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1i.バチカル

章題はクリフォトの樹の対応する罪なので、中身とはてんで関係がありません。最後に神様なんていないんだねと書こうかと思いましたが、予定より本文が延びてしまったためやめました。

0話よりも少し短めですが、段々と和久名のボロが出て……もとい、むしろ0話を書きすぎました。

ところで……和久名の量産ペースだと、3日でだいたい2話、約一万字を書き上げるペースですが、いつかボロを出す予て……いつかボロが出るので2日1話ペースで上げる予定です。


ちなみに余談になるのですが、出雲君の誕生日は3月3日です(裏設定)。ひな祭りです。耳の日です。

 平日のボクの朝は早い。朝6時には起床し夜這いしに来ていたアスモさんに朝の挨拶をし、6時半に朝食の準備中にベエルゼブルちゃんの摘み食いを阻止をする。

 7時頃朝食が出来た直後には放っておいたら二三日くらいずっと眠っていそうなベルちゃんを起こし、皆のツッコミをスルーして学校に向かった……

 そんな日常の裏では、今日もルシフェルさん達が悪の組織のように(あながち間違いではない)会議をしているのであった……


「最近……というか最初から出雲を少しでも堕落させられたと思うなら、手を上げなさい」

 会議の始まりにルシフェルが他の6人に対して言った……

 だが、挙手をする者は誰一人として……ルシフェル自身さえ手を挙げなかった。

「…………それじゃあ誰か、この状況を打破するのに適した作戦は何か思いつくかしら?」

 ルシフェルがそう問うと、アスモデウスのみが小さく手を上げた。

「……アスモ、なにかしら?」

「ええっとですね……この状況とは、出雲さんが学校に行っているせいで状況が一向に進捗しないという状況ですよね……?」

「……当たり前の事を聞くぐらいなのだから、勿論あなたに良い考えがあるのよねぇ?」

「え……あ、はい! 出雲さんと一緒の時間が少ないのなら、増やせば良いんじゃないですかぁ?」

「増やすって……」

「簡単に言いやがってよ……」

「……どういうこと?」

「ふぁぁ……」

「ベルちゃん、あくびしないで」

「下らない提案だったら……アンタで面白い事するッスよ?」

 6人が見守る中、アスモデウスが自信満々に言った。

「わたしたちも学校に行けばいいんですよ! ほら、ベルちゃんとベエルちゃんを除けば5人共出雲さんと同年代で通りますよ!」

 その言葉を聞き、その手があったかと感心するマンモンとレヴィアタンにルシフェル、不服そうに頬杖をつくベエルゼブル、ここからは自分に関係ないなと言わんばかりに眠ったベルフェゴール、そして……異議ありと言わんばかりに手を上げたサタン……

「……なあアスモ、アイツの見た目からしてむしろベエルベルコンビの方が近く」

「サタン、イズモはあれでも16歳よ」

「はぁ!? 16歳だと!? どうみてもいいとこ中学生ぐらいだろうが!」

「無知は罪ッスけど、怠慢は大罪ッスよ〜サ・タ・ン? ちゃ〜んと、1回目の資料の114ページの514行目に書いてあったじゃないッスか〜」

「あんな字の細かい資料読めるかよ! てかアスモ! おまえあれ読んだのかよ!?」

「あ〜、8回目の会議のあと、先行して出雲さんを尾行しに来たときに、高校に行く出雲さんを見つけました。ちなみに2年生のAクラスみたいです」

「まあ、尾行云々はともかくとして、それくらいは流石に確認しておくべきだったよね、サタン」

 正論で黙らせてきたマンモンの言葉に舌打ちをしつつ、代表であるルシフェルの言葉を待った。

「……まあ、それがベストの選択ね。あとはどうやってイズモを丸め込むかだけど……」


 一方その頃……


「ふぁ……」

「珍しいね。キミがあくびとは……」

「まあ、色々ありまして」

 休み時間、ボクは親友である白髪の少女……宮本撫子と語り合っていた。

「キミが答えたくなければ別にそれでいいのだけど、ひょっとして最近生活環境が少し変わったのかな? 具体的に上げるならば……キミの大叔母が失踪した日からキミが不登校をやめるまでの一週間弱の間、キミの大叔母の失踪した日と断定出来ない理由は、久しぶりに登校したキミはなんというか……吹っ切れたような顔をしていたからといったところかな」

