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―番外編 メイド・イン・ドリーム2―

2です。続編なんです。実は続いていたんです。Aerial Wingは彼女抜きでは始まらない。そう、今度は彼女と共に!www





 ある日、我が親友ロキウスが、マスターの留守中に性懲りも無くエアリアルウィングへとお忍びでやってきて、偶然居合わせた俺とエリシアを交えての雑談に興じていた。


 その雑談の中で、エリシアが「ロキウス様、レイとの思い出の中で、一番楽しかったエピソードはなんですか?」という質問をした。


 その質問に、ロキは何を思ったのか、あの忌わしいメイド喫茶のエピソードについて語り始めた。それが原因で、俺は再び、あの恥辱を味わう事になる。


「そーだなぁ、俺が最高に笑ったレイエピソードの一つに、メイド喫茶エピソードがあるんだが、アレは本当に笑えたなぁ。レイの奴めっちゃくちゃテンパッてたもんなぁ!」

「ロキ、それ以上言うな。思い出させるな! 忘れてしまえ! 二度と口にするな!」


 俺は思わずロキの口を塞いでいた。そんな姿を、エリシアはきょとんとした顔で眺めていた。


「メイド……って、あのメイドさんよね? お城勤めだったりお屋敷勤めをしている、給仕さんってよばれたり、侍女さんってカテゴライズされるあの職業よね? そのメイドさん達がカフェをしているの?」

「そうなんですよ! ですがちょっと違う! どう違うかというと、そう、萌えです! 萌えなのです! レイもそりゃもーメイドさん達の萌え萌えオーラで、骨抜きのふにゃふにゃにされてしまって大変だったのですから!」

「え? もえ?」


 ロキの意味不明な単語、『萌え』に、困惑の色を隠せないエリシア。


「あー、エリシア? 気にしちゃダメだぞ? ロキ、お前には言ってやりたいことが山ほどあるが、一言に絞ろう。死ね」

「……それでロキウス様。そのメイドさんにレイも骨抜きにされたというのは本当でしょうか。是非ともそこを詳しく教えていただけますでしょうか。私とても興味が沸きました」

 

 焦りを隠せないまま、情報の隠蔽を図る俺を若干ジト目で睨みながら、ロキに更なる情報開示を求めるエリシア。俺の背中に、つーっと一筋、嫌な汗が流れる。


「そりゃもうタジタジしながらメロメロでしたよ~♪ 鼻の下をびろ~んって伸ばしながら☆」

「うるせぇコラ! メロメロでびろ~んはテメェだけだろうが!!!」

「ははははは! レイだって喜んでたじゃんかよぅ! おっきなおっぱいのシットリとしたメイドさんにさ☆」

「え、いやあれは喜んで無いぞ!? ひたすら困惑してただけだって!」


 俺は思わず、あの這い寄るように密着してきた、花魁メイドさんを思い出してしまい、動揺を隠すことができなかった。そんな俺を、エリシアはバッチリとジト目で視認していた。


「へぇ……レイがそんな風に……。案外気に入っちゃってこっそり変装して通い詰めてたりして……。」

「いえ! 全然これっぽっちも! むしろトラウマっす! できる事なら二度と行きたくない場所っす! ええ本当に!」


 エリシアの妙に低いトーンが恐ろしくて、身体が強張り、顔の前で手のひらを素早く左右に振りながら全力で全否定した。しかし、次の瞬間にはエリシアの表情は少し明るくなり、天井を眺めながら頬に右手の人差し指を当て、思慮に耽ったかと思えば、何か思いついたように、ぽんと手を叩いた。あまりにも天然のテンプレみたいな行動に、俺はあっけに取られてしまう。


「ねぇレイ! 私も行って見たい! メイド喫茶に!」

「へ? え、やだ」

「おお、それは名案! 百聞は一見に如かず! この私にお任せください! 最高の店をご用意いたしましょう! というわけで失礼、電話を入れますので。」

「オイ待て無視するな。俺イヤだって言ったんだけど!?」


 俺の抗議を無視し、スッと懐からケータイを取り出したロキは、ニコニコしていた善人面から、何か悪巧みをするような悪人面へと早変わりした。


「……ああ、私だ。私の名前で『例の店』に貸切予約を。 そうだ、今すぐにだ。 金ならいくらでも払うと、店主に伝えろ。……何、1時間だと? いいや、だめだ。2時間抑えろ。いいな? ……ごねたらだと? 貴様、私に何年仕えている。判っているだろう? ごねたら店ごと買い取れ。……ああ。では、よろしく頼むぞ。……と、言うわけで、全て準備は整いました☆ 迎えの車も用意しましたので、是非楽しんできてくださいませ!」

