変わらないキモチ
雨が止んだら傘を閉じるように。
イルミネーションが外された並木に道行く誰もが興味を示さないように。
あるいは、毎日行くのが億劫だった学生時代が、振り返ればいい思い出へと変わるように。
今までなんでそんなことをしていたんだろうと不思議にすら思う。
それは、当然のこと。自然の摂理。
抗って、自分を騙して、気付かない振りをしたってダメなことも分かってる。
割れてしまったガラスのように。
切れてしまった糸のように。
繋げても結んでも元通りにはならないの。
肩を寄せ合っても、孤独が刺さって痛いだけ。
色鮮やかだった世界がモノクロになっていくような。
空気が無くなって呼吸が苦しくなるような。
そんな絞めつけるような胸の痛み。
私も大人になったのかしらね。もう慣れてしまったわ。
昔は声も涙もすっかり枯らしていたのにね。
それとも、心が枯れてしまったのかしら。なんてね。
縋ったって、呪ったって、結末はきっと一つだから。
あなたにかけられた魔法は解けてしまった。
禍々しい現実が私を覆う。怖くて痛くて耐えられない災禍。
だから、ごめんなさい。自分勝手に思うかもしれないけれど。
「――さよなら」