最終話:結ばれし永遠の愛
翌朝、山本は制服に着替えてとある場所へ向かった。
その場所は山奥で誰も寄り付かない神聖な場所で草木が生え茂る所だ。
「着いた。ここに涼太君のお墓があるんだね」
山本が向かっていたのは彼氏の前宮が眠る、白山という街にある1つのお寺だ。導かれるまま歩くと、大きく新しい墓石を見つける。
「ここだ。大きいなぁ…。まずは掃除して線香を焚かないとね」
バケツに水を張り、墓の周りと墓石を洗った。洗った後に線香を取り出して火をつける。火がついた時、風向きが変わった。
手を合わせて合掌をしていると住職が周る。
「ここに若い方が来るとは珍しい。この墓はここ最近できたもので、若くして命を落としたと聞きます。時に心地のいい風が吹くのでこの場所はとても良い」
「この墓に眠る人は、私の彼氏で応援団存続の危機に立ち上がってくれた恩人です。全てを終わらせたので参りに来ました。私の全てを肯定してくれて楽しませてくれたり、守ってくれました。でもいざここに来た時、涙が溢れます。こんなに良い人が居なくなるなんて…」
住職の前に山本は泣き崩れる。
山本を見て住職は優しく声をかけた。
「あなたの思い、とても伝わります。もし見るのであればお墓の下にある、引き戸の中見ますか?お供えしたいものがあればそこに置いて下さい。喜ばれると思いますよ」
住職は持っていた鍵で墓石の下にある扉を開ける。山本は、持っていた白の手袋をお供えした。
涙が止まらない山本だったが、彼の分まで生きると心の中で誓う。
「おや、今日はあなたのような若い方が参拝に来てますね。あなたも彼らと同じようにまだ若い。どんな人生であっても、出会いと別れは付きものです。祈りましょう。そしてあなたの大切な人の分まで生きましょう」
住職はそのまま去った。振り向くとそこには大山と高部、鶴海、守山姉妹が参拝に現れる。
最後まで存続を死守してくれた事、盛り上げてくれた事、それはどんなに遠く離れていても愛は結ばれる。心の中に思い続ける限り…。
「まゆっちはもう来てたのか!流石彼女だ」
「なみ、そんな言わないでよ…恥ずかしい」