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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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106/521

駿河の良心・杉山ひかり、“泣き虫アナウンサー戦士”爆誕!

富士市のヒロイン研修施設に現れた新人、杉山ひかり――。

その姿は、まるで「静岡の早朝ニュースがそのまま歩いてきた」ような落ち着きと透明感だった。


彼女は静岡市在住、県内では知らぬ者のいないローカル番組のキャスター。

“駿河の朝の顔”として、

天気も、交通情報も、サクラエビの水揚げ量も、

どんな話題も美声で“ふわっと包み込む”力を持つ女。


民放キー局の人事担当が、

「静岡になんかヤベぇ逸材がいる!」

とザワついているとか、いないとか――

(すみれコーチ曰く「まあ来るだろうな、どっかの局が」)


ひかりの美声は、静岡の子どもたちにとっては

「昼寝導入装置」と呼ばれるほど安らぐ声だが、

問題がひとつある。


感受性が強すぎる。


絵本の読み聞かせを頼まれれば、

最初のページをめくって三行で涙腺崩壊。


「うぅ……このウサギさん……さみしそうだら……」


読んでる本人が泣き出すので、

子どもたちから逆に

「ひかりおねえさん、がんばれー!」

と励まされるという珍現象。


そのため静岡県内の関係筋からは


“泣き虫アナウンサー”


と密かに呼ばれていた。



一方で戦闘力は……まあ普通。

パワータイプでもスピードタイプでもなく、特徴は「平均点」。


だが、遥広報官が気合を入れて考えたコードネームは――


《サイレント・サンライズ》

(静かに昇る朝日。駿河湾の美しい朝をイメージ)


キャッチコピーは既定の通り、「駿河の良心」。


ひかり本人は嬉しそうに

「素敵な名前だらぁ……」

と手を合わせていた。


そんなひかりを最初にロックオンしたのは――


千葉の叡智・館山みのりだった。


同じ年、

同じような身長、

同じ落ち着き、

ポニーテールも“しゅっ”と同じ高さ。


ひかりが部屋に入った瞬間、みのりは目を丸くした。


「……え? わたし、二人いる?」


ひかりは静かに微笑む。

「なんか……親近感がわく感じするらぁね?」


みのりも微笑み返す。

二人の目が合う。

空気がふわっと甘く揺れる。


小春が小声で

「……あれ、恋愛フラグ?」

と言い、

美月が

「なんや?禁断の関係始まんのか?」

と興味津々。


遥広報官は静かに心臓を押さえていた。

「“駿河 × 千葉”なんて……なんて新しい……!」


すみれコーチだけが冷静。

「いやお前ら、ただの仲良しだろ……」


しかし当の二人は、なぜかずっと

距離十センチ以内でしゃべる癖がついてしまい、

周囲では「あれはもうセット商品やろ」と噂されるようになる。



戦闘訓練よりも、

子ども向け読み聞かせイベントの方が似合いそうな雰囲気なのに――


すみれコーチは言った。


「こいつは光る。

お前ら、しっかり育てろよ。

この“駿河の声”は、プロジェクトの武器になる」


駿河の良心・杉山ひかり。

美声、透明感、静岡ローカルスターの肩書き、

泣き虫、感受性の爆弾、そしてみのりとの妙な“化学反応”。


戦闘では目立たないけれど、

存在そのものがすでに強烈だ。


静岡の朝を照らしていた光は――

今日から戦隊ヒロイン界でも、

静かに、しかし確実に輝き始めた。


この光、

いずれ“戦隊プロジェクト”そのものを優しく包み込むことになる。


ただし本人が泣き出さなければ、の話だが。

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