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The final eternal 5

寺院の途中にある市場を巡る、ジョージ、アンとカンジ。

不満げなアンを諭すジョージ。

「なんで馬車にしなかったのよ?」

「我々は四六時中監視されてる。」

「寺院の前に馬車で乗りつけたら、あっという間に居場所が知れてしまうだろ?」

市場の売り子に愛想を振りまくジョージとカンジに不満げなアン。

「こうして監視をまくのさ。」

「ふんっ!」

路地の奥で複数の現地人に絡まれているヴォルフに気付くカンジ。

「ん?」

「どうした、カンジ?」

北京語で弁明しているヴォルフに声をかけるジョージ。

「已?支付了?」

「お困りかな?」

ジョージの助け舟に安堵するヴォルフ。

「あ、スチュアート卿っ!?」

「どうかしたのかな?えーと...」

「シックルグルーバーですっ!」

ジョージとヴォルフの会話をよそに、現地人と会話するカンジ。

「ああ、シックルグルーバー君、お困りのようだが?」

「ええ、この人たち、中国語が通じないんです。」

「怎?了??」

カンジに現地人たちの言い分を聞くジョージ。

「ん?なんだって?」

「この人の支払った代金が足らなかったようです。」

代金を受け取り引き上げる現地人を見送る一行。

「なんだ、上海語もわからずに、ここへ来たのかい?」

「え、上海語って?」

カンジに向き直り、礼を言うヴォルフ。

「何れにしろ助かりました。」

「私はヴォルフ・シックルグルーバー...」

右手を差し出すヴォルフに照れるカンジ。

「ウィーンの学生で、スチュワート卿の熱烈なファンだ。君は?」

「あ、し、シライカンジです。」

「卿のじゅ?従者です...」

右手を握り返すカンジを嘲るヴォルフの体表に、微妙な放電が発生している。

「従者?スチュワート卿の?」

「羨ましいな。」

「え?」

勝ち誇るヴォルフの『Blitz』で放電光に包まれる二人。

電撃を受け苦悶の表情のカンジ。

「ぐ、ぐぎいぃぃっ!?」

「だが、これでオシャカになるがいい、従者クンっ!?」

助けに入ろうとするアンを制するジョージ。

「くっ!?ウィザードかっ!?」

「待て、アン。」

ジョージの言葉に戸惑いながら振り返るアン。

「私の従者は思いのほか仕事ができるようだ。」

「え?」

電撃に耐え、ドヤ顔のカンジに焦るヴォルフ。

「くっ!」

「な、何ィっ!?」

握られた右手を見て驚くヴォルフ。

「はっ!」

カンジの右手を振り切って、後ずさるヴォルフ。

「き、貴様っ!?」

手のひらの五角形にたたまれた式札を、誇らしげに見せつけるカンジ。

「怪しかったんで仕込んでおいてよかった。」

ジョジョ立ちで式札を右手の人差し指と中指で挟み、顔の前にかざすカンジ。

「あんまり、僕を見くびらないほうがいいよ。」

右手からムチ状の電撃『Blitz Peitsche』を放つヴォルフ。

「どうだかなっ!」

式札を『Blitz Peitsche』に向けて放つカンジ。

「無駄、無駄、無駄っ!」

光る五角形の螺旋の楯に阻まれ、ショートする『Blitz Peitsche』。

焦るヴォルフ。

「く、何っ!?」

九字を唱え、印を結ぶカンジ。

「臨兵闘者!皆陣列在前!いでよ玄武っ!」

『Blitz Peitsche』を受ける五角形が30cmほどの亀の甲羅に変わる。

慄くヴォルフ。

「な、何っ!?」

地面に落下する甲羅。

つぎの瞬間、甲羅から手足と首が伸びる。

「!」

一同が見つめるなか、頭をもたげて咆哮する玄武。

「ナ、ナーンっ!?」

ドヤ顔のカンジを除いて、その迫力の無さに拍子抜けの一同。

「な?」

「え?」

「なんだこりゃ?」