「なんだろう、今ロキウス様、ケータイに向かってとても恐ろしい顔で、とても恐ろしい事を口にしなかった?」

「そうか? ロキの本性って大体あんな感じだぜ」


 そして結局、エリシアは行くと言い張り、ロキはセイラさんが帰宅するのを執務室で待つと言うので、エリシア一人を外出させる訳にも行かず、俺はイヤイヤながら、再びアキーヴァタウンの某メイド喫茶へと、重い足取りで足を運ぶのだった。



―アキーヴァタウン・某所―


「どうしてこうなるかなぁ……」


 俺は薄暗い雑居ビルの廊下の前で、額に手を当てながら呟いてしまう。


「ふむふむ、このお店がそうなのね! さぁ入りましょ、レイ。ロキウス様ったら、貸切で予約してしまったのでしょう? もう予約時間過ぎちゃってるし、ただ立っててもしょうがないでしょ? ほらほら行くよー♪」

「あー。帰りてぇ。ただしこの場合、帰りたい場所は俺の自室であって、決してメイド喫茶にではない」

「何を言ってるの? レイ。意味がわからないわ」

「扉を開けばわかるよ」


 エリシアに引きずられ、ファンシーな扉をくぐったその瞬間だった。


「「「「「「「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様ぁぁぁぁぁ♡♡♡」」」」」」」


 響く嬌声のような歓迎の声。ああ、また来てしまった。いや、この場合、帰って来てしまったというべきか?


「うわぁ! なんだか話には聞いていたけど、とても可愛いメイド服だわ♡ すっごいフリフリのフリルスカート。丈短いなぁ……。私こんなの着た事ないよぉ! すごーい! お城にも、こんな可愛いメイドさん達は居なかったわ!」


 そりゃそーだろうよ。どこの世界にメイド服を着用する皇女が居る。


「お待ちしていましたわ、黒髪のご主人様♡ あれから一度も帰ってきてくれないのですもの。寂しかったですわ、クスン。あら、やだ。私ったら、大変失礼いたしました。おかえりなさいませ、レイ様♡」


 こ、このメイドさんは! あのちょっと妖艶に迫ってきた花魁メイドさんだ! こ、この人なんだかすごく苦手と言うか、今まで居ないタイプの女性だから耐性がないというか! そもそも、なんなんだこの人! 格好は完全にファンシーなメイドさんのクセに、高級風俗嬢っぽい(※レイの盛大な偏見による個人の感想です)雰囲気がホントに苦手だ。


「あー……ど、どうも……」


 俺の横に立ち、首を少し傾けての流し目。その破壊力たるや……。 筆舌に尽くしがたし!!!


「……へぇ」

「……な、なんだよ」

「別に……何も」

「なんだよもぅ」


 エリシアの貫くようなジト目の圧力を感じ、さらに俺のストレスゲージは上昇する。


「ふふっ。さぁご主人様、お嬢様。お席へご案内いたしますわ♡」

「はい! ありがとうございます♪」

「さぁさぁ、ご主人様も、お嬢様といっしょに楽しもうにゃん♡」

「あ……うぅ」


 前回、ロキの一番のお気に入りだった猫耳メイドさんにも促され、俺はタジタジしながら奥へと連行されていく。それを見たエリシアは、何が楽しいのか、悪戯っぽい笑顔をこちらに向ける。


「……クスクス。他所では『エアリアルウィングの狂犬』と呼ばれた一匹狼も、可愛い猫耳メイドさんの前では借りてきた猫みたいね。全然見た事ないレイだから、なんだか新鮮だなぁ」


 え、何その通り名。初めて聞くんだけど。てかきっつーーーーー。なんつーかもうほんとにこの空気恥ずかしくて息が詰まる!!!


「さぁさぁ、ご主人様、お嬢様、こちらの席にどうぞお掛けくださいにゃん♪」


 俺とエリシアは、促されるままVIP席に案内され、黒い革張りのソファーに隣同士に腰掛けた。


「それではご主人様、お嬢様、何かお飲み物は何になさいますか?」


 ツインテールのメイドさんが、俺達にメニューを開いて差し出してくれる。


「うーん、そうね。じゃあ私は『メイドさんの愛が詰まったオレンジひゃくぱーせんと生絞りジュース』にしようかな♡ あは、すごいネーミング。ねぇねぇ、レイはどうするの?」

「コーラでいいよ」

「あーれれぇ? レイ大変! レイの大好きなコーラがどこにもないよぉ?」


 なんだこの、あからさまに馬鹿にしてますよっていうエリシアの態度は! あーれれぇじゃねぇよ! 大好きってほどでもねーよ!


「何言ってんだよ。ちゃんとメニューにあるじゃんか。ほらこれ」


 俺はエリシアメニューを開き、指でコーラが掲載されている場所を指し示した。


「んー? なんかとっても長いわね。これコーラなの? レイ、ちょっと読んで見てよ」

「は?」

「私最近疲れ目で、霞んじゃって見えないなぁ♡」


 ああ、つまり俺に読めと!? このクソ恥ずかしいメニューを読めと!? で、メイドさん達なんかめちゃめちゃニマニマこっち見てるんですけど!?


