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セカンドライフ 〜勇者の物語のその後〜  作者: 丸目まる
第1章 〜冒険者、少女、龍戦士、悪夢〜
4/30

第三話 〜強き戦士との出会い、悪夢到来〜前編

「さて」

「はい」

「クエストを眺めるだけじゃクエストをやる事にはならないぞ」

「わ、分かってます!」

ギルド内の酒場、そしてそこにあるクエストシートを貼る欄を眺めて何分経っただろうか

正直もうドリンクも飲み飽きた

「........!こ、これなんかどうでしょう!」

「ふむ.......ダンジョンね、まぁ良いだろ」

ただ気になるのは、報酬金が多く前金すらあると言うのにクエストが貼られて1週間は経っていると言う事だ

周りの奴らもこちらを笑うか可哀想な目で見るかしかしていない

まぁ、どうとでもなるだろう

「おーい、このクエスト受けるぞー」

「はーい、頑張ってくださいねー、これ前金になりますー、装備などお揃えくださいだそうですー」

少しぼんやりとした店員さんから前金を受け取る

まぁオレの装備は充分、リリィも貯金を使って揃えたらしい

「回復薬に.....万が一の救急キット......これで良しっと」

「さーて、行くとするか!」

「はいっ!」


ステラナ国でクエストに良く出るダンジョン

それは大体自然発生した物が多く、神や精霊が残した珍しい石があり、それを集めている貴族が居るらしい

今回もその筋からの依頼らしいが.....

「こりゃぁ......このクエストを受ける奴が居ないわけだ......」

初っ端から封じられた扉

こうなると依頼主に怪しささえ覚えるが......まぁ、それは後だろう

「ど、どうしましょう......」

「ん、大丈夫だ」

「え?」

「スゥゥゥゥゥ.......」

右手に爆裂魔法を凝縮させる

目は扉の真ん中を見据え

拳を固める

脚に速度魔法を掛け準備は万端だ

「ちょっとどいててくれ.....」

「は、はい」

コレが今の限界か........

だが「充分......!」

「え?」


それはーーー

一瞬の出来事だった

ユウトさんが走り

扉に突っ込んだ瞬間

扉がーーー


「オオオオォォ!!!」

鈍い音を鳴らして扉が崩れる

正直久々に使う魔法だったせいか右手と脚が痛む

骨折したかもしれん

まぁ今ので分かった事は多くある

それだけで今は充分だ

「だ、大丈夫ですか!」

「ん.......ああ、大丈夫だ」

「そ、そうだ!回復魔法を!」

「大丈夫だ.......」

右手と脚に光を写し........瞬時に治す

「ふぅ.........」

「す、すごい......」

「ありがとな......さて....コレが翡翠のダンジョンか.....」

「わぁ........綺麗.....」

翡翠のダンジョン、その名の通り翡翠色の宝石が多く存在するらしく、持てるだけ持ってこいとの依頼だ

「オレはこのダンジョンの地図を作っておく、リリィは宝石を取っといてくれ」

「はい!」


「さっきの回復魔法.......私のより凄かったな......」

宝石を取りながらそう呟く

「私.......やっぱり足手まといなのかな.......」

足音が聞こえた、ユウトさんだろうか

「!ユウトさ.....」

振り向くとそこには、大きな化け物がーーー


「.........これ........は」

そこには

見覚えのある

いや、見覚えのあるなんてものじゃなかった

「な.....なんでアイツの.......トライトの死体がココにある!」

トライト、それは2年前のオレの仲間の1人だった

アイツは最期まで魔王城に魔物が入らない様1人で多数の魔物と戦い.......死んだはずだった

「この鎧.....剣.......アイツのじゃないか.......」

クソ、なんでアイツの死体がここに?何故入り口の扉は閉まっていた?

何故?何故?

頭が痛くなる程疑問は湧くが

それに対する答えは1つも無かった

「キャーッ!」

「今の声!リリィか!」


「ひ......ひいっ.....」

「..........」

「た、助けて........」

走り、リリィの元にたどり着くと、そこにはーーー


「...........なっ......」

よ、鎧?

「!」

音を立てながらこちらに走ってくる

「う、うおおおお?!!」

兜を外して.........外して?

「よう!ユウト!」

「あ、う.........ド、ドヴァーズ!?」


「えー.......っと............」

「...........」

「つまり......」

「おう」

「このクエストを受けたは良いが扉が突破できずどうしようかと考えてたら......」

「そうそう」

「オレが開けてくれた、と」

「おうっ!」

「.........」

呆れるしかなかった

せめて声を掛けろとか

そんな事すら言えなかった

「じゃ、じゃあなんで私に何も喋らず立ってたんですか......?」

それだよ

最大の疑問は

「ああ......それはな........その......」

「その?」

「じょ、女性と話すのが苦手でな......」

「........はぁぁぁぁぁぁ...............」

「で、なんでついて来たんだ?.....」

「ああ、アンタ強いだろ?」

「.....ああ?」

「だからよぉ」

ドヴァーズの口がニィと歪む

ああ、最悪だ

「オレと決闘しようじゃねえか!勝った方が報酬受け取るって事でな!宝石集めも手伝うぜ!」

「おいおいおいおいおいおい.......」

「そ、そんな事ユウトさんはしませんよ!」

「しないなら別に良いさ、オレの方が宝石たっくさん取れるってだけだしな」

しょうがない.......か.........

「分かったよ.......こっちも金は欲しいしな.......」

「っしゃぁ!」



「さて......行くぞ.......」

「ああ!」

あいつは龍族らしく、その怪力に任せた大剣を使うらしい

まぁ......負けはしないが

「ゥゥゥゥゥゥゥゥガァァァァァァァァアアアアア!!!!」

奴が飛びかかる

「ふ......っ!」

大剣を盾で.......!



鎧が浮かび

剣が浮かび

肉が骨に

骨は立ち、剣はその手に

死骸と化したその身体

「......まだ、働いてもらうぞ、勇者の仲間......」

【死霊蘇生/トライト】

『...............オ、オオ、オオオオォォ........』



「ッ!中々ァ!」

「そっちもな!」

速い

大剣と片手剣というのもあるが

恐ろしい速さだ

だがーーー

「クゥラェェェェェェェ!!!!」

盾ごと叩っ斬る!

こいつなら大丈夫だ!

これで死ぬならそれでいい!


ゴッ


身体がズレる感覚

「ア...?」

「腕までやるのは、無しだろうに」

盾で受け流ーーー


「.........!ァアア!」

「おいおい、開口1発からうるさいな」

「ア......ああ、オレは負けたのか......」

「お前なぁ......盾ごと腕を斬ろうとしたろ......」

「あ........す、すまん!」

「ま、良いけどよ、約束は守ってもらうぞ?」

「ああ!勿論だ!」

ったく.........こいつは強い......

搦め手を使わなきゃ正直キツかった

これでも龍族じゃ普通らしいから恐ろしい

いや、その王と殺しあった時よりも弱くなってるだけなんだろうが......

ま、これでこの依頼も完了


足音がした


『我が名

知る者は貴様か』


声がした


「な.....!」


其処には、骸骨が有った


『我が名

知る者

斬り捨てるのみ』


その声を知る者は


「おいおい......」

「スケルトンかよ.......」


オレだけだった


『それが

我が騎士としての

定めなり』


そしてその声の主は


「トライト........!?」


死体だった筈だった


それは悪夢でも

幻想でもなく

ただ目の前にある

現実であり

それは

オレが逃げ出した未練の1つだった


『我が名はトライト』

『魔剣の騎士として、敵を斬る者』

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