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―死神嬢・カトレア=ノアールⅡ―


 フードの奥の、赤い瞳が俺を見つめ、彼女はむっとした表情を浮かべ、更に鎌に力を篭めてくる。


 この、とんでもなく危ない女は、カトレア=ノアール。アサシン部隊の上位に属し、デスサイズと呼ばれる大鎌を好んで使用し、オリビアに匹敵するであろう魔法の知識と魔力を兼ね備えた、アサシンきっての天才だ。そして何より、妄想癖が強すぎるストーカーである。


「ちょ、ちょっとレイ! 誰なのよこの危なすぎる女! しかもこの私を乳牛呼ばわりとか、イイ度胸しすぎなんですけど!?」


 背後でオリビアが捲くし立てる。負けじと、カトレアも俺諸共両断しようとしながら捲くし立てた。


「あんたこそ誰よ!? 私のレイレイを気安く呼び捨てにしないでこの乳牛!!! 乳絞りと種付けはレイレイ以外の男にして!!! どうせ男なら誰でもいいんでしょ!? この胸重尻軽牛女!!!」


「レイどきなさい!!! そいつ殺すわ!!! さもなきゃアンタごと殺す!!!」


「おい!? どっちもツッコミどころ満載でツッコミきれねーよ!? とりあえずお前はその呼び方をやめろ!」


 俺はカトレアの身体に蹴りを入れようとするも、彼女は華麗に飛びのき、簡単に避けた。


「レイレイ、ひどいよ。お腹にキック入れようとするなんて。ここはね、いつかレイレイの赤ちゃんを宿す場所なんだから、そんな乱暴なことしちゃダーメ♡ でもそんなレイレイが好きぃ♡」


「ヒェッ……」


 ぞわぞわぞわっと背筋に寒気が走る。


「随分愛されてるじゃない。何? アンタの捨て切れなかった元カノかなんか? ほんと趣味の悪い女。吐き気を催すわ。ま、アンタにはお似合いって感じ? ところで、殺していいよね?」


 ブチギレ中のオリビアが本気で魔力を高め始めた。


「カトレア=ノアール。俺と同じアサシンだ。通り名の方が有名だろうな。聞いたこと無いか?『死神嬢』って名前」


「「「「死神嬢!?」」」」


 あまりの唐突の出来事に、固唾を呑んで見守っていたグレンを初めとする、野郎共が一斉に物陰に身を隠す。


「おいおいおいおい! ネクロマンサーの死神嬢だよな!? 気に入った男を殺して、アンデットに変えて永久保存しちゃうっていうあの死神嬢だよな!?」


「兵隊用のアンデットに変えられた奴はミンチになるまで戦い続け、愛玩用のアンデットにされた奴は飽きるまで人形にされるって言うあの死神嬢!? ひえええええ」


「レイー? 僕らホント、部外者だからさー? 帰っちゃったりするけど、悪く思うなよー? 流石にアンデットになってまで女性に愛されたくないからさー」


 グレン、ジーク、アーチャーがテーブルを倒して作ったバリケードの裏から、怯えきった様子で声をかけてくる。このど腐れチキンどもめ!


 邪魔になったのだろうか、カトレアはフードを取り払い、腰まで届くほどの、美しい黒髪を広げた。


「うを!? 痛い言動とは裏腹にすげー美女!?」


「殺されてしまえ馬鹿グレン」


 しかし否定は出来ない。カトレアは、エリシアやオリビア、マスターにすら引けをとらない美女なのだ。


 アイドルか女優のようなその顔立ち。オリビアほど胸のボリュームはないが、ほどほどに大きな胸、きゅっと引き締まったウェスト。誰がどう見ようと、文句なしにスタイルは抜群だ。