「く……。メイ……愛…………~っ! しゅわ……コーラおねがいします」

「え~? 聞こえにゃいにゃあ? ご主人様、もう少し大きな声でお願いしますにゃん♪」

「ダメだよレイー。メイドさんを困らせちゃ。ご主人様失格よ? クスクス」

「だーもー! メイドさんの愛で溢れちゃうしゅわしゅわコーラ下さいー! もうジョッキで二つ持ってきちゃってくださいー! おかわりで同じオーダー通すの、絶対イヤだからジョッキで二つ持って来てくださいぃい! これで満足か!?」

「あはっ! あははははは! レイ真っ赤! 怒ってるのか恥ずかしがってるのか分からないわ。お酒を一気飲みしましたってくらい顔真っ赤よ? あー、可笑しい! あははははは!」


 エリシアはケラケラと腹を抱えて笑い出す。そんなに楽しそうにされると、俺は毒気を抜かれてしまう。勿論怒りたい所なのだが、こんな風に笑うエリシアも、早々見れるものでも無い。


「お見事ですお嬢様! 恥しがり屋のご主人様には、今のようなご奉仕がベストなのですね!? みんな、メモよ!」

「「「「「はい!!!」」」」」

「メモらんでいい!」


 だがエリシアは知らない、判ってない。本当に恥ずかしいのはこれからなのだ!


「はーい♪ オーダー! 『メイドさんの愛が詰まったオレンジひゃくぱーせんと生絞りジュース』あーんど、『メイドさんの愛で溢れちゃうしゅわしゅわコーラ』2(ツー)ぷりーず♡」

「「「「「らぶらぶきゅんきゅーん☆」」」」」」


「らぶ……えぇ~」


 エリシアは、この呪文を初めて聞いた俺の時と同じような反応をした。人を呪わば穴二つとはこの事だ。エリシアめ、存分に恥ずかしがれ! 恥辱にまみれてしまうがいい! ふははははははは(棒読み)


「こ、これは思ったより恥ずかしいね……」

「あめーよ。本領はこっからだ……」


 そしてしばらくして、数人のメイドさん達がオレンジを持って、こちらへとやってきた。


「それではお嬢様、これからお嬢様のために、一生懸命オレンジを絞りますので、応援してくださいね♪ それじゃあみんな、せーの!」

「「「おいしくなーれ♡ 萌え萌えきゅんきゅん♡ 生絞り♪ ぎゅっぎゅっぎゅ~~~☆」」」


 メイドさん達は、それぞれハンドジューサーを手に、オレンジをぎゅっと絞っていく。


「わっ。ほんとに絞るのね。市販の物が出されるかと思ってた」

「目の前でやる辺り、あざといよなぁ」

「え? そう?」


 そりゃそーだろ。見れば、割と胸が大きめのメイドさん達が、胸を強調しながらオレンジを客の前で絞ってるんだ。男性客は当然胸に目が行く。そしてこの……。


 「ハァハァ……。いっぱい出ました。……ハイ、絞りたてです♡」


 これだよ。これなんだよ。下ネタとしか取れないこのセリフだよ。グレンあたりがコレをされたら、ちびちび舐めるように、オレンジジュースを舌で転がしながら飲むんだろうな。あーやだやだ。


「ありがとう、ご苦労様です。なんだか、変わった掛け声ですね」


 そこもツッコミ所だろうけどもね!?


「お待たせしましたご主人様♡ 『メイドさんの愛で溢れちゃうしゅわしゅわコーラ』です♪ それではご主人様、一緒に魔法を唱えてくださいね♡ 覚えてますよね?」


 ああ、遂に来た。今度は俺が恥辱にまみれる番か……。いや、大丈夫。もう慣れたようなモンだろう?


