十七話 〜生涯を賭けた勝負〜
「右を向くがいい」
「左を向くがいい」
「前を向くがいい」
「背後を向くが良い」
「そこには敵が居るだろう」
「オマエを信頼する仲間すら」
「敵に飲み込まれるだろう」
「さぁ」「さぁ」「生きてみせろ」「足掻いてみせろ」
「オレは」「俺は」「おれは」「僕は」「ぼくは」「ボクは」「私は」「わたしは」「ワタシは」「我々は」「我等は」「私たちは」「私達は」「俺たちは」「俺達は」「オレ達は」
「オマエの生きた証を」「只々簡単に」「唯々容易に」
「潰していくだけだ」
「クソ!何人倒せばいいんだ!嬢ちゃんやユウトも見えねえ!」
1人気絶させても10人湧きやがる!こんなんじゃ気絶させてもジリ貧だ畜生!
「死ね」「死ね」「死ね」
「「「「「「「「死ね」」」」」」」
「っち!五月蝿えんだよ馬鹿野郎が!」
「キリが無さすぎるぜ......ったく!」
「うぅぅおらぁ!」
「1人が倒れた」
「そうか、ならば10人を出せ、それでダメなら100だ」
「分かった、魔人殿よ」
「クソ野郎!降りて戦いやがれ!」
「降りた所で貴様に辿り着けるか....?龍よ」
「っ......クソッタレ!」
「炎上魔法!風烈魔法!」
「10が死んだぞ」
「10を増す数を持て、どうせ減りはしない」
「う.....後.....後何人倒せば......!」
「倒すだけではダメだろう......生易しい感情など要らないだろうに......何故殺さず、倒す事にこだわる?」
「私は.........私は冒険者です!」
「人を殺したりなんて出来ません!」
「っ!..........そうか.....そうかそうかそうかそうかそうかそうかそうかそうかそうかそうかそうかそうか!お前が居るから!お前が奴に触れたから!奴はその性質を変えたのか!魔物を殺す定められた『勇者』ではなく!只々無意味な善を繰り返す無意味なカスに!」
「な.....何を」
「ふん.....もうどうでもいい、死んでいけ」
「う......死にません!絶対に!生易しい感情だっていい!出来る事をやるだけです!」
「殺さない......コロサナイ?」
「え..........?」
「く!」
「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」
「潰す」「潰す」「潰す」「潰す」「潰す」
「うるせえなあもう!鎮静魔法!」
「こ.......ろ」
「何.....?」
砂になった.....まさか!
「気づいたか......」
「アラン!」
「だが......やはりそうか!貴様はもう!国に!神に!『そうなるべしと定められた勇者』ではないのだな!」
「何故だ!何故!何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故ェッ!」
「何故殺さない!潰さない!まるで作業が如く!只々淡々と!殺して!ココに在る敵を殺さない!」
「...........そうか、お前は........」
「五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い!もう.......もう!もうお前はオレの敵じゃあない!死んでいけ.....ココで!」
『あーあ.........気づいちゃったか.........』
『ただ自分が1番になる為に邪魔だった壁が、勝手に逃げた.......』
『この時まで、自分の身体に、自分の仲間に、総てを賭けた勝負.............』
『だがそれは..........もう終わった.......自分が見ていた敵はもう、狙い続けた【敵】じゃあない.......』
『さぁ征こう諸君、彼の演目は終わりだ』
『次は我々の、我々の為の』
【パレードだ】
「ぐ.......!バ.......バカな!何故だ!何故.....!ココで!」
「な......何が起きてる」
急にアレンが震えだした......?
「まさか......貴様等!貴様等!結局!コレも!オレの大勝負も!オレの賭けも!総て!」
人の壁が崩れ、周りに赤黒いフードを被った人だかりが言い放つ
【ああそうだ】
【お前の演目は、楽しかったよ】
「貴様等ァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
そうアレンが叫び、自ら生み出した人々を動かすがそれは総てアレンに還っていく
「な......ガ................グァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「邪教団..........エディタル!」
『さぁ、立ち上がれ主人公諸君』
『次の演目はキツイぞ?』
「ユウト!」
「ユウトさん!」
「ドヴァーズ!リリィ!」
「っと......そんな場合じゃねえな!みんな下がるぞ!」
「ああ!」
「はい!」
「ウ......うおァァァァァァああああァァァァァァ亜ァアアああああ!!!!!!」
「アレン........」
「なんて醜い.......」
醜い、そんな言葉がぴったりの風貌
肉が絡み合い、赤黒い血の川が身体中から流れ、その貌だった場所には多数の顔が多数の感情を見せている
『やだなぁ主人公、アレはアレンじゃあない......魔神さ』
「魔神だと......?」
「............貴様等.........エディタル!何故こんな事をする!何故だ!」
『何故?何故?アハハ』
そう邪教団のリーダーらしき人物が笑うと、周りのメンバーも笑い出す
『あははははははははははは!そんなの決まってるじゃあないか!只々単純!』
【楽しいからさ!】
「狂ってやがる......!」
「クソ.....!」
「なんて酷い......!」
『そんな罵詈雑言を吐く暇があるならその魔神を倒した方が良いと思うよー?あはははは』
『まぁその次は.....お楽しみの最終演目だ』
『じゃあねー』
「クソ野郎ども!」
「待てドヴァーズ!今はこいつを止めるんだ!ほっておいて良いことはない!」
「っ!くそ!」
「ウガァァァァァァ亜ァアア嗚呼嗚呼あゝあ!!!!」
「殺す殺す殺す殺す殺すコロすこロスころすころす!!!!」
「アレン......楽にしてやる!」




