3. 田舎の幼なじみ美少女で学ぶランタン
明日、お兄ちゃんが帰ってくる。
田舎を出て、都会で暮らしている、わたしの憧れのお兄ちゃん。
例の新型ウイルスの蔓延で、しばらく会えていなかったけど、ようやく騒動も落ち着いて、大切な人達と会える日々が帰ってきた。
(現実世界でもきっとあと少しの辛抱! なろうのみんな、頑張って耐えきりましょう!)
お兄ちゃんはこの田舎で、昔は近所に住んでいて仲がよかった、わたしの大切な人。
同年代の子供が他にいなかったからだ、と良く周りには言われるけど、そうじゃない。
そうじゃなくても、わたしはきっと、お兄ちゃんを大好きになっていた自信がある。
もちろん、ただの幼なじみとしてじゃなく、恋愛的な意味で。
明日、やっと大好きな人に会えると思うと、どうにも気持ちが落ち着かなくて、わたしは近所の川辺にキャンプに来ていた。
きちんしたキャンプ場という訳ではないので、人によってはキャンプではなく、野営、と呼ばれることもありそうな場所。
だけど子供のころ、よくお兄ちゃんと遊びに来ていた場所で、二人で親と一緒にキャンプをしたこともある、このあたりでは有名で、私にとっても思い出深い、大切なスポットだ。
日の暮れかかった空。夕日のオレンジ色が、川の水面に輝いている。
「お兄ちゃん……はよう会いたか……」
川のせせらぎを感じながら、大好きなお兄ちゃんに想いをはせる、田舎育ちで垢抜けないけど、ダイヤの原石のように美しい顔立ちをした黒髪の乙女。
そう、私がなろう小説界の至宝であり至極の美少女、くもくもです。
夕日はどんどん傾き、辺りは薄暗くなっていく。田舎では日が暮れれば、街灯も少ないし、こんな川辺なんてすぐに漆黒の闇に包まれてしまう。
完全に日が落ちる前に、ランタンを灯して、夜の闇に備えておくのは大切なことだ。
光がなければ、怪我や事故のリスクが増える。
一般的なキャンプ場でも、手洗い場などを除けば、夜は思った以上に真っ暗になることも多いので、読者の皆さんも、早めのランタン点灯を心がけて欲しい。
田舎の夜だと、熊やおばけも怖いしね。
大好きなお兄ちゃん。
あの人は私にとって、心のランタンのような人だった。
悲しいことがあった日も、つらいことがあった日も、お兄ちゃんの笑顔や、言葉や、匂いや、その全部が、私の心を暖かく照らしてくれた。
最近は会えない時間が長かったけど、お兄ちゃんのことを考えているだけで、私の世界は明るい光に満たされていくみたいに感じている。
お兄ちゃんの輝きは、たったひとつで私の世界をきらめかせてくれるけれど、キャンプで使うランタンは、2つから3つはあったほうがいい。
トラブル時の予備という意味もあるけど、一つだと想像以上に不便なのだ。
例えばお手洗いに行くとき。
ランタンが一つしかなければ、それを持って移動することになり、自分のテントの場所が暗くて分かりにくくなったりする。
また、辺りが真っ暗の状態で光源が一つしかないと、自分やテントなどの影で、あまり周囲を明るくできない。
二つのランタンを自分を挟むように対角に配置したり、3つ以上のランタンで自分を囲むようにすれば、影が打ち消されて、充分な明るさが確保できる。
ランタンにも色々種類があるので、今回はこのランタンの種類について紹介。
キャンプ場で夜を過ごすためには、必須のアイテムなので、購入する際のご参考に。
防災用として、いざというときの備えにも。
① 電池式LEDランタン
最も扱いやすいランタン。ボタン操作一つで明るさが得られる。
ものによるが、明かりが強いものが多く、メインの光源として使うのに向く。
予備の電池があればいくらでも使用できるので、二泊以上の連泊キャンプには特にオススメ。
防災用に購入する際は間違いなくこのタイプが最適。
実用性だけでなく、見た目や光の加減のおしゃれさにこだわった製品も増えている。