「まあ……だいたい合っていますね」

「だがしかし、キミに説明を強いる気は更々無い……キミがその時が来たと思ったのなら……この私に教えてくれるかな?」

「……はい。分かりました」

 素晴らしい親友と手を握り合った……

「ああそうだ出雲君、キミの家の書斎にあれば貸してほしいのだが……」

 この日もまた、いつも通りの日常を謳歌していた……というより、この日まではかつての日常を、少なくとも学校では謳歌していた……


「ただい……ま……って、ルシフェルさん……それはいったい?」

 帰宅早々に待ち構えていたルシフェルさんの服装は、ボクを凍り付かせるに足る威力を誇っていた……

「フッ……どうかしら、この制服は」

 ルシフェルさんが着ていたのはとある高校の制服だった。

 別に似合わないワケではない。むしろ似合っている。黙っていれば深窓の令嬢と見紛う程に……口調から滲み出る傲慢さを込みにしてもかなり高貴な少女だった……

 だがしかし、まるで全然ボクには理解しきれないことが1つある。

「ルシフェルさん、その制服……スッゴく見覚えがある制服なんですけど」

「そうね……理由を当ててみなさい」

「まさか、みんなでボクの学校に転校して来る気じゃありませんよね?」

「だいたい合っているわ」

 涙が出てきた。その後発案がアスモさんと聞いて、涙が止まらなくなった。

「大丈夫よイズモ、あなたが直接的に甚大な被害を被りそうには……あ、アスモがいたわね」

「あの人だけは信じていたんですけど、あの人もまた悪魔だったんですね……ヨミさん、ボクとした事が今の今まで忘れていましたよ……人間は皆、悪魔ライダーだって事……」


「今更人間がどうとか言う前にそもそも私達は悪魔よ」

「……そういえばアスモさんはもともと悪魔でしたね」

「そういえばって何よ、そういえばって……」

 あの人、虫も殺さないような性格なのに一番危ないって……世の中うまくいかないものですね……

「一応言っておくけど、意外とあの子も黒い所は真っ黒いのよ、悪魔だから」

「やーめーてーくーだーさーいー! 聞きたくないですー!」

 これ以上ボクの中のアスモさん像を壊さないでほしいと願いながら耳をふさいだ。

「あの子ったら」

「あーあー! 聞こえませーんー!」

「天使としての最初の任務で」

「耳元で囁くのをやめてくださいよ! なんの嫌がらせですか!? っていうかそれって黒れき」

「……ルシフェルさぁぁぁん?」

コキャッ

 直後、真後ろから誰かの骨の折れる音が聞こえた……

ゴキンッ!

「……なによ、話しかける為だけに首を折るなんてなんのつも」

「その事は誰にもせよ秘密って……言いましたよねぇぇぇ?」

 色々ツッコむべきだと思い、背後を振り向こうとして……

 ……動けない? もしかして→金縛り? 金縛りの原因は……ひょっとして:アスモさん

「……ルシフェルさん、生きて帰ってきてくださいね?」

「えええ、縁起でもないこと言わないで」

「……ルシフェルさぁぁん、今はまだワタシと話している最中ですよぉぉぉぉ……!」

「あ、アスモデウス? まだあなたの黒歴史は喋ってないわよ? ま、まだ先っちょだけよ? これで気付く可能性はほぼゼロ」

「可能性があるだけで既にアウトなんですよぉぉぉぉぉ!」

 ……このひとはだれなんだ? ボクはおもった。この人はアスモさんの裏人格か何かだろう。こんな暴走気味の人がアスモさんなハズがあるけど多分違うと信じたい……

「イズモ君!」

 暴走気味のアスモさんを見て状況を察してくれたマンモンさんが、謎の抱き枕を抱えてやってきた。

 もうだいじょうぶ。きっとマンモンさんがたすけてくれる……いつものようにボクにたすけぶねをだしてくれる……

 ボクはマンモンさんに無意識に手を伸ばしていた……

 マンモンさんはなんの躊躇いもなく、その手を無視して抱き枕をアスモさんに投げつけた……

「…………これは……」

「……あれ、あの、マンモンさん?」

 抱き枕の表面……というより、ボクの方から見えている側だ……にプリントされていた柄は、つい昨日マンモンさんに言われて撮った、ボクが仰向けに寝転がっている写真だった

「もしかして……1/1イズモさん抱き枕ですかぁ!?」

「YES! YES! YESだよ! とあるルートから取引したら一晩で作ってくれてね……本当に容易だったよ」

 ああ、マンモンさんの良い取引をしたと言わんばかりのこの満円の笑みが恨めしい……

 だがしかし、この抱き枕のおかげでアスモさんの暴走が止まってルシフェルさんが助かったと考えると……

 ……うん、世の中って誰かがしわ寄せで苦しむことを強いられるんだね。ボク、勉強になりました。

「はぅ〜……イズモさぁ〜ん……」

「…………ん?」

 チラリと見えた裏面……例によってアスモさんが抱き締めていた内側……の柄が、明らかにボクの許可を得ずに撮影されたとしか思えないというか、眠っているボクの服をはだけさせて手を上にズラしたようなポーズだったんですけど……

