ユズル
目が覚めたら俺は子どもだった。まだ生まれたばかりの男子、母親と父親は何処だろう?でもなぜ森の中なんだ?
森の中、小鳥と優しく感じる声を感じながら眠りについた。
1ヶ月が経った、どうやら俺に親はいないようだ。俺はポーっていつも光ってる。小さい幼女っぽい光ってる(妖精かな? )のがいつも傍に居た。何か話しかけてくるけど何言ってるか分からない。俺の今の仕事は決まってる、よくミルクを飲みよく寝て動けるようになる事だ。だけど空腹にはならずミルクを飲まず( てかミルク無いけど)ただ妖精の光を浴びながら寝ていた。
半年が経った、まだ上手く喋れ無いけど妖精の言葉が理解出来るようになってきた。妖精は森に住んでいる、気がついたら人間の赤子が森の中にいたから、どうしたのかなって思って見守ったそうだ。このままでは死んでしまうと思い加護を与え魔力を与え続けた、今もそうだと言う。
「どうして俺を助けました?」
「ただの気まぐれさ」
俺はこの妖精を好きになった、俺に家族はいないけどこの妖精が母親と思って接した。
1年が経った。
「妖精さん名前教えて?」
「私に名前は無いよ」
「えっ無いの?」
「無い」
俺は1年、妖精と暮らしたが妖精の事はあまり分からなかった。まぁいいさ、少しずつ教えて貰おう。
「妖精さんに名前俺が付けて良い?」
「変な名前じゃなきゃね」
「じゃあユズルで」
「何でユズルなん?」
「特に意味は無いよ」俺は前世で好きだった人の名前を付けた。
「じゃあ君にも名前付けなきゃね」
「瞬って呼んで!」
「何で瞬なん?」
「特に意味は無いよ」俺は呼び慣れた瞬が良かったし、ユズルにそう呼んで貰いたかった。
この頃になると柔らかい物を食べるようになった。ユズルが木の実を取ってきて魔法で柔らかくして俺にくれた。
木の実は甘酸っぱくて美味しいが、前世の記憶からか肉が食べたかった。俺は早く動物を倒せるようになりたくてユズルから魔法を教えて貰おうと思った。
そして今から頑張って要領の良い大人を目指そうと思った。
「ユズル魔法教えて」
「瞬が覚えれるかは分からないけど、分かった、私をしっかり見てて」
この日から俺の特訓が始まった。