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The final eternal 8

後ずさりながら、炎を『聖カタリナ』で吸収するジャンヌ。

「これしきではな。」

ジャンヌに切りかかるアンを止めるジョージ。

「ひつこい小娘だな!?」

「いきがるな、蛇がっ!」

「まてっ!アンっ!」

アンの『オリハルコン』の一撃を『聖カタリナ』で跳ねあげるジャンヌ。

「ぬるいわっ!」

「なにっ!?」

アンに奥義の太刀を見舞うジャンヌ。

『Que la bete meure(野獣死すべし)』

両者に割り込み、ジャンヌの『聖カタリナ』を『アスカロン』で凌ぐジョージ。

「なっ!?」

「ジョージっ!?」

炸裂する『Que la bete meure』の閃光に包まれる3人を、茫然と見守るカンジ。

なんなんだこの戦いは?

爆裂する霊廟。

閃光に手をかざすカンジ。

「っ!?」

壁によっかかっていたヴォルフも巻き込まれる。

「うわっ!?」


倒壊し、粉塵が立ち込める霊廟跡。

粉塵まみれで立ち上がるアート、アン、カンジとヴォルフ。

「くっ...」

ジャンヌに声をかけるバルサモ。

「ジャンヌっ!」

負傷した突撃兵に肩を貸しているバルサモ。

「騒ぎで官憲がくる。引上げるぜっ!」

粉塵が吹き抜けた後、鍔迫り合いの状態で立ち尽くしているジョージとジャンヌ。

「ジョ、ジョルジォっ!?」

「ああ、さすがに君のは、きついな?」

慄きながら後ずさるジャンヌを催促するバルサモ。

「ああ、ジョルジォ...?」

「大丈夫だ...またな。」

「ジャンヌっ!早くっ!?」

両膝をつくジョージを気に掛けながら立ち去るジャンヌ。

「くっ!?」

ジョージに駆け寄るアンとカンジ。

「ジョージっ!」

「スチュアート卿っ!?」

前のめりに倒れるジョージを抱きかかえる二人。

「ジョージっ!?」

アンに抱き起されるジョージを気遣うアート。

「どうだ、まだやれるか?」

「いや、もう十分だ。私の旅は終わりだよ。」

ジョージを叱咤するアンとカンジ。

「何言ってんのっ!?始まったばかりでしょうがっ!?」

「そうですよっ!?」

アンとカンジを諭すジョージ。

「アン...君やカンジをアートにめぐり合わせる事が、私の旅の目的だったんだよ。」

「1600年?1700年近くかかった私の旅は終わりだ。」

「君たちと会えて、楽しかったよ。」

ジョージへの想いを振り絞るアンとカンジ。

「い、嫌だっ!?」

「ダメですっ!あなたは、まだ、僕に伝えないといけないことがあるはずだっ!?」

カンジの言葉にあっけにとられる一同。

「へっ!?」

迷惑そうに自分の手を取るジョージにバツが悪いカンジ。

「どこまでも図々しい奴だな、君は?」

「は...」

苦笑するアートに答えるジョージ。

「どうするジョージ?皆、君を楽にさせてくれそうにないが?」

「しようがあるまい。やれるだけやってくれるか、アート?」

ジョージの頬に手を添えるアート。

「ああ。だがな、一回きりだ。これからは無理するなよ。」

「心がけるよ。」

両方の手のひらを自分に向けて頷くアート。

「では...」

顔の前で左の拳を右手で包み込み、祈りを捧げるアート。

「ジョージを慈しむ者たちの願いに応えよ。」

総領事館の廊下で書類を両手に抱えて立ち止まり、寺院の方向を見るトーマス・ロレンス。

「ジョージ...」

駐在武官室の机に両肘をつき、顔の前で手を組みながら、目を寺院の方向に向けている山下奉文少尉。

「...」

奉天の日本総領事館の自室で、何かの気配を感じる明石元二郎少将。

それを微笑みながら眺めている安倍晴満。

「っ!?」

「...」

寺院の方向を振り返るジャンヌ、ジャンヌ・ド・アーク。

「っ!?」

宮殿の自室の窓を開け放し、東の方角を見つめているヴィクトリア王女。

「ジョージ...」


『転命術』を発動するアート。

『Transfer』

発動後、特に変わりない様子の霊廟跡。

あっけにとられるカンジ。

「あ、れ?」

取り乱すカンジをあしらうアート。

「え、え、終わったんですか?」

「ああ。」

「え?ダメだったんですか?」

「何でだよ。」

「ええっ!?普通、なんかあるじゃないですかっ!?」

「なんかって、なに?」

「いや、その...バーンとか?」

「ないよ、んなものっ!」

カンジの手を取るジョージ。

「はは、心配するなカンジ。」

「っ!?」


煙が立ち上る寺院に迫る、日本軍を装った清国特殊部隊。

軍用トラック数台に騎馬兵が数騎、随伴している。

「あれのようです、張将軍。」

トラックの助手席から寺院の方向を見定める張作霖。

「ん...そのようだな。」

騎乗の副官に指示をする張。

「袁将軍に報告、それと上海駅と京滬線沿線の警護の強化を...」

「はっ!」

部隊に指示を飛ばす副官を見送る張。

「ふ...」

「世界をひっくり返せる『お宝』が、まだ、この地にあったとは...」

ほくそ笑む張。

「まだまだ清も...」

「いや、中華も捨てたもんじゃないな。」


歓喜するカンジとジョージを抱きしめるアン。

「ああっ!」

「ジョージっ!」

ジョージに肩を貸し、立ち上がるアン。

「やれやれだ。」

「ともかく、アートの身柄は確保できた。」

ジョージの問いにうんざり気味に答えるアート。

「さあ、故郷に帰ろうか?」

「まあ、どの面さげて...だがな。」

ジョージの問いに困惑しつつ答えるカンジ。

「カンジ、君もついてくるんだろ?」

「え、あ、と、当然ですっ!」

「卿の従者ですからっ!」

ジョージに肩を貸しながら、カンジを疎ましそうに睨むアン。

「帰るか、わが家へ。」

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