② 充電式LEDランタン
性能はだいたい電池式と同じ。
電池の準備がいらない代わりに、充電の手間がかかる。
長期間放置していたり、すごく寒い環境だと充電残量が減ってまずいことになりがち。
最近は技術の進歩で、軽くて小型なくせに、かなりの電池容量を持った優秀な製品も増えており、電池式から乗り換えている人も多い。
モバイルバッテリーとしての機能がついていて、スマホを充電できるような製品もあり、これはかなり便利。
少々頼りないがソーラー充電できるタイプも。
③ オイルランタン
液体燃料を燃やした火の光を利用するランタン。
炎の揺らめきの美しさが何よりの長所。雰囲気が素晴らしいが、明るさは弱く、照度の確保という観点では効果が薄い。サブのランタンとして雰囲気重視で使うのに向く。
明るさ以外の短所として、オイルの準備が面倒で危険もあるなど、取り扱いに少々やっかいな部分が多い。
また、閉めきったテント内で使うと、酸素が失われたり、一酸化炭素の発生や火事といったリスクもあるので絶対にNG。
しかしそうした短所を補って余りある雰囲気の良さが魅力で、愛用者が多い。
④ ガスランタン
カセットボンべや、アウトドア用のガス缶を使い、その火の光で明るさを得るランタン。
明るさイマイチ、色々危険、雰囲気は良好、といった感じで、ポジション的にはオイルランタンと似ている。
オイルを扱うか、ガス缶を扱うか、という点の違いが重要で、他のキャンプ道具でもガス缶を使う人は、燃料を共用できるので、このガスランタンを好む人も多いようだ。
⑤ その他燃料式ランタン
ガソリンを使うものや、カーバイトという固形燃料を使うもの、ろうそくを使うものなどが存在するが、いずれもマイナー。
アンティークものが好きな人などが、こうした変わり種を使うことがある。
性能やコスパで言うとオススメできない。趣味の世界の一品。キャンプには遊び心も大事。
⑥ その他LEDライト
懐中電灯やヘッドライト。
手元しか照らせない代わりに、ランタンより小さくて軽い。
荷物の軽量化を重視するキャンパーや登山でも使う人は、手がふさがらないヘッドライトを特に好む。見た目を無視すれば、ヘッドライトは非常に便利。
懐中電灯は、防災用としての観点では優秀。キャンプでは使いづらい印象を持たれがちだが、手洗い場に行く際などには最も役に立つ。複数人でキャンプする際には一本用意しておくと便利。
ランタンモードと懐中電灯モードの切り替えができる製品もある。
と、いう感じ。
初心者はとにかくLEDのタイプがオススメ。
というかベテランでも一つはLEDランタンを持っていくキャンパーが大多数。
LEDは比較的安価な商品も多いので、美少女とはいえ、まだ若く予算に限りがある私も、メインにLEDランタンを使っている。100均でもちゃんと使えるレベルの商品が売られているので、防災用も兼ねて是非購入をご検討頂きたい。
明かりがしっかり広がるように、高いところにLEDランタンを吊るした。
だけど今日は、このキャンプの中で、自分の気持ちを落ち着かせて、大好きなお兄ちゃんのことを想う、自分の気持ちにしっかり向きあいたい。
だから、手元にはオイルランタンを灯して、その小さな炎の揺らめきを、ゆったりと見つめる。
辺りに広がる夜の帳の中で、わたしの周りだけが、ランタンの優しい光に包まれている。
明日、お兄ちゃんに会ったら、どんな話をしよう。
この私の想いを、どうやってお兄ちゃんに伝えよう。
また離れて暮らす時間にも、お兄ちゃんの光がランタンのように私の心を照らしてくれるように。
「お兄ちゃん、私、お兄ちゃんを好いとるとよ。ずっと、ずっと大好きやけんね」
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