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another me online  作者: 天柱蓮華
2/2

 ゲームをスタートすると一瞬浮遊感があり、目の前が真っ黒になると、いつの間にか真っ白ななにもない空間に立っていた。


 「小林百合さんですね?ようこそ、another me onlineへ!」


 不意に声が聞こえたかと思うと自分の後ろに金髪碧眼の美少女が立っていた。


 「貴女は?」


 「この仮想空間に住むAI:アリエルです。大体のことはわかりますから、何でも聞いて下さいね!」


 彼女――――、アリエルがそう言うと私の目の前に透明なボードが現れた。


 「それでキャラメイクをしてください。決めることは4つです。名前・ステータス・見た目・スキルです。」


 アリエルに促されて透明なボードを見る。


 ――――

 no name ❕ Lv.0 EXP0


 ステータス


 HP 568


 MP 890


 DEF 87%


 STR 100kg


 スキル:


 ユニークスキル:???


 称号:


 《変更不可》

 ――――


 規格外なステータスに一通り目を通してから名前の隣にある❕マークを押す。すると、ステータスが消え、私に似たキャラクターが浮かび上がった。太ももまである銀色の髪の毛に私の七色に光る瞳はそのままで、似ているけど似ていない。そんなキャラクターだった。


 「……アリエルさん、これ選択できないって書かれているけどどうしたらいいでしょうか」


 透明なボードにはステータスも見た目もスキルも決められている状態で変更不可と書かれていた。


 「え?嘘、バグは確認されていないはずなのに!……百合さん、再起動してみますか?」


 「……いいえ、これでいいです。何故かわからないけれどしっくり・・・・くるので」


 少し取り乱しているアリエルの提案を断り、名前のところに‟リリエル”と入力する。


 「でしたら、このまま説明に入りましょう。この世界は名前の通りもう一人の自分を出せるゲームです。とはいえ、何をしてもいいと言う訳ではないですし、法律もありますけれどね。


 このゲームでは何をしなければならないというものはありません。あくまでも自分がしたいようにしてください。そのため、現実に影響はしないですし、ゲーム内での誹謗中傷も犯罪にあたるのでご注意を。


 あと、この世界にはユニークスキルというものがあります。その名の通り神の能力です。自分の人生に合わせた、もしくは望みをかなえるための自分だけのスキルになります。これは最初からあるわけでなく、何をしたいかをちゃんと見つけられると発現します。また、ユニークスキルが変化することもあります。


 次は種族についてですね。最初のスタートは全員人間ですが、特殊イベントを起こすと違う種族になることもできます。


 最後にスタート地点についてですね。スタート地点は数ある第一ステージの中からランダムに選ばれます。でも、誰かと待ち合わせしているとかがあれば同じ場所に送りますので言ってくださいね。あと、このボード……ステータスボードは【ステータス】と唱えれば出てきますよ」



 「……はい、問題ありません」


 長い説明を終え、問題がないことを確認すると、スタート開始のカウントダウンが現れた。


 それが0になると同時に目の前が白く染まっていった。



 「それでは行ってらっしゃいませ。anothe me onlineの世界へ―――!!」





 輝が収まり目を開けるとアリエルは消え、草原が現れた。周りを見てみると、山と海、街そしてプレイヤーが沢山いた。


 目に入った街に向かって街道を歩いていると男性プレイヤー三人組が寄ってきた。


 「ねぇねぇ、そこの君。俺たちとデートしにいかない?」


 ―――テンプレ来ました。


 「ごめんなさい、私、彼氏を作る気はないので」


 丁重にお断りして横を通り過ぎようとする。でも、三人組のリーダーっぽい人が手首をつかんできた。


 「そんなこと言わずにさぁ!一緒に行こうよ!」


 その瞬間、捕まれていない左手を男の人の顔面にぶち込んだ・・・・・。


 案の定男の人は何メートルか後ろまで吹っ飛んでいった。


 「100㎏も持てる私に勝てるわけないでしょ……」


 呆然としている三人を無視して私は再び街道を歩きだした。





 街の前につくと、門番に近づく。


 「すみません、街に入りたいんですけど、どうしたらいいですか?」


 「ああ、君は異界人だね?それなら右手の紋を見せてくれたらいいよ。この紋がある人は異界人で、赤だと犯罪者で青だと一般人だよ。……君は問題ないみたいだ。ようこそ、レガリヤへ!」


 門番に歓迎され、大きな門をくぐる。すると、とてもきれいで活気のある街並みが現れた。

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