「は……ははは。そりゃもう……」

「では行きますよ? おいしくな~れ♪ 萌え萌えきゅんきゅん♡」


 手でハートマークを作り、コーラに向かっておまじないをかけるメイドさん。

 そして俺も……。


「……おいしくなれ。モエモエキュンキュン。モエモエキュンキュン」


 心を無にし、呪文を唱える。


「うわぁ。レイがやると本当に黒魔術ね。そのコーラ、飲んだら即死しちゃいそう……」


 エリシアが俺のおまじないを見て、真顔でそんなコメントを述べる。


「ははは、俺正直これで即死出来るなら一気飲みできるよ。あまりの羞恥に俺死にたひ……」


 口からモワモワと魂が抜けていくような感覚に陥っている俺の傍へ、遂にあのメイドさんがやってきた。


「隣失礼します、ご主人様♡」


 そしてエリシアの隣には、あの猫耳メイドさんだ。


「私も失礼しまーす、お嬢様♡」


 そして二人はぐいぐいと、隣同士に座っていた俺とエリシアの距離をぴったりとくっつけてくる。


「「…………」」


 俺達は、お互いの視線が重なり、互いの腕がぴったりとくっついた気恥ずかしさから、スススと目線を逸らし合ってしまう。 そんな俺達を、花魁メイドさんは見逃さなかった。


「ふふふ、私達のおまじないは上手く行ったようで安心しました。あれから全然帰ってきて下さらないからどうしているのかと、黄金色のご主人様にお尋ねしたのです。あのお方曰く、『ついに奴の願いが成就した』という事でしたので、そちらのお嬢様が、きっと『その方』なのですね♡ ですがよろしいのですか? こんなところに来てしまって。聞けば、黄金色のご主人様は、その日のうちに恋人に知れてしまい、生まれてきた事を後悔するほど折檻されたとの事でしたが……」


 あの大馬鹿王、懲りずに通ってやがるのかよ!!! 生まれてきた事より此処に来た事を後悔しろ!!! 死ぬほど折檻されたら普通なら二度と行かねーよ!!!


「お嬢様いいのかにゃ? ご主人様が他の女の子にタジタジしてるにゃ。これは浮気じゃにゃいのかにゃ?」


 ネコ耳メイドさんの問いに、エリシアは平然と涼しい顔で答えた。 


「んー、まぁ誤解が無いように説明すると、私はレイの恋人って言うわけでもないし、それでも女の子としては、ヤキモチの一つでも妬くのが筋なんだろうけれど、今日は私が来たいって言い出した事だからね。それで怒ってたら、流石に理不尽でしょう?

 というより、絶対に色仕掛けが効かないと思ってたレイの弱点が、こんなにも露呈しているのだから、これはとても有意義な時間だわ♪

 なるほどなるほど。レイのツボはそこですか♪ オリビアやマスターはとっても美人だし、カトレアさんからはあんな熱烈なラブラブビームを直射されているのに、レイはその誘惑をスルーしたり断ち切ったり出来てるでしょう? それって、よっぽど女の子に慣れてるか、相当鈍感か、最悪女の子に興味が無いって事よ?

 ねぇ知ってる? レイ。オリビアはね、あなたが本当は同性愛者なんじゃないかって疑ってたのよ?」

「……は?」


 え、なに? 俺オリビアにそんな風に思われてたの? 俺は同性愛者に理解はするが(以下略。


 そしてほら、同性愛者だのBLだの言い出したから、案の定ツインテールのメイドさんが興奮し始めちゃったよ。


「きゃー♡ やっぱりやっぱりぃ♪ あの金髪のご主人様と黒髪のご主人様はそう言う関係だったんだわ! もう私妄想で薄い本4冊も書き上げちゃったの♡ もうねもうね、どっちが受けでもどっちが攻めでもゾクゾクしちゃってぇ! 金攻×黒受からの攻守逆転でしょ!? さらに両受からの両攻!!! ああでもふたりとも特定のパートナーがいるならもっとすっごいことに!? ああ想像が! 創造が! ムッハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン♡♡♡」


 あ。ダメだこの人。興奮通り越してオーバーヒート起してるよ。誰か何とかしてあげて。


「あ、あのぉ、あのメイドさん頭から煙出てますけど、大丈夫なんですか?」

「ええお嬢様。いつもの事ですわ♡ 気にしないで下さいませ♪」


 ああ、いつもの事なんだ。


「前も言った気がするけど、あえて言わせてくれ。俺はノン気だしあいつもノン気だ。あいつに関してはガチで惚れてる彼女がいるし、彼女がいなかったら手当たり次第に女に手を出しかねないほど女好きだよ」


 俺は深くため息をつきながら、コーラをストローで飲み始めた。炭酸の弾ける刺激が心地いい。


「でも、ここのお店、調べたらとても人気ですよね? 一度しか来た事のない人を覚えていたんですか?」


 エリシアは、ふとそんな疑問を口にした。


「ああそれはもちろん。このお店を貸し切りで楽しむだなんて大豪遊する人は、あの黄金色のご主人様以外に居ません。そしてあの方がお連れ様と入店したのは、初めて入店された時のみでした。ですから、お嬢様。ご安心ください、ご主人様はこっそり入店されたりなんてしてませんわ♡ まぁ、変装がアサシンのメンバー並に御上手だというのでしたら、話は変わってきてしまうかもしれませんが♪」


 俺の心臓は、花魁メイドさんが口にしたアサシンという単語に反応し、ギクリといやな音を立てた。いや、来て無いだろ? てかなんでアサシンって単語が出てくるわけ? この人、本当に侮れない!


