6 ホワイトドラゴン
レイラ・・・噂に聞くに貴殿の名はレイラ嬢。
我は文字が書けぬ・・・ただ、他者にゆだねてでも生きている証を残してみたい。
レイラ嬢、どうか我の今から語ることを代筆してくれ。
レイラ:分かったわ。
ここに『文字司』のレイラに、我ビビの話を託す。
――
―――――・・・
我にビビと言う名前をつけたのはハーフフェアリーの血の女児だった。
ビビ、と言うのはどこかのなまりの「美々な日」の美々からきた響らしい。
ドラゴンとして生まれた時からの名前はあったのだが、今回はビビとして話そう。
・・・我は、衰弱していた所をハーフフェアリーに拾われ、白魔法で癒された。
身体の大きさは女子が抱きしめて少し重みを感じるくらいだった。
言葉も話せず、うなずくかかぶりをふるか鳴き声を出すくらいしかできぬ。
そんな我を旅に同行させて可愛がってくれていた四人のヒトガタ。
スリーマッチエナジーと言う特殊栄養を生成して、我に与えてくれていた。
それがキーポイントだった。
我、伝説の白きドラゴンにて、『ひじりぼのお』で戦いを収束させるに至る。
レイラ:多分、聖なる炎のことね。聖炎。そう聞こえたり、見えたりしてる。
どうか続けて?
・・・まず共に旅をしていたのは、勇者、エルフ、魔女、半聖霊。
勇者の魔法剣で炎術を出し、肉を焼いて食べたりしていたが、なにかが意外だった。
これも書いておいてくれ。
魔女より勇者のほうが炎術は安全だったのだ。
あの魔女、時々力加減がおかしいから・・・・
エルフは弓矢じゃなく、魔法銃を持っていてあながち髪は短かった。
旅の目的が「モテたい」って言うのしか聞いていなかったから、意外だった。
許嫁に旅日記を贈りたいと思った、って、旅を終えてから我は聞いた。
なぜかタイミングが合わかなかったらしく、それまで聞いていなかった。
まぁ、こちらが喋れなかったんだからしょうがないような気もする。
・・・敵の黒幕との闘いに至るまでに、賢者の石を手に入れていた。
そして黒幕に行きつくまでの疲労で、全員がおかしくなりはじめていた。
白魔法でハーフフェアリーが癒しを続け、なんとか陣を保っていた。
我と言えば、エナジーが足りず手助けできずにいた。
スリーマッチエナジーは無防備になるから、戦闘中にはできないのだ。
エルフが500円で買った宝箱の中にあった、賢者の石。
エルフがそれを買わなかったら、負けていた。
そして半聖霊が我を助け、旅に同行させ、
スリーマッチエナジーを旅仲間たちが時折してくれなんだら、
こうして話をする機会はなかった。
仲間全員が疲労に倒れ、そして賢者の石が入った宝箱が落ちた時に偶然開いた。
誰を最後の一回かもしれない癒しの白魔法で助けたらいいのか、と半聖霊は悩んだ。
そしてその赤いかたまりに向かって、
「もし賢者の石ならば、おしえたもう」と願った。
そして賢者の石が指定したのは・・・『我』だった。
最期の力をふりしぼって、その言葉を信じて私を癒した半聖霊たちは倒れた。
もしかしたらこのまま息を引き取りかねない状況。
特殊エナジーで癒された我は賢者の石のおかげで本来の姿に戻れた。
私は人を助けるために衰弱していたのだ。
そしてもともとの姿は、建物の二階に頭が届くくらいにはある。
我の技『ひじりぼのお』は、善を癒し 悪を乾粉無きまでに焼き払う。
黒幕は消え、旅の仲間は蘇った。
そして最大のエナジーで旅仲間を癒した私は、再び身体を小さくした。
彼ら旅の仲間を街まで運び、手当させたあとで、ね。
彼ら旅の仲間は、我が伝説の白いドラゴンであることを、今だ知らないのだ。
彼らが目覚めた時には身体が小さくなっていたから。
・・・どうだい?
少し意外で、面白いような気がするお話だろう?
これを文字にして残しておきたいが、いかんせん私は文字が書けない。
代筆をしてくれてありがとう、レイラ。
そして魔法の羽根ペンよ。
これから我のように代筆を頼む者が来ると思う。
レイラの『文字司』の能力に対して、だ。
生きている証を残したい者達に、できるだけ協力をしてもらいたい。
無理にとは言わない。
それは我、個人の意見だが、フラチから護る守りを入れておこう。
大丈夫、君はまだ生きていていい。
そしてちゃんと死ぬんだ。
ちゃんと生きたら、きっとちゃんと死ねる。
それが我の代筆の礼の言葉なり。
それについて、フラチは君に必要ないことなど分かりきっているのだよ。
大丈夫、きっと可愛いお嫁さんになりなさい。
悪魔や魔物や鬼の類の代筆は、断って欲しいと我が意見を出しておこう。
幻想界にね。
協会にも守ってもらいなさい。
レイラ:お話も護りもありがとう。
あなたのお話が聞けてよかったわ。
うんうん・・・それでは失礼つかまつった、さがる。
この記述は、『文字司』としてレイラと魔法の羽根ペンが行ったことをここに記す。