番外編エミリー 裏設定の婚約者
よろしくお願いします
私達4人は驚愕。
なんであんなあなに王女様が居たんだろう。
かくれんぼな訳ないし、何かあったとしか思えない。
「あっ!」
「どうしたエミリー」
お父さんに手招きして耳打ち。
(私、自己紹介してないし、ここうちとしか言ってない)
(!!!お前は馬鹿か。王女様が先にお名を言ったって事か?)
(そうそう)
顔面真っ青になったお父さんが、深々と王女様に頭を下げる。
私もお母さんも弟も同じく倣う。
「頭を上げてください、恩人の方に頭を下げさせるなど、あってはならない事ですわ」
「ありがとうございます、こちらこそ恐縮にございます。私共はこの地で商会を営んでおります。
家長のトーマス・バートン、こちらは妻のリンダ、娘のエミリー、息子のニードです。
知らない事とはいえ、この様な場所へ王女殿下を案内してしまい、誠に申し訳ありませんでした」
お父さんに倣ってみんなで頭を下げる。
「では、私をこちらまで運んで下さったのはエミリー嬢なんですね。本当にありがとうございました。
貴方が助けて下さらなかったら私は今頃どうなっていたか⋯先程の医師が申しておりました、腕が折れていると、この状態であのような場所に何時間、いえ何日もいたかと思うと⋯⋯頭を下げたくらいでは足りませぬ。
本当に⋯本当に⋯」
王女様が泣いてしまった、そりゃそうだよね。
泣くよね、あんなとこに夜もいたら怖すぎるよ、しかも王女だもん。
「医師によると今夜は熱が出るそうです。お休みになられた方がよろしいかと思われますが、殿下、お口に合うかは解りませんが食事を用意しております。
消化の良いものにしておりますのでお召し上がりになってお薬を飲まれませんか?」
「はい、何から何までありがとうございます、あの⋯ソフィーアと呼んで頂けませんか?
申し訳ないのですが貴方方以外の者に王女と解ってしまうのが、今大変不都合なのです」
「⋯気が付きませんで⋯そうですね。ではソフィーア様と呼ばせて頂きます。
恐縮にございますがこちらにいる間は取引先のご令嬢という事にさせて頂きますので、ご安心を」
お父さんの言葉にまた涙ぐんでしまったソフィーア様。何があったか解かんないけど気の毒だ。
手が折れてるから、食事の介助をしようかなと思ってたら、気の利くニードがもうリゾットを運んでた。
料理長、作り直してくれたんだね。
ソフィーア様はお腹空いてたんだね、ペロリと食べきった。お代わりも言ってみたけど遠慮したのか、高貴な方はお代わりとかしないのか、結構ですと言われた。
お薬を飲んたあとは、休んだほうがいいからとみんなで部屋を退出したんだけどさ。
ここでふと思う。
ねぇ私は何処で寝ればいいの?
取りあえずは、みんなで応接室に向かってるんだが、後で確認しないと下手したら寝る場所ないぞ。
自分でベッドシーツとか敷くの辛すぎる。
応接室でお茶をお母さんが準備してる間に、もう一度詳しく話せとお父さんに言われたんだけど、また話すの!
泣くぜ!
どうもソフィーア様が見つかった場所よりもボレロを見つけた場所の方を気にしてるみたいだ。
家の使用人には内緒だから、取引先の令嬢として私達も接するようにと私とニードは再度の注意を受けた。
ライラにも内緒と言う事に、まぁ小さいから聞いても解らないかもしれないけれど、念には念を入れとかないとね。
どういう経路でソフィーア様がこんな事になったのかは話してくれるの待ちだから、それから対策を立てる事になった。
ここでお母さんに何処で寝るのか聞いたら、やっぱり準備してなかった。
メイドに客間を用意してと言ってくれた。
良かった、だってもう眠いんだもん。
──────────────
次の朝、とっても良い天気で気分爽快。
着替えるために自分の部屋に戻ると、ソフィーア様は起きていた。寝れたのかな?
「おはようございます。眠れましたか?」
「おはようございます、眠れたわ。普段しない早起きまでしちゃったわ」
「眠れたなら良かったです。ソフィーア様、私着替えますけど、ソフィーア様も私の服に一旦着替えますか?