「うふふ、ですよねぇ? アサシンなら、お茶の子歳々ですよねー♡ うふふふふ」


 エリシアが俺の手の甲の肉をぎゅっと摘み、爪を立てて抓りあげる。 痛い……。


「は……ははは、何を疑っていらっしゃるのやら……。

 わざわざ変装して来店だなんて、アサシンがするはずないだろう?

 だってアサシンだぜ? ははは。やろうと思えば、どんな場所にだって潜入できる奴が、よりにもよって、メイド喫茶なんてさぁ。ねぇ?

 どう考えても普通に入店するだろう。だって、もっと如何わしいとこはいくらでもあるじゃん?

 エリシアも馬鹿だなぁ。俺がホントの変態で、超スケベアサシンだったら、間違いなく女風呂とか、意中の女性の部屋に忍び込むね。まぁ変態でもないし、そんなにスケベだっていう自覚も無いから、そんなアホで浅はかで、愚かを連ねると書いてグレンと読むような真似は、絶対にしないけどね」


 そう、やろうと思えば出来てしまうのだ。


 例えば、夜中にギルドの鍵を使い、マスターの仕掛けた侵入者避けのトラップ魔法を踊るように掻い潜り、エリシアの部屋の鍵を開錠し、部屋に侵入。だなんて面倒な事しなくても、どういう訳だか開錠しっぱなしにしてあった、俺の寝室のすぐ向かいの、エリシアの部屋の窓を開け、飛び移るだけなのだ。


 っていうかさ、エリシアって元皇女だぜ? 世の中の王子様連中の殆どが、エリシアに惚れて求婚してるんだぜ?

 そんな相手が無防備に窓の鍵閉め忘れてたり、たまに少し窓開けて寝てるんだぜ? で、その先には無防備極まりないエリシアが居るんだぜ?


 そんなエリシアに、俺今朝、「向かいの窓、開けっ放しだぞ。無用心だからちゃんと締めとけよな」って親切に注意したんだぜ? 俺、超偉くねえ? 自制心の塊だと思うのだけど、そこんとこどうなのよ。

 そんな俺捕まえて、変装してメイド喫茶に通い詰めてるかどうかの疑いをかけるの? どうかしてるよ絶対。


「そんなことより、ご主人様、お嬢様。お腹空いてないかにゃ? 今日のお勧めは、『メイドさんの恋心が沢山詰まった、とろけるチーズインハンバーグ』にゃ♡」

「うーん、お昼は食べてきちゃったしね。あ、軽食とかデザートみたいのがいいな」

「ああ、それでしたらこちらはどうでしょう。『ドキッ☆愛と涙のデスルーレットホットケーキ』ですわ。8等分されたホットケーキのどれかに、ハズレで何かとてつもない調味料が含まれています。ゲーム感覚で楽しめますよ」


 おいおい、お前達は母親に教わらなかったのか? 食べ物で遊ぶんじゃありませんって……。ま、言うだけ野暮か。


「あはは、面白そう! ねぇレイ、やってみようよ」

「え。マジで言ってるの?」

「うん、大マジです♪ これお願いします!」


 エリシアがメニューを指差し、メイドさんにオーダーしてしまう。


「はーい♪ オーダー、『ドキッ☆愛と涙のデスルーレットホットケーキ』ぷりーず♡」

「「「わくわくドキドキきゅんきゅーん☆」」」


 厨房から不穏な空気を感じながら、俺とエリシアはメイドさん達の用意してくれたトランプなどのミニゲームを楽しみつつ、デスルーレットホットケーキの到着を待ち、そしてそれはついに現れた。


「おまたせしましたー♡ 『ドキッ☆愛と涙のデスルーレットホットケーキ』でございまーす。さて、このホットケーキは、当たりはとってもあまーいホットケーキですが、ハズレには、メイド長さんのその日の気分で決めたとっても危険なものが、二枚重ねのホットケーキの中に仕込まれています。ハズレは1ヶ所、じゃんけんで先攻後攻を決め、それぞれ選んでいただき、同時に食べていただきます。それではお二人とも、正面に向き合ってください」


 俺とエリシアは、テーブルを挟み向かい合った。


「あ、レイ。超スピードカメラみたいな反射速度で、私の出す手を見極める、なんてことは無しだよ?」

「はいはい、普通にじゃんけんだろ? そこまで大人気ないことしないよ」

 