 ただし、脳みそはジャンク品。いや、めちゃめちゃ頭はいい。魔術の知識は賢者にだってなれるんじゃないかってくらいだ。


 だが、本当に趣味趣向、性格が、救いようが無いほど致命的なまでにジャンク品なのだ。


 そんなカトレアはギルドを見渡すと、大きくため息をついた。


「はぁ、やっぱレイレイほど、そそる男はいないね。安心して良いよ? 任務じゃない限り、あなた達に危害を加えたりしないよ。けどね、そこの乳牛とブスは別!」



 大きな鎌の先を、オリビアとエリシアに向けた。


 俺は振り向けない。過去最高に、エリシアとオリビアから強い怒りと殺意が伝わってくる。しかもその矛先が俺にまで向けてあるのが、こう、ビリビリと伝わってくる。俺、一体何か悪いことした……? 泣きそうなんだけど……。


「エリシア、援護してくれる? 殺すわよ、あいつ」


「オリビア、支援は構わないんだけれど、ここはレイに責任とってもらおうよ。そもそもレイの友達なんでしょう? とーっても仲がいいみたいだし、その友達が私達に迷惑をかけてるんだから、レイには誠意を見せてもらわないと。ね? レイ。責任取ってくれるよね? じゃないと、私も許さない」


「決まりね。レイ、その女、あんたが〆なさい。さもなきゃ、あんたもそのバカもカキ氷にしてブタの餌にするわよ」


「なーに? 乳牛にブスが加わったところであたしに勝てるとでも? うけるぅ! ちょっと面白かったからぁ、ご褒美に、あんた達は私のゾンビ兵たちの慰み者けってー♪ キャハハ!」


 ああ、もうやだ、今すぐ帰りたい。


「いや君らね、もう少し平和的に解決しようか? とりあえずカトレア、落ち着いて武器おろしてくれよ。とりあえず皆に自己紹介位して、平和的に誤解を解かないか?」


 あからさまに、オリビアとエリシアの苛立ちが頂点に達しているのは言うまでも無いだろう。だって、オリビアの魔力……、いや、鬼夜叉丸並みの妖気が漏れ出して、俺の背中はカチコチに凍り付いてる。