多分あとで父が着替えを用意してきてくれると思いますけど、どうされますか?」
「貸して頂けるの?」
「ハイ、お好きなの選んで下さい。気に入るのがあるか解らないですけど我慢してくださいね。着替えは私が手伝いますので」
「ありがとう。選ばせてもらうわね」
ソフィーア様はベージュのワンピースを選んだ、私の服の中でも割と地味な物だが、流石です。値段はとんでもなくお高い生地のワンピースです。お父さんが最近、いち推しで仕入れてる、ジョーゼットのワンピースだ。
私は普通の水色の綿生地のワンピースにした。
ソフィーア様は吊ってる腕が痛むのか、着るとき少し痛がった。
今度からはメイドを手配しないとね。
私じゃまだ子供だから上手にお手伝い出来ないや。
顔も洗えないだろうからぬるま湯とタオルを持ってきたら上手に自分で拭いてた。
「エミリー嬢、エミリーと呼んでもいいかしら?」
「どうぞ、どうぞ。あっ!ソフィーア様、私平民なので行儀作法とか習ってないんです。
来年になったらお父さんが家庭教師とマナーの教師を呼ぶから勉強しろって言われてるけど、今はまだ何も知らないです(ホントは少しは知ってるけどね)失礼な事するかもしれないし、言葉遣いもちゃんとできないかも知れないけれど、許してくださいね」
「大丈夫よ。むしろ気安くしてもらえる方が今は安心出来るの。こちらからお願いするわ」
「わかりました〜よろしくお願いします」
「えぇよろしくね。エミリー朝早くから申し訳ないんだけど早急に、バートン氏に話したいの。取次を頼めるかしら?」
「それは直ぐ取り次ぎますけど、質問です!ソフィーア様。おいくつですか?」
「えっ?今年10歳になりましたの。まだまだ子供っぽくて」
いや照れてるけど充分しっかりしてるから、やっぱり王女ともなると普通の10歳じゃないね。
態度も言葉遣いも王族流石だよ。
頼まれたのでお父さんに声掛けに行こうとしたら、本人がやって来た。
「おはようございます、ソフィーア様。
もう起きてらしたのですね。食事をどうするか聞きにきました」
お父さんが?
何か変だなと訝しんでたら
「今、エミリーに取次をお願いしてたのですがお話があるのですけど朝食後によろしいですか?」
「畏まりました。食事はこの部屋で?」
「えぇ、エミリーと一緒にいいかしら?」
「どうぞ、まだ礼儀もなってない娘ですが。
エミリー食事を運ばせるから、手が不自由だろうからお助けして差し上げなさい」
「ハイ」
「ではソフィーア様。食事が終わる頃また伺います」
「えぇ、お待ちしてます」
ソフィーア様は朝食のパンを大層気に入って4個も食べてた。
食事を終えてお父さんを呼びに行こうとするとソフィーア様は、場所は応接室が有るならばそこで人払いをしてほしいと言ってきた。
お父さんに伝えたら、「エミリー覚悟しておくように」って言われた。えっ、怖いんですけど〜
お父さんは解ってたのかな?
ソフィーア様がこんな風に言い出す事。
まぁ私もなんとな〜く解ってたけどね、普通の10歳じゃないんで。
タリスティアで平和に過ごすつもりがこんな事になるなんてなぁ。
1回目の時、私とソフィーア様には接点はなかったんだけど同じ事起きてたんじゃないのかな?
その時は、どんな風に危機を乗り越えたのかな?
ん〜思い出せ、思い出せエミリー。
ソフィーア様は乙女ゲームではスルベージュの王太子の婚約者だった。
でも実はこれ裏設定になるんだよね。
何故なら3回失敗するまでは隣国の王女としか出ていない。
偶然知ったんだけど王太子ルートを3回失敗した後に、王太子のセリフが変わって、アレッ?って思って4回目を始めたら婚約者はソフィーア・タリスティアって出て、無茶苦茶スムーズに攻略出来るようになるの。
何か謎だったのよね〜関係あるかな?今回の事と。
取りあえずソフィーア様を呼んでこよう。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。




