The final eternal 4
翌日。
英国総領事館。
駐在武官室に向かう、ジョージ、アンとカンジ。
一行を見つける、両手で山積みの書類を抱えるトーマス・エドワード・ロレンス。
「あ、ジョージ?来てたの?」
「ん?」
ロレンスに応えるジョージ。
ロレンスに不快感をあらわにするアン。
「エディ、なにしにここへ?」
「うん。『実習』でね。」
「ん?アン嬢も?」
「ぐるるる...」
自分を気に掛けるロレンスに慌てるカンジ。
「おや、そのキュートな少年は?」
「え、キュートって!?」
「あ、いや、少年じゃありませんっ!」
ロレンスへのジョージへの返答に狼狽えるカンジ。
「なんなの?その子?」
「うーん、私の従者かな?」
「じゅ、従者っ!?」
ジト目でジョージを見るロレンスに慌てるカンジとアン。
「ふーん。東洋人の男の子にも興味あるんだ?」
「ええっ!?」
「なっ!?」
さすがに慌てるジョージを睨むアン。
「余計な事言わんでいい。」
「って、おいっ!?」
武官室へ連れ立って歩く一同。
「ジョージが来るとは聞いてたけど...」
「どんなミッション?」
興味深げにジョージの話を聞くロレンス。
「ひと月前にある人物が意識を取り戻した。」
「誰?」
「まあ、私の古い友人だな。」
「ふーん。その人に会いに?」
「ああ。」
ロレンスの問いに答えるジョージ。
「何のために?」
「今、世界は不安定な状態だ。」
「戦争に負けた中国、ロシアをはじめ、ヨーロッパ諸国もな。」
ジョージに反論するロレンス。
「それに乗じて『不死の者』達が謀を進めている。」
「今度こそ、奴らが表舞台に上ってくるかもしれん。」
「それで世界が平和なら、いいんじゃないの?」
自論を披露するジョージ。
「世を儚んで『不死の者』になった者が多い。私を含めてね。」
「そんな連中が平和的な提案をしてくるとは考えにくい。」
二人の会話に聞き耳を立てるカンジ。
(やはり、スチュアート卿は聖ゲオルギオス...か。)
「そんなもんかね。」
「その芽をそのその友人と摘んでいくのが、今回のミッションだな。」
考え込むカンジに気付くアン。
(卿が探している人物...?)
「...」
教会。
礼拝堂のベンチに座り、祈りを捧げているジャンヌ。
「...」
礼拝堂の扉の傍に立つ人物がジャンヌに声をかける。
「聖ジャンヌ、お出番です。」
扉の方向に振り返るジャンヌ。
「...」
「スチュアート卿が出張られてきたそうです。」
無表情に返答するジャンヌ。
「そう、ですか。」