「そういえば、自己紹介が遅れたわね。私はカトレア=ノアール。20歳よ♪ そのうちカトレア=ブレイズになるから、カトレア=ブレイズで覚えておいてね☆」


「ならねーよカトレア=ノアール」


「あそっか、レイレイがレイ=ノアールになるんだっけ☆ てへぺろ」


「もういい黙れお前」


 いつもこうだ。人の話、人の意見なんて完全に無視しやがる。


 こんな状況を、ゼクス隊長は『言葉のドッジボール』だなんて言って笑ってたっけ。


「つか、お前、ほんとに何しに来たんだよ。お前セイラさん大っ嫌いだからここだけは来ないって豪語してじゃないか」


「何って、レイレイが来てくれないから、仕方ないから私から逢いに来たんだよ? でも目的変わっちゃったぁ」


 カトレアの指が紫色の光を帯びて宙を舞う。


「常夜の眠りから目覚めなさい。我は黄泉路を司りし者なり。ネクロマンス!」


 突然地面から二つの棺が姿を現し、中から継はぎだらけのイケメン……であったろうアンデットが二体飛び出した。


「ひえぇぇ! 彼女に愛された末に殺されると、あんな悲惨な姿になるのか!?」


「あれは確かにレイもどんびきだよね」


 グレンとジークがテーブルの影から悲鳴を上げていた。……なんだ残っていたのかあいつら。逃げ帰ったかと思ってた。


 アンデットが武器を持ち、エリシアとオリビアに襲い掛かろうと、跳躍した。


「レイレイに近づく女は、絶対許さない。だって、あたしが世界で一番レイレイのこと愛してるんだもん。誰にも、レイレイと私の邪魔はさせないんだから!」


「あーもう! とりあえずお前は少し落ち着けって言ってるだろうが! 耳までジャンク品かよ!」


 俺は二体のイケメンゾンビと切結び、エリシアたちへの攻撃を妨害する。だが、その行為がさらにカトレアの怒りに触れてしまう事となる。


「どうして? 何でレイレイはそんな女達を庇ったりするの? その二人はレイレイをダメにしちゃう魔女なのよ!? お願い、目を覚まして! レイレイ!」


「いや、至って正気なんだがな。お前こそ、正気に戻って人の話を3分でいいから聞いてくれない?」


 もうやだこいつ。


 俺はため息をつきながら、ゾンビ兵を二体とも切り捨てた。ゾンビたちは床に倒れると、灰に変わってゆく。


「そうね、言い訳なら、あたしから一本取るか、キスしてくれたら、聞いて上げようかなぁ♡ キスはちゅっじゃだめよ? もう脳髄が蕩けるほどのディープキスがいい……♡ きゃー! レイレイってば何言わせるのよ、レイレイのえっち♡」


 やっべ、頭痛してきた。俺このままじゃストレスで禿げる。


「はぁ…………。わかったよ、まったく。しょーがねぇなぁ」


「きゃはー♪ はやくはやくぅ!」


「ちょっ!? レイ!?」


「うーわ。私吐くかも。エリシア。終ったら教えて。私目ぇ瞑ってるわ」 


 俺は床にある傷口にダガーを刺し、床板を一枚ひっくり返す。


「へ?」


 カトレアが俺からのキスを期待し、瞑っていた目を見開いた。


 ひっくり返された床板には、2本の刀が括り付けられていた。そう、俺が緊急用に仕込んだ隠し武器だ。ちなみに、どちらも名刀と付く代物である。その刀を腰に差し、2本とも抜刀した。


「一本取れば、お前は満足するんだな?」


「えー? チューはぁ? 脳髄まで溶けちゃうくらい、舌と舌が音を立てて絡み合う、あっつーいキスが欲しいよぅレイレイ!」


「ざけんな、お断りだ。さっさと構えろ。俺もいい加減、ウンザリしてきたんだ。まぁ安心しろよ、必ず、満足させてやる」


 集中しろ。下手をすれば間違いなくアイツのコレクションのひとつにされる。


 思えば、ちょっと前までアイツが怖くて仕方が無かった。正直強すぎる、敵わないって思ってた。今だって多分そうだ。


 だが、そんなんじゃだめなんだ。カトレアに勝てないようじゃ、アイツからエリシアなんて守れない!


「……ちょっとレイレイ。いつからそんな目をするようになったの?」


 デスサイズをゆっくりと構え、殺気を高めていくカトレア。


「やだなぁ。レイレイは私を見る時、ちょっと怯えてる目をして私を見つめてた。そこが可愛くて、好きになっちゃったのに。今のレイレイの目は私を敵として見つめてる。冷たくて、鋭くて、まるで刃みたい」


 カトレアはゆっくりと、その細い指で長く弧を描いた刃を撫でた。


「その目、やばい。ゾクゾクしちゃうよ。どうしよ、濡れちゃうかも♡ ねぇレイレイ、見せて? レイレイがどれだけ強くなったのか。そして感じさせて? この私を、満足させて? じゃなきゃ、本当に殺しちゃうかも♡」


 カトレアからビリビリと伝わってくる殺気。一昔の俺なら、逃げ出していたかもしれないな。


「「神速!」」


 同時に神速の法を発動し、同時に床を蹴る。


 互いに繰り出した斬撃。重なり合う刃。拮抗する力が生み出す衝撃波。そしてそこから発生する、鼓膜を直接刺激するような、剣戟の甲高い金属音。


 その音が、俺たちに聞こえる最後の音となる。


 そこから始まる無音の世界。音が追いつけない、音速を超える戦いが始まった!


 左から迫る刃を左手の刀で防ぎ、右の刀で切り掛かる。


 が、闇の魔力で作られたであろう刃が床から生え、俺の右手の剣を阻んだ。そして恐ろしいことに、そのまま伸びた刃は、俺の顔面を目掛けて伸びてくる。


 俺は上体を後ろに逸らす事で回避し、更なる剣戟を下方から左手の刀で繰り出すも、その長いデスサイズの柄に阻まれてしまう。


 だが本命は右手の刀。


 逸らした上体に、勢いをつけて繰り出す『突き』だ。


 大きく右足の一歩を踏み出しながら、上体を戻しつつ、渾身の力を込めた突きを繰り出そうとしたその瞬間。本能がその行動を中断させた。


 避けたはずの刃が、鎌のように屈折し、俺の首を刈り取るように背後から迫ってくる!