手足と首を引っ込める玄武に慄くヴォルフ。

「いっ!?」

手足を引っ込めたくぼみから冷気を噴射して浮上する玄武。

『Blitz Peitsche』を玄武に見舞うヴォルフ。

「く、喰らえっ!」

回転して『Blitz Peitsche』を弾く玄武。

「くっ!?」

回転しながらヴォルフに襲い掛かる玄武。

『Blitz Peitsche』で応戦するヴォルフ。

「小賢しいっ!」

式札を一枚切り取るカンジ。

右手の人差し指と中指に式札を挟み、九字を唱えるカンジ。

「臨兵闘者!皆陣列在前...」

玄武に手いっぱいのヴォルフに式札を投げつけるカンジ。

「来たれ、騰蛇っ!」

燃える式札の中から鎌首をもたげる、炎に包まれた蛇の化身、騰蛇。

「シャーッ!」

玄武に応戦しつつ、騰蛇に焦るヴォルフ。

「く、き、貴様っ!?」

騰蛇を左手からの『Blitz』で迎撃するヴォルフ。

放電に引き攣る騰蛇。

「させるかっ!」

「ギャンっ!?」

騰蛇と同じく放電に引き攣るカンジを気に掛けるアンとジョージ。

「ぎゃんっ!?」

「おお、おいっ!」

「なんだ、カメ以外は電気に弱いのか?」

カンジの気絶と同時に地面に落下する玄武。

カンジを介抱するアン。

「大丈夫、じゃないね?」

「あ、アンさん...」

式札に戻る玄武と騰蛇を肩で息をしながら見下ろすヴォルフ。

「は、はあ...」

気を取り直して、カンジを介抱するアンとジョージに迫るヴォルフ。

「さあ、私と来てもらいましょうか、スチュアート卿。」

ヴォルフを睨みつつ、カンジを地面に横たるアン。

ヴォルフを問いただすジョージ。

「やはり狙いは私か?どこの手の者だね?」

立ちはだかるアン越しのジョージに答えるヴォルフ。

「来ればわかりますよ。」

「おとなしく、ね。」

右手を後ろ手に回すアンに忠告するジョージ。

「子供相手にドラゴニックスペル(竜語魔術)は使うなよ。」

「わかってるよ。」

立ち向かってくるアンを嘲るヴォルフ。

アンの背後で伸びていく聖剣『オリハルコン』。

「ふ、丸腰でどうするんで...」

『オリハルコン』の切っ先をヴォルフに向けるアン。

焦るヴォルフ。

「これでもかい?」

「なにっ!?」

『Blitz Peitsche』をアンに放つヴォルフ。

「喰らえっ!?」

「オリハルコン」で易々と『Blitz Peitsche』を薙ぎ払うアン。

「ふんっ!この程度かっ!」

アンに圧されるヴォルフに情けをかける、聖剣『アスカロン』を携えたジョージ。

「その辺で引いたほうが身のためだがな、シックルグルーバー君、だっけか?」

並び立つアンとジョージに焦るヴォルフ。

「2対1だ。逆に君にうちの総領事館に同行いただくことになるんじゃないかな?」

「くっ!」

踵を返すヴォルフを見送るアンとジョージ。

「ふ、諦めませんよっ!」

「おととい来やがれっ!」

「やれやれだ。」

カンジを抱き起すアン。

気遣うジョージ。

「少しは落ち着いたかい?」

「あ、はい、アンさん...」

「君はオンミョウ・ウィザードだったのか。」

ジョージの問いに答えるカンジ。

「マスターは誰かね?」

「は、安倍、清満先生です...」

驚く二人。

「ゼーマンかっ!?」

「あいつは200年前にあたしたちが...」

取り繕うカンジ。

カンジの左の首筋にセーマンの刺青を見つけるジョージ。

「あ、いや、お二人の知っている晴明様のご子孫ですよ?」

「っ!」

ジョージの問いに焦るカンジ。

「何だね、そのセーマンの痣は?」

「え、いや、こ、これは...」

うなだれるカンジに呆れる二人。

「み、見逃してクダサイ...」

「ふん。」

「やれやれ...」

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