⑭ 救世主現る その名はヒロイン part3
私は期待の目でエミリーを見つめる。
「これの為に、ソフィーア様まで巻き込んじゃいました。
殿下には1度目を話してます。
協力してもらいたかったので、誤魔化したくはありませんでしたので。
メリー様はアリー様の母親のご出自を知ってますか?」
「アリーの母親?知らないわ」
「そうですか。オーラン様やスワロ伯爵はご存知だと思いますのでお話しますね。彼女はメーキリー侯爵とご結婚される時に身分差を解決するために、ある伯爵家と養子縁組してます。この国での身分は平民でしたので。しかも父親が流れの商人なんです」
「えぇっ!初めて知ったわ」
「そうですよね。侯爵家の恥になるので公にはなってないです。でも一族の方たちはアリー様を跡継ぎとは認められないと言って、あの家の跡継ぎは親戚筋から養子をもらうことになってます。ここまではいいですか?」
エミリーは私に言い聞かすように子供扱いを始めた。
失礼しちゃうわと思ったけど続きが聞きたくてウンウンと頷いた。
「それをあの母親は良しとしてません。でもこれに関しては侯爵の方が納得してて、既に別邸に養子を引き取って後継者教育を始めてます。アリー様の婚約者を決めるのに侯爵も動いてますが、母親が納得しないから決まらないんです」
エミリーは今度はお茶を飲んでお菓子を摘んだ。
「彼女の父親が流れの商人になったのは、無実の罪で財産を没収された上で国外追放になったからです。既に冤罪の証明はできてるみたいですけど、それは彼女の父が亡くなった後だった。だから彼女は国に帰りたくても帰れなかったんです。国に帰る目的が郷愁なのか復讐なのかは知らないですけどね。まぁその冤罪のときに一族がちりぢりになっちゃったので一人で帰るには勇気がいりますもんね」
「よく調べたのね。凄いわ」
「敵は知らなければ攻略できないですよ。
彼女は元々貴族です。でも冤罪によって身分を剥奪され財産没収のうえで国外追放になって、この国にたどりついたのでこの国では平民だった。冤罪だったのにこの国では自分を貴族と認めてもらえなかったし、しかも愛した男と結婚するのに養子縁組をしなければならなかった。しかも娘は後継ぎになれない」
アリーの事情を知らされて私は驚愕してしまった。
それなら前回オーランを婚約者と納得したのはなぜなのかしら?
「そこ疑問ですよね!でも前回も納得してなかったと思いますよ そうじゃなければもっと早くに婚約してたと思います。前回も今回も。彼女の元の爵位は公爵なんです。彼女は16歳まで公爵令嬢だったんです。彼女は娘を使ってでも元の身分にたどり着きたかったでしょうしね そして自分を貶めた人達を見返したかった。なのに娘は侯爵令息如きに現を抜かしてしまって言う事聞かないから、前回は放逐したんじゃないでしょうか?」
「放逐?」
「そうだと思います。前回の時にアリー様がサミーの前に現れたとき一人だったそうです。既に母親とは離れてた。でも私そこ重要じゃないと思って調べなかったんですよね〜。調べればよかったと後悔してますが、もう今更しょうがないので、前回の母親の行動は推測です。でも当たってると思うんですよ。
ならば、今この状態でどんな相手なら納得するか。メリー様はわかります?」
「王族か公爵家の嫡男」
「正解です!しかも今回ソフィーア様のご協力で、とびっきりの相手を見つけました」
「誰?」
「ラシュトニア王国の第二王子です!」
「ラシュトニア?」
「アリー様の母親の出身国です」
私はエミリーから後光が差すのが見えた。
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