⑧ 今度は守ってみせる メリーの決意
メリーベルside2話目です
よろしくお願いします
5歳で死に戻ったと気づいた私が最初にしたのは、リリーの寝顔を見に行くことだった。
可愛いリリーはお昼寝中でスヤスヤ眠ってた。
この妹を今度こそ守ってあげたい!
沸々と思いがこみ上げた。
誓いを胸に、私は父に会いに行き全てを話した。
5歳の娘が言葉は舌っ足らずなのに、しっかりと自分の考えを話すのを、目を見張りながら聞いた父は私の相談に乗ってくれた。
リリーが早世する事を母には話せないので二人の秘密にした。
前回の人生ではヒロインが早々に退場してしまったので ゲームの強制力はあまりないのではないかと考えた。
でも念の為、早めに退場してもらうべく父がヒロインの実家バートン商会と取引する事にして、上手く誘導し早めに隣国に移住するように仕向ける事になった。
次はカイルとの婚約だ。
ただ既にカイルのとこの侯爵家と事業の話が具体的に固まりつつあるところだったし、父曰くどのみち学園に入れば会うことになるからと婚約する事はこのまま進めることにした。
あの3人は幼馴染だから、もれなくくっついてくるので関わりになるのは必須だ。
ここで考えたのがオーランとアリーの婚約の事。
あの女は早々に婚約解消されたけど、そもそも婚約の原因があのお茶会だったと後にカイルに聞いてたので、これをなんとかしないといけない。
そのまま無事に結婚でもしてくれたらいいけど⋯⋯。
そうじゃなかったら⋯⋯。
またオーランがリリーを好きになったら⋯⋯。
私はブルっと震えた。
「メリー。関わるのを回避できないなら、とことん関わってもらうのはどうだ?」
「どゆうことでしゅか?おとーしゃま」
「もしかしたら、そのドートルのご子息もメリーと一緒かもしれないだろ?」
「はっ!そうでしゅね」
「婚約の顔合わせの時に、向こうの客人を呼ぶなとは言えないから、メリーの言うとおりなら二人も来るだろう?その時にメリーが見極めるんだ。できるかい?」
「できましゅ!リリーのためにやりましゅ」
「その時にその後のことを、また話そう。なんせまだ起きてもないことを話してるのだからね。我々は」
「はいっ!わかりました。おとーしゃま、お話聞いていちゃだきありがとうございましゅた」
「言葉は5歳だけど、しっかり考えられる不思議なメリーを父は心から愛してるよ。もちろんリリーも、だからできる事は何でもする。だけどお母様には内緒にね。リリーが若くして居なくなるなど、父も考えるだけで辛いのに、ましてや⋯⋯」
舌っ足らずの私の話を真剣に聞いて対応してくれたお父様に心から感謝して、優しい目を見つめると、その目は潤んでた。
そして私の頭を愛おしそうに撫でてくれた。
──────────────
13歳になった。その日は運命のお茶会。
この頃には私もリリーもいくつかのお茶会に参加してたのでお茶会自体は慣れたもの。
ただ私は、前世最推しで前回の人生では一生を共にしたカイルに会えることに少し緊張してしまった。
はじめましての挨拶の時、不覚にも涙が溢れそうになった。
なんとか耐えてリリーと合わせてカーテシーをすると顔を真っ赤にしたカイルと目が合う。
ニッコリ笑ってみたら益々赤くなって、その可愛さが懐かしくて気持ちが昂ってたら、少し間があいた所にいたアリーが物凄い不機嫌オーラを出していた。
(変わってないのね。相変わらずだわ)
ふと前を見るとオーランの目から涙が溢れてた。
私は確信した。
オーランは2回目だ!
その後、子供たちだけでテーブルを囲み、複雑な思いを気取られないようにお喋りしていたら、1回目と同じ様にアリーがリリーを侮辱した。
私は前回の事があるので、なるだけこの言葉をリリーが 流せるように手とり足取り世話を焼いたり、話しかけたりしてた。
でも、私は流さない!
流さないがお茶をかけるのは悪手だ、先におおもとのテーブルをひっくり返そうと思い立ち、テーブルの縁を持ち上げようとすると、オーランに止められて彼がアリーを見据えた。
「アリー!今の君の言葉は最低だね。リリーベル嬢は年下の女の子だ。年上の僕達は庇わなきゃいけないんだよ。それなのに、噂にかこつけて侮辱するなんて、もう君とは今までのようには接することができない。軽蔑する。リリーベル嬢に心から謝るんだ」
「でも、でも、みんな言ってるわ。私は聞いた事を言っただけよ」
「例え聞いた話でも、さっきの言い方は自分でも思ってる言い方だったよ」
「ご、ごめんなさい」
「僕にではなく。リリーベル嬢に言うんだ」
アリーは唇を噛んで私を見て何も発さず頭を下げた。
リリーには聞き取れないほどの声でごめんと言って走って行った。
泣きながら立ち去るアリーを見て、今の会話で私は閃いた!
「オーラン・ドートル侯爵令息。私決めたわ。あなたリリーの婚約者になって!これからよろしくね」
ここまで読んで頂きありがとうございました
次回も読んで頂けると嬉しいです