回れ右してツッコミ不在。
わたしは今、かつてない苦悩に悩まされている。
必死に目を瞑りこの手にあるものを奪われないようにひたすら抵抗していた。
だけど、わたしの無きに等しい力では当然かなわないとわかっている。けども・・・!
次の瞬間、刺すような冷気がわたしを襲った。
「はいもう起きようねー。」
「寒いんですけど!すみません一刻も早く返してください決闘中です。」
「温かい布団の魔力にはどうやっても勝てないでしょ君。」
せめてもの抵抗に手元にあった枕を投げた。当然避けられた。
それくらい受け入れろ。綾斗は甘んじて受け入れていたぞ。←避けられなかっただけ
というかぐーたら二度目を決め込もうとしたら起こしに来るとかどんなオカン。
まったく冬の申し子みたいな容姿しちゃって。というかユキはどうした。
「申し訳ありません、敵の温かい魔力に阻まれまして遅れました。」
「お前もか。」
寒色よりも暖色の多いやつに起こされたい。こんな寒いときには。
まぁ隣に一緒に寝たこがいるからまだ大分あったかいんだけどね?
「・・・ん、おねえさま?」
「あ、おはよう。やっと起きたね。」
眠たそうに目をこするアンジェ。
わたしと目が合って何故か驚いたような顔をした。
「私ったら・・・お姉様と一線越えちゃった!?」
「いやわたしそんな趣味ないよ?」
飛躍しすぎにもほどがあるでしょ。
「やっぱり綾斗がいないとツッコミいなくてグダるね。」
「オレをどんだけ酷使するつもり!?」
というお話でしたー。
アンジェは前の話で出てきた天使です。