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レイラと魔法の羽根ペンの記述  作者: 文字司のレイラと魔法の羽根ペン
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4 文字司



 それからのことだけど、私レイラは利き手が何かを書きたい仕草が頻繁になったの。


 それで「書きたいなら書いてみてもいいわよ」って言ってみたの。


 そしたら・・・そうね、とんでもないことばかり、だった。


 とても口にはしたくないようなことも勝手に利き手が書き出したわ。


 そして出会いと別れもあった。


 自分には向かないと思う自動書記の種類と別れるかわりに、新たな種類を手に入れた。


 そして『文字司』としての仕事がはじまったの。



 当初はなぐり書きに近かったわ。


 それから走り書きだったこともある。


 とにかく『文字司』の能力で情報が集まって来る。


 それを情報処理能力でこして、さらに潜在能力で書き出し、深層心理で会話する。


 それは魔法の羽根ペンの補助がついていたから、できたことだと思う。



 魔法の羽根ペンに名前を付けたけど、今は言いたくないわ。


 だって、誰が読むのか分からないんだもの。



 それから今までかきなぐったものを含めて、重要だとされたわ。


 この世界のどこかにあるという『本の森』。


 そこには『大きな本棚の樹』がはえていて、そこに奉納されたらしい。


 生きている樹の一部が本棚として魔法加工されているの。


 一説にはエルフが守っているらしいわ。



 女性エルフの中には、ビキニアーマーを着てるひともいるらしい。


 ビキニは、「水着」の種類のことでアーマーは言葉通り「鎧」。


 その身体は曲線美と瑞々しさと良い香りで敵を威圧、素敵ね。


 エルフの中にも読書好きはいて、一説にメガネをかけているらしい。


 先天的なものでもないって。



 そう言えば、エルフについて書いておきたいことがあるわ。


 私が聖堂やミニホテルに行った時の『付き添いの協会員』は、ハーフエルフ。


 人間とエルフの混血で、名前はジュリアン、男性、実年齢は不詳、見た目二十代。



 盛りの時期が来たら相手してあげるよ、って言われたけどいやじゃなかった。


 ただ、恋愛にまでは達してなくて、信頼感みたいな感じがするわ。



 ・・・これはあとでジュリアンに読まれるんだった。


 まぁ、いいや、素直に生きよう。



 ――

 ―――――・・・・



 まず『文字司』として最初の通信は、コードネーム『ブラウン・ティティ』から。


 それは文字司の能力の説明文と、協会員としての挨拶だった。


 中年の男性だと言っていたけれど、相手が見えるわけじゃないの。


 ただ、今にいたるに自覚したのは、会話相手の話の『情景が「見える」』こと。



 ふんわりだったり、鮮明だったり、一瞬だったり、数日だったりする。


 その件に関して、書き手には「見える派」ってあるらしい。


 それは協会員をしている作家さんから聞いた話。


 それでだいぶ安心したわ。


 思い出すと、口角が上がりそう。



 色んな出会いがあったけど、


 その作家さんが出版した本を手に取った時はまるで夢見心地だったわ。


 本の内容もすごく魅力的な口調で、展開も好き。



 ペンネームと協会員名は違うひとが多くて、


 私もこの記述に際してペンネームを持とうか少し悩んだことがある。


 私の書いた『文字司』としての書籍が、もしかしたら出版されるかもしれないの。



 ファンタジー物語として。


 とっても光栄なことだし、色んな出会いと別れに感謝しようと思う。



 本名では危ないのでは、ってジュリアンたちが少し心配してくれている。



 でも、レイラでいいやと思った。



 次回から、『本の森』に奉納されたメモの類を語り書きにしようかと思う。


 私らしく、多少の編集・割愛はするけれど脚色はしなくてよ。



 魔法の羽根ペンの名前は「ウィリー」です。



 今回はこれくらいで記述を終わる。


 この記述は、レイラと魔法の羽根ペンが協力して書いたことをここに記す。


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