表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/443

峠を攻める女たち:北関東スリーアローズ “榛名アタック”

上州の鬼教官・太田すみれは北関東スリーアローズの二人を前に、唐突に宣言した。


「次のステージは……榛名山の峠ライブだ!」


唯奈「……ハァ!? なんで峠なんけ!?」

結花「ライブはホールでやるものと存じますわ……?(栃木訛り混入)」


そんな常識的な抗議は、上州の風に吹き飛ばされる。


「峠を制する者が、北関東を制すんだよッ!!」


すみれコーチの目がギラついた瞬間、

唯奈と結花は “この人、今日も絶好調で暴走してる…” と悟った。



—ここは“プロジェクトD”が攻めていたはずの伝説の峠。

……だが今、いるのは 女3人の謎ユニット。


観客は峠族の兄ちゃん達。

エンジン音よりテンションが高い。


ドゥン! ドゥルルルル!

(峠族の車とバイクの空ぶかし)


すみれコーチがステージ代わりの広場に立つと、

後ろのスピーカーから突然流れ始めたのは——


「♪ナン・アバーーーーーッ!!」

(90年代のユーロビート風だが著作権配慮で何か分からない曲)


唯奈「うわ、なんか疾走感やべぇ曲流れだした!?」

結花「胸がドキドキしてまいりましたわ……胃が荒れそうでございます!」


すみれはユーロビートに合わせて腰をクイッと回し、

“レガシィ斬り” のポーズを決める。


すると峠族が謎の興奮で沸き立つ。


「すげぇ! あの女、峠の空気に馴染んでやがる!」

「完全に上州の風そのものだ!」


いや、それはただのポーズだ。


ステージ開始―


すみれ「はいッ! 唯奈ァ! 右から回れッ!

結花ァ! そっち惰性で滑るなッ!!」


唯奈「わ、分かったべッ!!(何も分かってない)」

結花「滑ってませんわッ!(すべってるのはトークです)」


二人のぎこちないダンスは、峠族の兄ちゃん達にも衝撃だった。


「うわ……可愛いのに動きが雑!!」

「イニDで言うと……“ヘアピンで止まる”レベル!!」


それでもすみれは容赦しない。


「おりゃああ! インプレッサ無双!」


ただの高速ターンなのに、砂利が巻き上がり観客が逃げ惑う。


唯奈「コーチ、砂利が……目ぇ入るって!」

結花「お肌に砂利は大敵でございますわーーっ!」


すみれコーチは一切聞いていない。

上州の女は前だけを見て走る生き物だ。



すみれが足元の側溝を指差し、叫ぶ。


「唯奈! 結花! 今日は“溝落とし”習得すんぞ!!」


唯奈「え、マジで!? うち、落ちたら普通にケガすんべ!?」

結花「わたくし令嬢ですのよ!? 溝に落ちる教育など受けておりませんの!?」


すみれ「バカ野郎! 戦隊ヒロインとはなァ、

時に心の溝に落ちて這い上がる者のことを言うんだよッ!!!!」


峠族ざわっ


「お、おお……名言ぽい……?」


いや、全然意味は分からない。



ついに三人が横一列で並び、

決めポーズのままユーロビートのサビに突入。


峠族の兄ちゃん達は涙ぐむ。


「なんだか……胸にくる……」

「プロジェクトDもいいけど……こういうのも……悪くねぇ……」


唯奈と結花は息切れしてヨロヨロだが、

すみれだけは最後までテンションMAXだった。


▼無駄に重厚なナレーション 


「——榛名山の風が吹いた。

少女たちは峠を知らず、峠は少女たちを知らず。

だが、この日のライブが北関東スリーアローズの伝説の始まりとなることを、

誰も知らなかった……」


(……実際はただの勢い任せの峠ライブである)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