回れ右して後戻り。
綾斗視点です。
突然ですが、姉貴が記憶喪失に陥りました。
ここ7・8年の記憶を失っているようです。ちょうど荒れていた時期まで戻ってしまったようです。
怖いです。マジで怖いですお姉様。
原因はシアナの飲ませたクスリだそうです。
なんかあやしげな薬だなとは思っていました。ゴメン姉貴。
あとシアナっていうのはあの女装男子です。
「どーしたもんかね。」
「綾斗、お前全然焦ってないだろ。」
「いやむしろ一番焦ってんのオレだからね?あの恐ろしさ知ってるオレだからね?」
ヤンキーではなかったけど超怖い姉貴。
あの時は俺様何様お姉様で、口も悪いし?口より手より足と拳がでるし?
とかなんとか言っているとドアが壊れるんじゃないかと思うほどのけたましい音がドアからした。
あぁ懐かしいなぁ・・・うん。こんな感じだった。
「なに?姉貴。」
「10秒以内にあけろや。」
「本当すみませんでした。」
ガチャリと開ければ般若の顔したお姉様。(笑顔)
あぁ目から心の汗が止まらないんだけどどうしよう。
大丈夫だ耐えろオレ。あと数時間の我慢だ。きっとシアナがなんとかしてくれるから。
というかそれまでにはきっと薬の効果きれてるから!
それにほら、シアナとも一緒にいるし?
一人よりマシだって・・・・あれ?おかしいな。さっきまでいたアイツがいないように見えるんですけど?
・・・・・・・・・裏切りやがったなコンチクショー。
「で?俺がなんだって?」
あ、あの俺様何様のくだり聞いてた系ですかそうですか。
とりあえず姉貴をみたら、それはもう天使のような笑顔でオレを見返してきた。
「・・・・・・・・・・・・とりあえず土下座するんで許してください。」
「おう、心の広い俺に感謝しろよ?
・・・・・・額に地面の跡が残るまで許しを乞えバカヤロー。」
とりあえず早くいつもの胡散臭い笑顔に戻ってくださいお姉さま。
この二時間後には戻りました。