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2.異世界の現状

「ここはなんて街ですか?」


「ポペ、プラナランパ、ピピトパッペ」


「いや、ポペポペじゃなくて!ここがどこか教えてくんない⁈」


「ポペ、プラナランパ、ピピトパッペ」


「日本語で喋れぇぇぇぇぇえ!ポペポペじゃわかるもんもわかんねえんだよ!」


「もう諦めましょう先輩、考えてみればなんの努力もなく他の国の人と喋れるのもチートです。言葉の壁の前に僕たちはあまりにも無力です。」


「諦めんな松田!心と心が通じ合えば異世界人とでも通じ合える!」


「いや、先輩今思いっきり、日本語喋れぇぇぇぇぇえ!とか言ってましたよね…」


神を名乗るおじいさんと別れた二人は一時間程歩くと一つの大きな街を発見、

この世界での情報集や寝床の確保のため街に立ち寄ろうとしていた。


しかし二人は街の門番と言葉の壁に阻まれていた。


そんな二人の声を聞き彼らに近づくものが一人。


「どうかしましたか?何かお困りですか?」


「おい、松田日本語だ。日本語で喋ってる!」


「はい、先輩、日本語です!もしかしてこの人…」


「あっ申し遅れました!僕日本から転生してこの国で勇者やってます。タケル・サトウです。」



「「転生チーターだ‼︎ 」」



注意、( )はヒソヒソ話です。



(先輩、早速会えましたよ。どうしますこいつ、やっちゃいますか?)


(いや落ち着け。おそらくこいつは能力者。俺らじゃ歯がたたねぇ。それにこの世界で初めて見つけた日本語の通じる奴だ。しばらくこいつには通訳になってもらおう。)


「あー、タケルさん。あの僕たちも実は日本からこの世界に来たんですよー。でもー、全然この世界の言葉がわからなくって困っていてー、通訳やってもらえませんかー?(棒)」


(なんで先輩棒読みなんすか⁈)


(いや、嘘でも転生チーターに敬語使いたくなくて、つい棒読みに。)


「あのー、何か話してるところ悪いんですが通訳とはどういうことです?この世界の公用語は日本語ですよ?」


「は?いやだってさっきこの門番別の言語で話したよ?」




「オラァ、日本語喋れるぞ。」





突如、門番が日本語で喋る。


「はぁぁぁ⁈さっき俺、街の名前聞いた時全然答えなかったじゃん!」


「何言ってんだ、ずっと答えてたべ!この街の名前はポペ、プラナランパ、ピピトパッペって」


「ポペポペって街の名前だったんかい!、長すぎんだろ‼︎」


「そんなごとオラに言われでもなぁ」


「先輩、もういいじゃないすか!日本語が通じるってわかっただけで儲けもんですよ。門番さん街の中に入っていいですか?」


「構わねえべよ」


「はぁ、余計なとこで体力使っちまったよ。松田、今日の寝床探そうぜ。」


「はい、行きましょうか。タケルさんも有難うございました。」


「ちょっと!、ちょっと待ってください!二人とも日本人なんですよね。寝床がないなら僕が止まってるお城に来ませんか?」


「「お城?……是非!」」


二人はタケルに案内されるまま城へ向かう。


城へ向かう途中いくつかの街を通過する。


外の景色は二人にここが異世界だと実感させるのには十分だった。


「おい見ろ、松田。あんな所に獣耳の女の子がいるぞ!」


「先輩、こっちも凄いです!みて下さいドラゴンです! ドラゴンが空を飛んでます。」


「松田! あれってもしかしてスライムじゃないか⁈やっべえ生スライムテンション上がる‼︎」


そんなこんなで馬車に乗ること三時間、二人はタケルの住む城へと到着した。


「おおー!でっかいお城だなぁー。タケル、お前ここお前ん家なのか?」


「まさか、このお城はここパパパペポ王国の王城です。ここには僕以外にも三人の異世界がいて勇者をやってるんです。」


「へぇー、すごいですね。って王城?もしかしてここには王様もいるんですか?」


「モチロン!僕たちの仕事は王様を守り世界の危機に立ち向かうことなんです。」


タケルは得意そうに答える。


三人はそのまま城の中に入る。


「二人ともしばらくそこで待ってて下さい。今から王様がお見えになるようです。」


大きな広間に着くと二人はそう言われる。しばらくすると



パンパカパーン!王様のおなーりー!



「ワシはパパパペポ王国の国王パパパペポ三世です。異世界人の皆様どうぞよろしくお願いします。」



やけに礼儀正しい王様が登場した。



「お初にお目にかかります、私は山崎、こちらは後輩の松田です。」


「松田です。」


「お二人とも頭をお上げになって下さい。お二人は異世界人、この世界の国の王に頭を下げる必要はありません。」


「……そうですか。わかりました。」


「聞けばお二人は寝床を探してるとか、よければこの城に泊まっては行きませんか?」


「あぁ、じゃあ、お言葉に甘えて、しばらくお世話になります。」


こうしてあっさり寝床を確保した二人だった。


二人は案内された部屋で状況を整理する。


「なんか何もしてないのにこんな豪華なとこに泊まれるって変な感じですね。」


「ああ、ただ異世界人ってだけなのにな」


「さっきメイドさんに色々話を聞いたんですけど異世界人は魔王を倒して世界を救ったらしいです。だからこんなに優遇されるんでしょうね。」


「…松田、この国の王様にあってどう思った?」


「うーん、なんか庶民の僕等に頭を下げなくていいとか、やけに礼儀正しい態度とか…、なんか王様ってよりも家臣とか家来って感じでしたね。」


「そうだな。確かにそんな感じだ。」


「まあ、王様の言っていた理屈、僕らの王ではないから敬う必要もないって言うのも理解はできますけどね。」


「…松田、お前日本史は得意か?生麦事件って知ってるか?」


「すいません僕高校でも大学でも日本史やってなくって、どんな事件なんですか?」


「江戸時代にな、あるイギリス人が四人が大名行列を横切って斬り殺されたって事件だ。例え自分の権力が及ばない相手だとしても、自分が一番偉いんだっていいたかったんだろうな。」


「物騒な話ですね。急にそんな話ししてどうしたんですか?」


「いや、俺が家臣なら外人ってだけでへりくだった態度をとるような王には仕えたくないなって。」


「先輩…。」


「松田、この腑抜けた世界から異世界人を追い出して王様に喝を入れる!協力してくれるな?」


「モチロンです!何か作戦でもあるんですか?」


「ああ、名付けて[勝てば官軍作戦]だ‼︎」

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