表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

1.ケテル

「……あの……アスモさん……」

 一糸纏わぬ姿で背後にいるアスモさんに、振り返ることなく声をかける。振り返ってはいけない。それに、今のアスモさんの姿を想像してはいけない。

 ボクもアスモさんも裸なのだ。(タオル)1枚すらつけていない……アスモさんの責任ではなくルシフェルさんとレヴィさんの責任なのだが……この状況で、振り返るのは流石にアスモさんに悪いと思う。

 「い、出雲さん……据え膳喰わぬは男の恥ですよぉ?」と言っている気がするのは気のせいだろうもしくはのぼせてきたボクが聞いた幻聴だろう。

「あの……出雲さん、私も予想外だったのですけどぉ……思わぬところから出てきた折角のチャンスなのでぇ……その、ですねぇ……子作り……しましょう?」

「こっくりさん? 10円玉もないのにどうやってこっくりさんをしようと」

「こっくりさんじゃなくて、子作りですよぉ! セッ」

「あぁぁぁぁ! それ以上はいけませんから!いろんな意味でアウトですから!」

 広い湯船の中、アスモさんから逃げるように動いた。極力アスモさんを見ないようにしながら。

「出雲さん、それだと将来的に女の子と致す時に困ってしまいますよぉ? ……私は一向に構いませんけど。草食系男子の出雲さんも結構可愛いですから」

「それって誉めているんですか?それとも遠回しに貶しているんですか」

 可愛いと言われ、怒るべきかお礼をいうべきか迷っていると、その隙をついて即座に背後に密着されてしまった

「でもまあ、それも個性ですよねぇ? 出雲さん、童顔で無欲で草食系まっしぐらな出雲さんですけど、私はそれでいいと思いますよ」

「……アスモさん、ちょっと密着し過ぎです……」

「だから、出雲さんは今のあなたにもっと自信を持ってもいいんですよぉ? 一人の女の子としての意見ですけど、はっきり言って今の出雲さんは謙虚過ぎです。もうちょっと欲を出してもいいんですよ? なんなら、私の胸なら……触っても……」

 直後、限界だったボクは後ろのアスモさんへと倒れこんだ……

「いいい出雲さん!? 確かに欲を出していいとは言いましたけど流石にいきなりはちょっと……! ま、まだ心の準備が」

「すみません……ちょっとのぼせてしまいました……」

 それだけ告げて、ボクは眠るように意識を失った……



「出雲、しっかりしなさい……出雲!」

「……ルシフェル……さん……?」

 意識を取り戻すと、目の前にはルシフェルさんの顔があった……

「アスモがアンタを部屋まで連れてきたのよ、あとでちゃんとお礼をいっておきなさい」

「……アスモさんが…………ところで、ボクが裸なのはお風呂から直行してきたからですよね? ボク、変な事はされてませんよね?」

「ええ、精々アスモが顔を真っ赤にしてキスしようとしていたぐらいね」

「……ところでルシフェルさん、今回のアスモさんの行動はルシフェルさんの差し金ですか?」

「さて、どうかしら?」

 飄々と告げている辺り、大体がルシフェルさんの計画通りだったのだろう。


「ところで出雲、どこまでシたの?」

「ご想像にお任せします」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