 ―館山みのりと杉山ひかり、千葉と静岡をつなぐ小さな恋の観光案内―

戦隊ヒロインの中でも突出した“シンクロ率”を誇るユニット――グレースフォース。

館山みのりと杉山ひかりは、出会ってまだ数ヶ月とは思えない仲良しコンビだが、この日はついに、

「互いの地元を案内する一泊二日旅行」

という、もはや“相棒愛”の枠を超えたイベントが組まれていた。


◆“房総の休日”コース


朝、ひかりを乗せた内房線特急しおさい号が館山駅に到着すると、

ホームでそわそわと待っていたみのりが、ひかりを見つけた瞬間、一瞬で柔らかな笑顔に変わった。


「ようこそ館山へ、ひかりさん」

「来ちゃいました、みのりさん。ほんとに会いたかったんです」


会った瞬間から空気が甘い。

通りすがりの観光客夫婦が「新婚さんかしらね」と微笑むほどの距離感。


二人は房総フラワーラインに向かい、海沿いを散策。

南房総の青い海風に髪をなびかせながら、みのりが観光案内風に語る。


「ここは一年を通じて温暖で、季節によって色とりどりの花が咲くんです」

「みのりさん、説明が完全にプロガイドですね」


潮風が強く吹いた瞬間、ひかりがみのりのシュシュをそっと直してあげる。

その距離、ほぼゼロ。


「ひ、ひかりさん……近いです……」

「風が強いですからね。…ずっと見ていたいくらい綺麗ですよ」


みのりの顔の赤さは海風のせいだけではなかった。


その後、二人は館山湾の夕景を眺めながら、自然と手が触れ合う。

離す理由がどこにも見つからず――結局つないだままホテルへ。


夕食後、二人はホテルの売店へ。

別行動で飲み物を買いに行ったはずが、

なぜか同じ銘柄の緑茶を同時に持って戻ってくる。


「みのりさんもこれ?」

「……ひかりさんも、ですか?」


シンクロ率120%。

仲の良さを通り越し、もはや“運命共同体”レベル。


部屋は別々に取っていたが、気がつけば廊下で長時間語り合い、

最後はお互いの部屋で向かいの椅子に座って寝落ち寸前まで話し込む。


◆“駿河の絶景”案内


翌朝、静岡へ高速バスを乗り継いで移動。

東名高速のPAで二人が同じタイミングで同じみかんジュースを買う事件がまた発生したのは内緒。


「こちらが久能山の石段です。歴史ある神社で、眺めも素晴らしいんですよ」

ひかりの声は完全に“女子アナのロケ”そのもの。


みのりは笑顔で聞きながら、ひかりの髪についた花びらをそっと取り払う。

昨日の仕返しのように、今度はみのりが距離ゼロ。


「みのりさん……少し緊張します…」

「昨日ひかりさんが同じことをしましたから。おあいこです」


二人の間に流れる空気は、観光案内より甘く、

観光客が何度も二度見するほどの“恋人感”だった。


久能山を降りた後、二人はいちごロードへ。

ひかりがおもむろにイチゴを摘み、みのりの口元へ。


「みのりさん、どうぞ」

「ひ、ひかりさん!? さすがに……」

「昨日みのりさんも手を繋いでくれましたし、これくらい…」


完全に“あーん”。

農園のおばちゃんは「あら~若いっていいねえ」と言っていた。


帰り道、沼津港で夕食。

二人で深海魚バーガーを味わいながら話し込んでいると、

ひかりが少し疲れたのか、自然とみのりの肩に頭を預ける。


「少しだけ……このままでいいですか?」

「…もちろんです」


まるで恋愛映画のワンシーン。

店員も思わずニヤニヤしていた。


二日間のデート(建前は“視察”)を終え、駅で別れる時、ひかりが静かに言った。


「千葉と静岡って離れているけど……みのりさんとなら、距離なんて関係ないですね」

「ええ……私も同じです。どこにいても、ひかりさんと繋がっていられます」


二人は笑顔で手を振り合い――

本当に名残惜しそうに、何度も何度も振り返った。


こうして、

“グレースフォース”のシンクロ率は、

千葉と静岡をまたいで一泊二日でさらに跳ね上がったのであった。



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