表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

The final eternal 3

翌朝、食堂に向かうジョージとアンがロビーに降りてくる。

それを見つけて声をかけるカンジ。

「スチュアート卿...」

カンジをからかうアンに、苦笑いのジョージ。

「なんだ、さっさと逃げ出してるか、先に朝食食ってるかと思えば...」

「律儀にお出迎えとはね?」

カンジの返答にコケるアン。

呆れ笑いのジョージ。

「え、朝食はいただきましたが...」

「なっ!?」

「はは...」

カンジを誘うジョージ。

カンジの答えにキレるアン。

「まあ、何か言いたそうだな。食後のお茶でも飲みながら付き合いなさい。」

「そ、それもいただきました。」

「もういいよっ!」

天ぷらと塩鮭定食に箸をつけながら、真顔で話すカンジ。

「自分は、スチュアート卿に提案があります。」

カンジの図々しさに憤るアンと苦笑いのジョージ。

「で、なんでまた食ってのよっ!?」

「で、なんだね?」

塩鮭を箸で口に運びながらカンジの話を聞くジョージ。

「自分たち軍部は、いや、日本国政府はスチュアート卿と同じ目的で動いております。」

「ほう?」

厚切りのベーコンをフォークで口に運びながら、訝しげにカンジの話を聞くアン。

「自分の任務は卿の動向を探ることですが、本隊はすでに別任務で行動中です。」

「ふん。」

米粒を口の端につけつつ、真剣に語るカンジに吹きだすジョージ。

「これからどのような障害があるやもしれません。」

「日本は英国の同盟国です。ここは手を結んで...」

「ぷっ!」

呆れ笑いのジョージの言葉に狼狽えるカンジ。

「はは、その物言いは君の上司やモトジローに吹き込まれたことじゃないな?」

「君の独断かね?」

「え、いや、その...」

ジョージの嫌味に憤るカンジ。

「まったく、胆の据わった少年将校殿だ。」

「しょ、少年ではありませんっ!」

カンジを問い詰めようとするアンを制するジョージ。

「だったら、あたしたちの目的が何かを...」

「アン、それはいい。」

アンを諭すジョージ。

「でも...」

「少年将校殿のブラフだよ。」

反論するカンジをスカすジョージ。

「ぶらふ?いえ、嘘ではありませんっ!」

「よし、君のレイズに降りよう。」

ジョージの啖呵に絶句するカンジ。

「ただし、私はミッションの内容を一切、君たちに教えない。」

「それでも手を貸すというのであれば、協力しようじゃないか。」

「うっ!?」

海老の天ぷらを挟んだ箸でカンジを指すジョージ。

「英国総領事館にもコマはあるが、日本ほどではない。」

「それを借り受けられるというのであれば、私も本国と話をつけることができる。」

海老の天ぷらを口にするジョージ。

「どうだい、このカードは?」

「ううっ!?」

様子を伺う、食後のお茶を飲みながら新聞を広げている紳士。

紙面。

「JoJo Won in Massachusetts」

ドヤ顔のジョージに絶句するカンジ。

「さっそくモトジローに、いや、君の上司に許可を得てきてくれたまえ。」

「ぐっ!」

日本総領事館。

職員室の電話でカンジと会話する山下奉文。

カンジの言葉に驚く山下。

「なんだってっ!?」

大声で会話する山下を気にかけてている他の職員たち。

「スチュワート卿はそれでいいと言ったのか?」

職員たちの反応に気付き、小声になる山下。

「しょうがないだろ?最終的な判断は明石閣下に仰ぐが、今となっては...」

「スチュワート卿に同行するしかないだろ?」

しかめっ面で会話を終える山下。

「ああ、定期的に『メール』で連絡頼む。」

置いた受話器に手をかけたまま、怒りをあらわにする山下。

あのクソガキがっ!安倍閣下の門弟じゃなけりゃ、今頃銃殺だぞっ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