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世界征服組織から追放された。不遇かと思われたがスキルのポテンシャルを活かすことで豪遊する。

「ついてねぇなー 何か良いこと起きろよー」


「そこはお得意の特異点スキルに頼れば? ていうか、くだらない独り言言っている暇があったら奴隷を集めて。お前にはそのスキルに加えて、局所支配というスキルがあるんだから、それを活用して。そうじゃなきゃお前の利用価値なんてないのだから」


 ある日のお昼。俺と同僚は飯を食いながらとりとめもないことをだべっていた。


 俺はモンスターによって構成される世界征服組織『制束勢(せいそくぜい)』の一員のモンスターである。ある時までは。


 なお。俺がモンスターであることは公には隠し普段は人間として振舞っている。

 

 ◇◆◇


「お前の局所支配スキルってなんなの? 人間を一人から二人をランダムに奴隷化するやつ。あれって何に使えるの? 私達はもっと強大な支配を求めているの。なんといっても世界征服組織『制束勢(せいそくぜい)』だからね。そんなミニマムなスキルだけじゃ力不足なんだよ。それにスキルが適用されてからその対象をこちらまでに呼ぶのにラグがあって使い勝手が悪いんだよね。馬鹿なの? もう無理」


「お前の特異点作成のスキルってなんなの? 運が上振れすれば、人間達を効率良く支配出来るけど。失敗すれば彼らを逃がしたりバフを与えたり私達にデバフ与えたりして不利な状況を作るだろ? あとなんか役に立たないゴミを生み出したりするよね。面白いけど安定性がない。そういうのいらないんだよね――今まで情けで私達の組織に所属させてたけど、もう無理」


 二体の双子の上司から、自分の所在を問われていた。


「無理って? それって」


 彼らは二人声を揃えて言う。


『これからはその身一つで頑張ってね。運だけのカス。今まで言わなかったけどその目が嫌いだったよ』


「そこまでいう必要ある……? ルッキズムは良くないと思うなぁ……」


 こうして俺は世界征服組織『制束勢(せいそくぜい)』を追放されたのだった。


 ◇◆◇


 制束勢(せいそくぜい)から追放された。これからどうやって衣食住を賄おうかな……

 

 頼みの綱はスキルだけ。これが何に役立つというのか。


 《局所支配 LV65》と《特異点作成 LV?》この二つ。どちらを使うか?


 上振れと即効性を期待するなら《特異点作成 LV?》だな。前者でたとえ奴隷を作ったところで合流して養ってもらうまでにラグがある。その前に俺が息絶えては意味がない。


 ――《特異点作成 LV?》を最大出力で使って事態が好転することに期待しよう。精気が尽きて、スキルも使えなくなって息絶えるか、精気を全て放出して一縷の望みにかけるか。残されている選択肢はそれだけだと思う。どっちにしろ詰んだような状況なら、少なからずとも生存の可能性がある方を選んだ方が良いに決まっている。


 しかし。実のところあるいは他に選択肢があったりしないのかな……?


 俺は絶賛二の足踏みまくり中だった。


「えーいッ 好転しろー!」


 もはやヤケになってスキル《特異点作成 LV?》を行使するのだった。


 ◇◆◇


 それからどうなったか?

 俺の世界は奇跡に包まれた! 衣類と食料と家屋が召喚され、おまけに顧客に恵まれ、おおよそ全ての資源を手中に収めた! 俺は、死滅していなかった!


 その後はヌルゲー。

 まず《局所支配 LV65》でランダムで遅いが確実に自分の味方を増やす。

 そして《特異点作成 LV?》でさまざまなアイテムを生み出す。それを起点に魔術網(インターネット)で通販を立ち上げることで人生を軌道に載せることに成功したのだった。

 

「彼の商品は高品質なのにリーズナブルで重宝しています。こんな商品を作れるなんて彼は凄いです。彼は神です!!」


 奴隷化した人間からやがて口コミが広がり人気通販サービスとして成果を出せた。


 出来レースだった。


 ◇◆◇


 ところで。俺が盛況しているしている間、制束勢(せいそくぜい)はどうなったか? 風のうわさで聞く限り、彼らは人間の奴隷を使い果たし、生産力を失ったところを、彼等の読みの裏から武装強化された人間勢に逆襲されて、没落したらしい。

 特に俺の局所支配スキルは、奴隷を支配下に置くまでラグが発生する可能性があるとはいえ、確実に資源を得れるというのが強みだったらしい。俺がいなくなったことで、彼らは資源のジリ貧に見舞われた。

 彼らは俺の機能性を軽視しつつ自分達の存在をとても驕っていたのだった。


 ◇◆◇


 「肉がある! 酒がある! タバコもある! 女もいる! 金がある! 俺は全てを手に入れた!」


 もはや無双状態だった。

お読みいただきありがとうございました!


「楽しかった!」


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「まだまだ読みたい!」


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