回れ右して目を覚まそう。(前)
なんだか最近違和感が絶えない。
気がついたのはついこの間。朝起きたらなんだか妙な感じがした。
いや、とうとう脳内トリップか・・・とかそういうのじゃなくて。
ま実際トリップはしてるんだけどもさ・・・!
なんだか言葉に表しにくい心情だ。
なんというか、薄いというか現実味がないというか・・・夢から覚める直前のような、そんな感じ。
いつぞやの夢オチのような感じではないぞ。
「・・・・って感じなんだけど、どう思う?」
「それをオレに言われても。」
と難しい顔をするのは我が弟綾斗。
お前はどうだと聞けばそんなことはないという。
さてはていったいどういうことか・・・・なんだか突然シリアスモード。
まぁわたしの話は突然始まり突然終わるものなんだが。
むむっと考え込むが、わからないものは解らない。はっきりいってお手上げ。
「ま、そのうちわかるんじゃねぇ?」
「・・・そうだね。まいっか。」
軽っ、とつっこみが入った。なんだよ自分が言ったくせに。
まぁもう夜遅いから眠いっていうのが本音なんだけどね!
「というわけでおやすみ。」
「切り替え早っ、まぁいいやお休み。」
と、綾斗が出て行ったのを確認して目を閉じた。
「・・・・・・・・・・・・あれ、」
目が、覚めた。
あっれおかしいな。わたしついさっき寝ようとしたのに。
目を開けると見慣れた懐かしい天井・・・表現おかしいな。
「わたしの、部屋だ。」
わたしが寝たのは、あの広い城の部屋だったはずなのに。
頬をつねった。痛い。我ながらなんてベタで間抜けなことをしたんだろうと思った。
ま、現実だよねぇ・・・
夢オチじゃぁ、ない。