 俺はため息をつき、何を出すか思慮する。 よし、とりあえずグーだ。 あいこならチョキ、続いてパーにしよう。


「いっきまっすよぉ♪ メイドさんじゃんけん♪ もえもえポン☆」

「うぇ!? ちょっそんな掛け声なの!?」

「ぽん!」


 混乱する俺を他所に、エリシアはパーを出し、俺に勝利していた。


「やった♪ じゃあ私これー」

「まぁどっちでもいいけどさ。じゃあ俺はこれ」


 俺とエリシアは指定した部位を取り皿へと乗せた。


「では、『ドキドキぱっくんちょ♡』って掛け声をしながら、同時に食べてくださいね♡」

「え。俺も言うの?」

「ええ、勿論ですわご主人様。ああそうだわ! ご主人様、私が食べさせて差し上げましょうか? それともやはり、お嬢様に食べさせていただきますか?」

「いえ。自分で行きます行かせてください」

「えー? 面白いからそうしようよ♪」


 何を思ったのか、エリシアが花魁メイドさんの案に乗っかってしまった。もう色々めんどくさいからそれでいこう。


「じゃあ、別に掛け声無しでいいだろ? ほら、エリシア。あーん」

「えー? 仕方ないなぁ。あーん♡」


 俺はフォークの先のホットケーキを、エリシアの口へと運んでやった。


「はむっ。……ふむふむ。うん、イチゴジャムだね。とっても甘くておいしい♪ じゃあ次レイね。はい、あーん♪」

「……あー」


 メイドさん達に注目され、かなりの気恥ずかしさを覚えながら口を開けた瞬間だった。


「ドキドキぱっくんちょ♡」

「うぐっ」


 口に入ったと同時に、エリシアがそんなふざけたセリフを口にした。思わず噴出すか、喉に詰まらせるかと思った。


「ふふふ、おいしい? それともハズレ?」

「……異常なし。いや、甘っ! 生クリームにキャラメルとメープルシロップ!? これ当たりなんだよな!?」


 あまりの甘ったるさに、俺は嚥下できるか不安になってしまう。


「あらざんねーん♪」


 その後も、問題なくゲームは進み、ラスト2枚。これは間違いなく、どちらかが当たりだろう。

……っていうか。俺はどちらがハズレなのか理解してしまった。


 なぜなら、残り二つのうち、片方のホットケーキのクリームに、何かが僅かに染み出している。エリシアの位置からは見えづらいだろうが、俺にはバッチリ視認できている。あれは、間違いなくアカン奴だ。


「じゃあレイ、いくよー? メイドさんじゃんけん♪」

「じゃんけんぽん」「萌え萌えぽん♪」


 俺はチョキを出し、エリシアはパーを出していた。ふっ悪いなエリシア。この勝負もらったぜ。存分にマズイ思いをするがいい。


「じゃあ俺は……」


 ん? この匂い。ホットケーキに染み付いてるのはウスターソースか? うわ、ヒッタヒタじゃんか。あんなの一口食べただけで、エリシアなら、あまりの不味さにのた打ち回る。


「…………」

「なぁにレイ。もしかして怖い? ふふふ」

「いや、どっちにしようか迷ってるだけだよ」


 ま、いいか。


「じゃ、俺はこっちで」

「ふふふ、では最後は、お互い同時に、相手に食べさせてあげてください」

「わっ何ソレすっごく恥ずかしい!」

「マジか……」

「では、『らぶらぶあーん♡』でいきましょう」


 ただでさえ恥ずかしいのに、掛け声でさらに追い討ちかけてきやがった。


「それでは参ります。『らぶらぶあーん♡』」


 ええい、もう色々どうにでもなれ。俺はエリシアの差し出したホットケーキを口に含み、エリシアは俺の差し出したホットケーキを口にした。


「はむ。 あ、おいしい! 当たりだぁ!」

「……………………………まっずっ。そして辛っ」

「おめでとうございますお嬢様♪」


 周りのメイドさん達がパチパチと拍手しはじめる。俺は、自らハズレを引いていた。まぁ、こんなものは不味さで言うなら序の口だろう。食おうと思えば食える。本当にマズイ物は間違いなく、目の前で嬉々としているエリシアの手料理に他ならないのだから。あのダークマターに比べればこんなもん……。


「ふふふ、大変ご立派でしたわ、ご主人様♡ お水をどうぞ」

「ああ、どうも」


 俺はメイドさんから水を受け取ったとき、メイドさんは俺にこっそりと耳打ちした。


「お優しいですわね」

「…………」


 俺は黙って水を飲み干した。


「では! 残念ながらハズレを引いてしまったご主人様には、罰ゲームが待っているニャ☆」

「はっ!? そんな話聞いてないけど!?」

「罰ゲームは勝者であるお嬢様に決めてもらいましょう♡」

「え? 私決めていいの? うーん、どうしようかなー♪」


 ちょっと待て、ただでさえマズイ物を食わされたのに、その上罰ゲーム!? どんだけ過酷なルールなんだよ! 聞いて無いんだけど!?


「あ、思いついちゃった♪ レイ、こうやって手でハートマーク作って、『萌え萌えきゅんきゅん♪』ってやって♡ もちろん、万遍の笑みで」


 ほぉぉぉぉぉりぃぃぃぃぃしぃぃぃぃぃぃぃぃぃっと!!!!!!!!!!


