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五十九話 墓前での感謝
その後、頂川が消えてしまった場所に光葵達三人で石のお墓を作った……。
「頂川……お前は俺の戦友であり親友だ……。俺達を守ってくれて……今まで一緒に戦ってくれて本当にありがとう……」頂川の快活な笑顔を思い出し、涙が溢れ出す。
「……頂川君、今までありがとう。一緒に修行したり、辛い時に温かい言葉をかけてくれたり……頂川君は私にとってかけがえのない人だよ……」綾島は声を上げて泣く。
「頂川君、君は優しくて強い人だった。今日も命懸けで助けてくれた……。君と一緒に過ごす時間はとても楽しかったよ。私の一生の宝物……。ありがとう……」朱音は静かに涙を流す。
◇◇◇
今日は本当に目まぐるしい一日だった……。
朱音は今日以降、家に帰ることとなった。光葵と綾島も一緒についていき朱音の父に挨拶したいと言ったが断られた。
今は二人とも傷だらけだし、アジトでゆっくり休んで欲しいとのことだった――。




