表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の代理戦争~Twin Survive~  作者: 一 弓爾
星の代理戦争 後編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/72

四十七話 罪悪感と復讐心

 六日目。傷が全員回復したため、今後の行動を相談していた。


「すまねぇ。腕の完全回復までに時間かかっちまった。比賀さんも回復したみたいだし、今後の動き決めないとだよな」

 頂川が両腕を上げて動けることをみんなに見せる。


「治ってよかったよ! 比賀さんも回復してよかった」朱音が明るい声を出す。


「そうだな。仲間探しと索敵をしないとだな……」光葵は少し声色が暗くなってしまう。


「日下部……。ルナ姉と話しただろう。決断は汝だけの責任にはさせない。みんなで相談して決めることなんだ。汝だけで責任を感じるな」

 カイザーが光葵の目を見て言葉にする。


「……悪い。カイザー。みんなはどうすればいいと思う?」全員の方に目を向ける。


 光葵の意見に賛成だとの声が返ってくる。


 ――二人を除いて……。


「日下部……綾島さんはルナ姉の件でかなりショックを受けてる。俺から話し出しておいてすまないが、俺と綾島さんはアジトで待機でもいいか?」頂川の声には優しさを感じる。


「大丈夫だ。むしろ、綾島さんの心まで考えれてなくてごめん。四人で動こう」光葵は頂川の提案を素直に受け入れる。


「……ごめんね。みんな……。私……」綾島はそれ以上声を出せない様子だ……。


「……綾島さんの気持ちは分かる。今は休んで……」朱音がそっと声を掛ける。


 その後、光葵達四人は外出して行動することになった。


 ◇◇◇


 アジトにて、頂川と綾島の二人は話していた。

「綾島さん。朱音ちゃんの言う通りだと思うぜ。今は休もう。何か飲むか?」頂川が立ち上がる。


「……私、ルナ姉が必死に戦ってる時に恋愛の話なんかしてて……。ルナ姉には色んなことしてもらったし、助けてもらったのに……自分のこと許せない」綾島は俯き、肩を震わせる。


「……綾島さん。自分を責める必要はないぞ……。ルナ姉はそんなことは望まない……」頂川は悲しげに呟く。


「…………じゃあ、私のこの気持ちはどうすればいいの⁉ 何も感じるなってこと⁉」綾島が珍しく大きな声を出す。


「綾島さん。あんたの気持ちも少しは分かるつもりだ。俺もルナ姉が好きだった……。何も感じないなんてこと俺だってできねぇよ! でも、ルナ姉が死んでしまったことの中に、自分を責める理由を見つけて自分を傷つけるのは違う。それだけは間違いないぜ!」頂川はできる限り自分の想いが届くように伝える。


「……そうだけど。そうなんだけど。それでも……」綾島は涙が止まらなくなる。


「……」頂川は黙って椅子に腰かける。


「……頂川君。私、ルナ姉の仇を取りたい。この『復讐心』をもう抑えられないよ……」綾島は頂川に願うように言葉を紡ぐ。


「……すげぇ月並みな言葉だけど、ルナ姉の言葉なら分かると思う。『ルナ姉は復讐なんて望んでない』。でも、負けることも望んでないはずだ。体調を整えて、勝てる状態にしてから戦おう。俺もルナ姉の仇は取りたい……」頂川は覚悟をそのまま言葉にする。


「……そうだね。ありがと……」

 頂川は綾島の瞳に宿る色が変わったように感じる。強くなりルナ姉の仇を取る、揺るぎない感情を感じさせる瞳の色だ――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