あいうた
きっと
一方的ではないんだろうな
相互に囁くその言葉は
耳元で
朝にスズメが鳴くように
昼にセミが鳴くように
夜にイヌが鳴くように
本人たちには意味があって
ただそれだけが大切で
つないだ手と手
指と指
口と口の先からにじむ
見えない糸の束たちが
きっと大切になる日が来ると
そう信じているアイのウタ
吐き出すことを目的に
吐いた糸を束ねることなく
道に横たえ
色を塗り
紡がないまま布団に敷く
そんなカラフルの上でひと眠りする
何色に見えるだろうか
何色に染まったろうか
表と裏は
同じ色が出ているだろうか
僕には確認のしようがない
ありがとうございました。