「え。無理」

「だめー♡ はーやーくぅ!」


 めっちゃ楽しそうに、ケータイのカメラを動画モードで起動するエリシア。


「いや、エリシア? それは流石にちょっとひどくねぇ?」

「全・然♡ だって勝ったの私だし♪」

「俺が絶対出来ないって分かってて言ってるだろ?」

「いいえ? レイなら出来るって私信じてる。ほら、簡単でしょ? 萌え萌えきゅんきゅん♡」


 くっ。屈辱だ。やはり食わせるべきだった!!!


「うぅ…」


 俺は心底イヤイヤ、両手でハートマークを作り、口角を思いっきり釣り上げ、呪いの言葉を口にする。


「萌え萌えきゅんきゅん」

「はいダメ。全然ダメ。笑顔じゃないもん。やりなおーし♪」

「はぁ!? もうよくねぇ!?」

「嫌。もっとスマイルで楽しそうにしてくれなきゃダメ♡ みんなに見せびらかしても面白くないじゃない」

「何その二次災害!? 絶対やりたくないんだけど! エリシアちょっと流石に酷くないか!? 機嫌でも悪いのかよ」

「いいえ? 全然。むしろ楽しいわ。別に、メイドさんの胸をチラ見しては思い出したようにそっぽ向いてるとか、あからさまにテレてる反面喜んじゃってるとか、ああレイも男の人だから仕方ないけれど、なんかイライラするなーなんてこれっぽっちも思ってないわ♡」

「え。わざと? 本音ダダ漏れだね」

「ほらほら、いいから早く♪『萌え萌えきゅんきゅん♡』」

「もうマジでカンベンしてくれぇぇぇぇぇ!!!」



―それからしばらくして……―


「「「「「行ってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様―♡」」」」」


 あれからテイク4まで撮り直し、一向に改善しない俺の演技に、エリシアは諦めが着いたのか、やっと満足したのか、やっとOKがでた。消耗しきった俺は抜け殻のようになっていたが、エリシアはどうやらメイドさん達と、なにやら意見交換やら、ガールズトークやらを繰り広げているようだった。その会話の内容は、疲れ切った俺の脳には入ってこなかった。そして今、俺は満身創痍になりながら、夕焼けに染まるアキーヴァタウンを、エリシアと二人で歩いていた。


『も……萌え萌えキュンキューン』

「ぷっ! クスクス。すっごい顔、これ傑作だわ」

「もうやめれ」


 エリシアはケータイの動画を何度もリピート再生しては楽しんでいた。


「で、もう満足したろ? もう暗くなるし早く帰ろうぜ」

「あ、ちょっとまって。この近くの服屋さんにも寄りたいの」

「服? まぁそれくらいならいいぞ」

「ありがとうレイ。じゃあそこのカフェで待ってて」


 エリシアは、向かいにあるカフェを指差した。


「ん? なんで? 服の買い物くらい別に付き合ってやるけど?」

「……いいから待ってて。レイのえっち」

「えっちって……。俺は別に、ただお前の護衛をだな……」


 そこまで言いかけて、俺は口篭ってしまった。もしかしてエリシアは、その……ランジェリー、つまり女性用下着を購入しようとしているのではないか? と。それは流石についていけないな。着いていきたくないな。 


「……気をつけろよ? 30分しても戻ってこなかったら迎えに行く。もし何か危ない目にあったら、ケータイにワンコールでもいいから連絡しろよ」

「うん♪ 大丈夫、心配しないで。すぐ戻るわ」


 そう言って、エリシアは雑居ビルの中へと入っていった。俺は一応、入り口付近を注意深く監視し、人の出入りを警戒した。


 それから10分くらい経った頃、あたたかい紅茶を啜っている俺の元へ、エリシアは紙袋を抱えて走ってきた。


「お待たせレイ。さ、帰りましょ♪」

「おう。ンじゃ帰るか」


 なんだ? あの紙袋の大きさからして、下着とかではなさそうだ。 だったら別に俺も付いて行って良かったんじゃないか? 女ってのは良くわからない。


「ねぇレイ。明日もオフよね? 何か予定はあるの?」

「んー。ノープラン。家でのんびりしてようかと思ってる」

「ふーん。そういえば、私レイの家に遊びに行ったことないなぁ」

「そうだったな。別にいつでも来ていいぞ? なんもねーけど。テレビくらいはあるけどな」


 壁には武器などが掛けられてるせいか、余計に殺風景にみえるようで、女性のみならず、男性からも生活空間とは思えないだとか、武器屋だとか言われている。俺としては、物がない事は散らからない事だと思っているので、なるべく物を増やしたくないだけなのだが……。いや、剣は溢れかえってるか。


