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⑪ 畏れ多い友人

お姉様達が、あと半年でご卒業という時に隣国から留学生が来られました。

隣国の王女殿下とそのご友人。


留学生自体は珍しくないらしいけど、時期が珍しいらしいです。


お姉様達のクラスに来られたみたい。

王女殿下なだけあって流石優秀な方なのね。


夕食の時にお姉様が話題にされてたけど、尊きお方の事で緊張されてたのか、とても早口で話されていて、いつもと違う変な感じがしたわ。


そういえば今日はオーラン様も変だった。

送ってくださる帰りの馬車の中で、いつもより口数が少なかった。

それに送ってくれた後にお父様の所へ、ご機嫌伺いに寄ってくれたので、二人でお茶を楽しみたくてお誘いしたのだけど、偶に気も漫ろで心ここにあらずという感じだった。


──────────────


10日程たった頃、王女殿下に廊下でお声をかけられて、

日頃、接点のない私は口から心臓が飛び出そうだった。

隣でマリーナは気絶寸前。

2人で平伏してたら学園内なので普通にして欲しいとの事。

いえ無理です。

心の中で独り言。


会話らしい会話はなかったはずなのに、いつの間にか放課後お茶に誘われてた。

何で!!!


尊き方のお誘いは断れないので、顔面蒼白で一緒に行くと言って聞かないオーラン様を、宥めるのに苦労したけど、お姉様も一緒と言う事で、なんとか留まってもらった。


あれよあれよという間に(ほんとにこんな事あるのね)

王女殿下が現在滞在している王城に連れて来られた。


デビュタントの時にお城のパーティーに出席して以来、

普段来ることのないお城を見上げ目眩がしそう。

おそらく同じ状態であるマリーナと手を繋ぎ合う。

ここに来て妙に落ち着きはらったお姉様(流石だわ)と共に案内された絢爛豪華な部屋。

息が止まってしまうかも。

ドキドキする。


座って待つように言われたのだけど、3人で着席する前に

王女殿下のご友人でご一緒に留学されて来られた、『エミリー・バートン子爵令嬢様』が、お姉様へ何かを耳打ちされて2人で別の部屋に移動されてしまった。

お姉様、置いていかないで。(泣きそう)


──────────────


隣国タリスティア王国 第二王女 

ソフィーア・タリスティア殿下

切れ長の目、意志の強そうな眉、薄い唇、そして金髪碧眼。どこから見ても非の打ち所のない見事な見目に反して、殿下はとても親しみやすい方でした。


王宮のフカフカのソファに肩から腰まで杭に結ばれたようにカチコチに固まっていた私とマリーナの緊張を解してくださって、畏れ多くも気安く会話して下さり友人になって欲しいとお願いされました。(嬉しい)


隣国で流行りのドレスの型やヘアースタイル。

小説、お菓子に至るまで面白可笑しく教えてくださって

帰る頃には元から仲良くさせてもらってる友人と離れるような名残惜しい気持ちになり、また誘って頂けるみたいで次が楽しみです。

結局、お姉様とエミリー・バートン子爵令嬢様が部屋に戻ってきた時は帰る時間だったので私達とはお話できなくて、次の機会ではお話できるといいなぁと思ったの。


──────────────


エミリー・バートン子爵令嬢様は元々、我がスルベージュ王国の国民で彼女のお家は商会を営んでいたそうです。

商会を手広くするために、今から11年程前にタリスティアに移住されてから、彼女の家は数々の功績をあげタリスティア王国に大変な貢献をされたそう。

それで叙爵され男爵位を賜って、昨年昇爵され今は子爵位なのだそうです。


ソフィーア様が10歳ごろにお忍びで出かけた市井で困ってる時に助けてくれたのが、エミリー様でそれ以来のご友人だそうです。

ソフィーア様が教えて下さいました。


その話を夕食の時に両親に話したら、お父様に苦言を呈されました。

王宮で見聞きした事はあまり話してはいけないそうです。

今回は登城に慣れてない事と他国の王女殿下ということもあり、大目に見るとおっしゃいました。

王宮に行くことがなかったので知りませんでした。

勉強不足でした、学園の勉強ができるだけじゃ駄目ね。

貴族の令嬢としてあるまじき行為、反省しなきゃ。

そういえばお姉様は帰宅してから王宮での話はしておられなかったわ。

流石お姉様、尊敬します。


明日マリーナにも伝えなきゃ!

でもマリーナは知ってる事かも、私が疎いだけかもしれないわね。

ここまでお読み頂きありがとうございました

次回もよろしくお願いします

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