星の窓辺に、光はやさしく
吹きわたる星の風
月の光にさやぐ
銀色の風聞き草に
行き先を訊ねて
瑠璃色の空の彼方へ
白鳥と鷲は飛び去り
そこに浮かび上がる
天の大窓
星の窓辺に
光はやさしく
窓の向こうでペガサスが
アンドロメダ姫を乗せて
星の海を越えていく
空を見上げて描かれた
物語という名の翼
何光年も先の僅かな光を
繋ぎ合わせて
星の窓辺に
光はやさしく
秋の実りを詰め込んだ
ますがた星を
とかき星がならすように
空を仰いで捧げられた
願いと祈りの銀の粒
生きることの意味と大切さ
星の声を聴いたようで
窓の向こうに広がる
世界を夢見ながら
瞳は心の窓
めいっぱい開いて
光を集めて 風を感じて
手を伸ばせば
新しい世界がそこに
澄んだ空に浮かぶ天の窓
星の光はささやかで
時に見えない星もあるけれど
同じ星空から
様々な物語が綴られるように
自分の瞳と心に映る星空で
新しい物語を描けたら
天の大窓の先には
一千億の銀河
その一つひとつに
一千億の星がさざめく
たとえ今
離れていても
銀河の星々からみれば
ほんの少しの時空だから
果てしない時の中で
無数に散らばる銀河の中で
同じ星の上にいる奇跡
星の窓辺に
光はやさしく
遥かな天の大窓に
幾つもの想いを馳せて
この地上に
また一歩を踏み出すとき
心の窓辺には
きっと、光あふれて
秋の夜空では、ペガスス(ペガサスのラテン語)座の星とアンドロメダ座の星を結んだ「秋の四辺形」が有名ですが、日本では、古くからこの星々を米を入れる「ますがた星」、アンドロメダ座の部分を枡をならす「とかき星」と呼んできました。ギリシャ神話では神々が地上を見下ろす「天の大窓」ともされ、これらにふれつつ、地上から眺める窓として描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。