ブラック企業
ブラック企業に勤めている私は深夜、最終電車に乗ろうと駅の長い階段を駆け下りている途中足を滑らせ、階段の中程から下まで転がり落ち死んだ。
転生できたけどその世界でも就職出来たのはブラック企業。
仕事に追われ疲れはてた私は取引先の会社に向かう途中、発作的に走って来た大型トラックの前に身を投げ死ぬ。
また転生した。
だけど就職できた会社はブラック企業。
疲れはてた私は首を吊る。
また転生してブラック企業に就職し死ぬ事を繰り返す。
何度も、何度も、数十回、数百回、数千回、繰り返した。
数万回目の転生でブラック企業に就職した私に、上司を演じている鬼が声を掛ける。
「お前さ、転生を繰り返しているって思い込み現実逃避するのは構わないが、ブラック企業を経営して沢山の社員を自殺に追い込んだお前が落とされたブラック企業地獄の責め苦から逃れるには、あと数兆年は掛かるぞ」