「マンモンさん、あの裏面のプリントは何ですか?」

「あー……契約だよ、うん」

 そう言ってマンモンさんはバッと目を逸らした。

「魔界アワルティア商会に依頼したら、片面は普通にちょっぴりセクシーでむしろキュートな柄、もう片方はセクシー度マシマシじゃないと売れな……仕事しないって言われたからね、うん。仕方ないよね」

「仕方なくなーい! せめてボクの許可をとって」

『ねえねえイズモ君、ちょっとこれで抱き枕作っても良いかな? 良いよね?』『……すぅ……ん……』

「……ねっ?」

 マンモンさんはボイスレコーダーで録音していたらしき音源を再生した。

 ……これで言質撮ったと言えるのなら、法廷はもはや世紀末と化しているだろう。それほどにマンモンさんの言質は強引かつ無法的なものだった。

「……完全に寝言ですよね?」

「イズモ、それが悪魔! 私が求めていた邪悪ちからよ!」

「はい、ルシフェルさんは休んでいてください。話がややこしくなるので」

 ついさっき死にかけていたのに元気な人だった……


 ちなみに、この抱き枕審判の結果だが、つい口を滑らせてしまい「もう好きにしてください!」と言ってしまった結果、アワルティア商会日本支部とアメリカ支部から各国に流通することが確定してしまった。

 ……涙が止まらなくなった。



 そして色々あったけど明けない夜はないように、朝は大抵やってくるのでして……

「やあ出雲君……どうやらかなり疲れているようだが……もしや、このクラスに来る5人の転校生に何か関係があるのかな?」

「そこまで分かっているなら聞かなくてもいいですよね……? ……ふぁぁ…………っ!」

 あくびをしていたら、撫子さんに指を突っ込まれかけ、急いで椅子を後ろに傾けた。

「ななな、何をするんですか!?」

「いや、珍しくキミが大口を開けてあくびをしていたのでね……出来心だよ、ついかっとなってやってしまったという奴だ。すまないね」

「……まあ、そうなら別に……」

 苦笑いで応えた直後、撫子さんはとんでもない爆弾発言をした。

「ところで出雲君、某ネット通販にキミの抱き枕カバーが」

「仕事が無駄に早い! っていうかなんでそれを見つけ」

「ネット上ではお祭り騒ぎだったからね……炎上ではなく、むしろコミケのノリというかなんというか……某なのはよりも早く在庫が消滅したらしいよ。まあ、私は保存用鑑賞用角使用用その他諸々13個も購入したのだけどね」

「…………どうしてそんなにかうひつようがあるんですか」

「……疲れ切っているであろうキミの体を案じて、しばらくはノーコメントということにしておくよ」

 持つべき者は良き友なのだろう……本当に良き友は親友の抱き枕を13個も買わないだろうが。



 ……まさか、悪魔が5柱も……しかもただの悪魔じゃなくて七罪の悪魔が来るとはね……

 私、宮本撫子は心の中で毒づいた。

 不幸中の幸いというか、幸いにも向こうは私がどういう身分なのかを把握していないようだ。

 ならばあの悪魔共に後々見せようじゃないか。天使より授かった聖なる力を……

「…………あいつ、ちょっと嫌な臭いがするッスね」

 ……唯一私の視線に気づいた悪魔が……レヴィアタンがこちらを睨み付けた。睨みには睨みを。倍返しアザミだ。

「…………たとえるなら、ミントのガムのような臭いッスね」

「……ミントは良い匂いでしょうが」

 悪魔と聖者は食べ物の好みでさえ相反するらしい。


出雲君が高校2年生16歳で身長150ちょい(調べましたが12歳相当でした)なのは和久名の責任ですが、叫ぶ時は「おのれディケイド」もしくは「ゴルゴムの仕業だ」、嘆く時は」紘汰さんのせいだ……」、責任転嫁は乾巧におねが


(首の折れる音)


皆さんこんにちは。ムチャグイフィーバーしようと思ったらヘルゲ型なのにマグナム入れ忘れました。和久名真王です。

デュエマプレイヤーでさえポカンとなりそうな言葉は無視して構いません。

さて、まだ初期の初期なのにヒロイン8人(多いな)中6人が出雲君と学校生活を送るという非常にカオスな状況になりました。

「残りロリ2人はどうしたんだよオイ」「調整中と申し上げた!(半ギレ)」

そして、初見ではちょっと口調が女の子らしくない以外は割と普通だった撫子さん、彼女という出雲君の女の子の親友は彼女が初出です。マンモさんや旧アスモさんはむしろ彼女寄りでしたし……

そしてレヴィと撫子さんに因縁があるようにも読み取れましたが、その辺りは「調整中と申し上げた!(半ギレ)」

ちなみに彼女の名前の由来ですが、大和型一番艦二番艦の名前をもじって

武蔵→宮本武蔵→宮本

大和→大和撫子→撫子

裏設定的に出身は信濃となんだか微妙に偽名っぽい名前ですが多分本名です。

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