第7話 〜白き龍神の講義〜
「........」
「.....ユウト、早く戻ろうぜ」
「......ああ.....」
「泣くのもいいけどよ......泣いてばっかじゃ前にゃ進めねえんだ.......」
「わかってるさ.......」
《そうだぞ、今世の勇者よ》
「......」
剣が
「........」
喋ってる
「...........誰、ですか?」
《どうしたそこの2人、そして反応した1人》
「幻聴じゃ......」
「無い.......」
「んですか.....?」
《そうに決まっておろう、我は龍神の化身だからな》
「う.....」
「うわァァァァァァァァァァァァ!!!!!?」
「うるさいですーっ!!!」
2人の声が洞窟に響いて行く最中、オレは少しだけ笑うことが出来た
「えーっと......つまり.....」
「アンタのチカラを引き出すにはオレの闘争心と」
「私の守護心が必要....と?」
《まぁ噛み砕いで言えばそうだな、別にお主ら2人だけという訳じゃ無いぞ?そこの勇者の勇気も又チカラを引き出す鍵だからの?》
「うむぅ.......あ、ていうか勇者って誰だ?」
「........そういや言ってなかったっけか!?」
まぁなんとも今更な話だが、ドヴァーズなら口も硬いし大丈夫.....だろう多分
「あー..........だから強えんだな」
「ああ.....まぁな」
「ん、つうか父さんと戦ったことあんのかよ!」
「え?父さん?」
「んお?言ってなかったか?」
「え?」
マジかー
「マジかー........」
「お前絶対心の中でバカにしてんだろ」
「いやそんな事はないんだがな.......」
あの気高い、まさに王らしい王と言った感じの龍からコレが.......
「今ぜってえ父さんと比べたろ......」
「い、いや、そんな事はないぞ」
「そうだったんですね.....ドヴァーズさん....」
「あ、ああ!」
《ふむ.....創世神の化身に龍神の系譜.....それに......魔の堕天使の系譜....まぁ中々にごった煮だのう.....》
《ま、言わないでおくがね.......》
「にしてもこの剣が龍神の化身とは.....こりゃ納品は出来ないかな......」
《ん?そのクエストの依頼主我だぞ?》
「えぇ.......」
《邪神が復活しそうなんでな、神が現世に介入するには色々手間が必要なのじゃ》
「へ、へぇ......」
なんだか授業みたいになってきたな
《まぁ多くてもふた通りなんじゃがな》
《ひとつはメジャーな召喚方法、まぁその分代償は必要じゃからキツイがな》
《後は我がやってるように自分のチカラを込めた魔法物を選んだ持ち主に渡るように裏工作.....って感じじゃな》
「なんというかロマンの無い話だ......」
「ん、じゃあなんでトライトの襲撃は防げなかったんだ?」
《防げなかったんじゃ無いわい、お主らは確かに強いがな、実践が足りん、その分を埋めるにはあの騎士はとても良かったぞ》
「マジか.........じゃあオレらが死んだら......?」
《.............その時は最終手段しかあるまい》
「そ、それってなんでしょう.....?」
《この世界には神が多数おっての、有名所は創世神様、日輪神、月光神、龍神、魔神、そして我等の標的邪神じゃ》
《そして最終手段としては、創世神様がこう、我ら神々をギュッと丸めてな》
「ギュッと丸めて!?」
《後は創り直しだそうじゃ》
「......なんともおそろしい......」
《邪神は人の恐怖で強くなるからのう......》
《無理だと分かったら早期に潰す、そうせねば我は勿論創世神ですら厳しいわい》
「ふむ....ま、オレ達が頑張りゃ良い話だ!そうだろユウト!」
「ああ.....そうだな」
「ふふ......」
《.......束の間の平和も良いもんじゃろう......我も少し寝るとしよう.......》