 俺は背に右の刀を向け、振り返らずにその刃を防ぎ、弾き返し、すぐに反撃へと移る。


 左手の刀でさらに切りつけるが、カトレアが繰り出した下からの斬撃に弾かれ、デスサイズは刃を返し、俺の頭上へと迫った。


 俺はその刃を触れるか触れないかの瀬戸際で躱し、その柄を滑るように刀を振るう。


 予想外の攻撃に、カトレアは流石に飛びのき、互いの間に距離が出来た。


 やばい。今のは絶対やばかった。一つでも判断間違えてたら、首を飛ばされてたか、頭から真っ二つに割られてた。


「ふふふ、ふふふふふ、あはははははは! すごい! すごいよ、レイレイ! こんなにレイレイとのバトルで興奮したの初めて! 強くなったねぇ! 今絶対あたし、 ったと思ったもん!」


 カトレアの持つデスサイズの刃には俺の血液が付着していた。気が付けば、俺は腕にかすり傷を負っている。カトレアはその血を指で掬い、まるで蜂蜜でも舐める様に口へと運び、指に自分の舌を絡めている。


「へっ。興奮しすぎて鼻血だすなよ?」


 心臓がバクバク鳴り続けてる。全てが必殺だった。こんな殺し合いは、鬼夜叉丸以来だ。


 畜生、カトレアはやっぱり強い。俺なんかとは、技も魔力も錬度が違う。ここまでレベルの違いを見せ付けられると、やっぱりこいつに憧れてしまう自分が居る。


 そんな俺を知ってか知らずが、カトレアは恍惚とした表情で、指に舌を絡ませつづける。カトレアの指に、唾液が彼女のその美しい唇との間に銀の糸を張る。(グレンがそのしぐさを見て前かがみになってるのがキモい)


「わかんない、出ちゃうかもしれない。だって今私、こんなに気持ち良いんだもん♡


 脳内麻薬がね、全身をぞくぞくぅって、身体の奥から痺れさせるの。胸がこんなにときめくなんて、本当に久しぶり♡


 不思議だよね、その刀で、私の服も肌も切り裂いて、私をぐっちゃぐちゃに貫いて欲しいって思っちゃうほど、今私興奮してる♡


 ねぇ、レイレイも興奮してくれてるでしょ? お願い、もっとして? もっともっと、あなたのせいを感じさせて? 全ての体液が迸るほどに! あなたの全てを私に出して! アハ八ッ! 最っ高! ほら、続けましょうレイレイ。最期は一緒に逝こ♡ レイレイ♡」


「……確かに心臓はバクバク言ってるけど、多分お前が思うような艶っぽさは感じてないよ。ぶっちゃけビビリまくってる。しかし、呆れちまうほど、ほんとに強いなお前。正直、お前の強さと才能に、嫉妬するし、憧れる」


「やだもぉ、こんな時に愛してるだなんて言われたら幸せすぎてイッちゃう♡ いやん♡」


「言ってない」


 俺も結構レベル上がったんだな。神速で居る以上、速度はほぼ互角か。なら、やってみるか。一発限りの大技、残る全ての魔力を込めて繰り出す、俺の新技!


「あんまりふざけてると、本当に怪我するぜ?」


「ん?」


 イメージしろ。細く、鋭く、刃のように研ぎ澄ませ。全身の魔力を刃に。


 いや、俺自身が剣になるんだ。空気を切り裂き、光を屈折させるほどの、刃に!