「あ、そうだ! ねぇレイ、明日朝ごはん一緒に食べない? 私パパ様に注文してサンドイッチ作ってもらうから、レイの家で食べるの! どう?」

「んぁ? 俺は構わないけど、ギルドで食うのと何か違うのか?」

「違うよ。……だって、ギルドじゃ最近落ち着いてご飯食べられないんだもん」


 あー、確かに。グレンやらジーク、マスターなんかが、すぐにからかって来やがるからなぁ。


「んじゃ、そうするか。鍵は開けておくから、適当に入って来ていいぞ」

「うん♡ 楽しみにしててね♪」


 楽しみ? 朝飯を食うだけだろ。いつもギルドでも一緒にメシ食ってるじゃないか。ま、いいか。







―翌朝―



「ん……」


 ふと、目が覚めた。時刻は6時15分。家の中に誰かが入ってきた気配がした。


「ああ、エリシアが来るんだっけ……」


 眠気で頭がボーっとする。つーか、こんな朝早くから来なくたっていいのに。俺が朝弱いこと、あいつも知ってるはずだ。


『トットットットッ』


 階段を上る足音。あいつ、わざわざ起しに来るのか? カンベンしてほしい、もう少し寝かせてくれ。


『コンコンコン』


 静まり返った部屋に響くノックの音。


「レイ、おはよう。 起きてる?」


 寝てるよ。まだ寝てたい。だから返事はしないでおこう。


「すぅー……はぁ。お、おじゃましま~す……」


 入ってくるのかよ。嫌だ、俺はまだ朝食ごときで早起きするつもりは無い。そもそも男の寝室に入ってくるなよ。逆の立場だったら悲鳴を上げて嫌がるだろうに。男女差別とはこの事だ。


「あの、レイ?」


 返事はしない。俺は寝てるんだ。眠いんだ。出直してくれ。あと1時間ほど眠らせてくれ。


「コホン。おはようございますご主人様。朝ごはんの用意が出来ていますので、起きてくださいませ。起きてくださらないのであれば、昨日の動画をギルドのメンバーの皆様へと今すぐ配信させていただきます」

「止せぇぇぇぇぇ!?」


 本能が俺を叩き起こし、俺は飛び上がるように上半身を起した。


「ふふふ、おはようございます、ご主人様♡」

「まったく、冗談きついぞエリシア。どんな起こし方して……え?」


 目を疑った。そして寝ぼけているのかと思って、俺はごしごしと目を擦って、もう一度エリシアの姿を視認する。


「えへへ、どう? 似合うかな。スカートの丈が短くて、なんだか恥ずかしいから、足元はあまりじろじろは見ないでほしいかな……」


 エリシアが、あのエリシアが、あのエリシア皇女が、メイド服を着ていた。それもフリッフリのフリルがたくさん着いた、業務用ではない営業用? いやむしろコスプレ用? の可愛いほうのメイド服だ。


「なっおまぇっ!? そのかっこ!? ちょ、わっわっととっ!? ぐへっ」


 あまりの不意打ちに、慌てふためいた俺はベッドから転げ落ちる。


 ゴシックロリータ風のミニスカートタイプのメイド服に、フリル多めのエプロン。そして黒のニーソ。そしてもちろん、頭にはフリルカチューシャ。そんなモノをエリシアが装備しているのだ。


 まさにフル装備。そんな特殊部隊も嬉しい悲鳴を上げるような姿で、俺の寝室へと侵入してきたエリシアに、俺はあっさりと制圧され、白旗を揚げていた。


「レイ? 大丈夫?」


 俺を心配して、壁とベッドの間に落っこちた俺を覗き見ようとするエリシアだったが、俺はあまりにも無様な格好だったので、それを許さない。


「大丈夫! 大丈夫だからちょっと下で待ってろ! すぐ行くから!」

「う、うん」


 エリシアを下に追い遣り、一気に上がった心拍数を、深呼吸で落ち着ける。


「あ、朝一番でアレは反則だろう……」


 ベッドと壁の隙間から這い出て、再びベッドの上に戻り、仰向けで天井を見つめながら、大きく深呼吸をして、心と身体を落ち着かせるよう努力する。すると、コンコンと、再びノックが聞こえた。


「ねぇレイ、驚かせてゴメンね? あの……私やっぱり似合ってないかな」


 エリシアめ。そんなのわざわざ俺の感想聞かなくたって、鏡見りゃわかるだろうに……。その姿を見て冷静で居られる奴がいるなら、俺はそいつを間違いなくアサシンへ勧誘してる。


「……骨、全部、一つ残らず抜かれちまったから、しばらく動けない……。下で待っててくれ……。」

「ふふふ、ありがと♡ 紅茶も淹れたから、なるべく早く降りてきてね。お待ちしていますわ、ご主人様♡」


 エリシアが階段を下りていくのが、足音で判った。


「……ああくっそぉ。あの姿のアイツと飯食うのかよぉ」


 ……こうして、夢のような朝が幕を開けるのだった。

如何だったでしょうかw皆様の感想お待ちしております。是非よろしくお願いします!w

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