「神速の法、奥義。『超神速』」


「!? 神速!」


 その世界は、空気が水のように、質量を感じる世界だった。


 まるで、深海に放り込まれたような、全身が圧迫され、潰されてしまうんじゃないかと思うような、重たい世界。


 だが、この世界は、俺以外に動ける人間の存在しない、完全に孤立した、俺の独壇場。


 まさに神速の極地!


 そこに、たどり着けない相手に、防御は存在し得ない。

 

 ただ一刀、その一閃だけですべてが終る。何故なら、必殺の一閃に追撃は必要ないからだ。


 俺はたった一撃、峰打ちをカトレアの胴に滑らせる。


 もしこのスピードのまま本気でぶち当てたなら、たとえ峰打ちであっても、カトレアを胴体から両断するだろう。カトレアも、咄嗟に魔力で体を守ったようだ。だが、この勝負は俺の勝ちだ!


「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ」


俺は全身の力を失い、鞘に刀を納め、その刀にすがりつく。


 カトレアは、ゆっくりと床に仰向けになった。カトレアの腹部は服が破け、その美しい白い素肌に、赤い真一文字の火傷のような傷を作ってしまっていた。


「参ったなぁ。神速の状態で、レイレイの攻撃を目で追うのがやっとだなんて。ああ、でもすっごぉい♡ 胸のドキドキ収まらないよ。頭真っ白! 気持ちぃ♡ レイレイに逝かされちゃう日が今日だなんて思わなかった。んぁぁっ! 思い出しただけでぞくぞくするぅ♡」


「どう……でも……いい、けど!げっほげほげほ! その、ぜぇひゅー、ぜぇひゅー…誤解を招く、ハァハァ、いいかた……やめろ!!!」


 酸素が足りない、意識が薄れる。


 呼吸が上手く出来ない。やっぱりまだ何かが足りないんだ。


 俺もカトレアと同じように、床に大の字になって倒れてしまった。


「ちょっとレイレイ、なんでレイレイが死にそうなのよ。そんな状態で、勝ったって言われるとなんかやだなぁ。やっぱちゅーして?」


「……断固拒否する」


 少しずつ、酸素が身体に行き渡り始める。やっと視界が戻ってきた。だが動けそうにも無い。


「じゃーさぁ、私がレイレイに、キスしちゃおうかなー♡ がんばったごほーび♪ ほら、レイレイ、あーんして♡」


 カトレアが頭上から覗く俺の顔の付近に、彼女の長く美しい髪がサラサラと流れてくきた。

つかキスであーんてどういうことだよ……。


「ざけんな」


 俺は迫る顔にダガーの刃を突きつけると、カトレアは両手を挙げ、ゆっくりと姿勢をもどした。


「冗談だよ冗談。本来なら死んでるのはあたしだし? すっごく気持ちよくしてくれたから、今回は許してあげるけど、もう浮気なんてしちゃダメなんだからね?」


「ちくしょう。やっぱ殺すべきだった。……なぁカトレア。お前本当に俺に会い来ただけ? 他に用事があったんじゃないか? ……どっちかっつーとそっちのほうが重大な案件だったりしない?」



 カトレアは時々こうなのだ。大事な用件を忘れ、俺にこんな風に絡みまくり、散々困らせて帰ったかと思えば、1時間後くらいに再び現れ、用件を伝え、再び困らせはじめる。流石にコレをもう一度くりかえすのは、死んでしまうだろう。


「んー? あ。そうだ。ゼクス隊長がレイに伝言してくれって言ってたけど、ついでくらいにしか思ってなかったから、そこまで気にしてなかったかも。テヘペロォ♡」


「テヘペロ。じゃねーよ阿呆。隊長の伝言だったら普通はそっちがメインだバーカ。で、伝言ってなんだよ」


「うん!『レイ、ぺテルのジジイの所で偉い暴れたみたいだね? とりあえず城に来い』だってさー。レイレイ、ゼクス隊長の呼び出しとお仕置き確定おめでとー!」


「……この間が厄日だと思ってたけど、間違いだったわ。今日こそ本当の厄日らしい」


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