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5. 飼育小屋


 彼女の派手な見た目が捜索に役立ち、あっさりと彼女を見つけることができた。

 彼女は、飼育小屋の前に座り込み、エサでも欲しいのか、必死に鉄網を前足で引っ掻くウサギを、ただじっと見つめていた。憂鬱そうな外国人風の横顔は、この汚れた日本の飼育小屋に似合わないものではあったが、不思議と絵になっていた。

 こちらにはまだ気がついていないようだ。僕はまた彼女に逃げられないよう、そっと後ろに回り込み、なるべく驚かせないよう静かに声をかけた。


「綾小路さん」

「びゃっっ!!!」


 僕の努力は無駄だったらしく、彼女はすっとんきょうな声をあげて飛び上がった。彼女の後頭部は、彼女に話しかけるため腰を折っていた僕の顔にジャストミートした。僕は後方に吹っ飛び、無様に倒れた。


「っっ!!!.........い、いたたたた。へっ、なに........って、桜庭くん!!!大丈夫!?」

「............ぅん、大丈夫」


 全く大丈夫ではない。ただ、女の子の前では男の子とは強がってしまうものなのだ。それに、今はそれどころじゃない?


「ご、ごめんね.......どうしたの?こんなところで.........桜庭くんも、教室居づらい感じ?」

「.....うん、まあ、そんな感じ......綾小路さんも?」

「...............うん」


 彼女は俯いたかと思うと、ポロポロと泣き出してしまった。僕は慌てて頭を下げた。


「ごっ、ごめん!僕のせいでこんなことになってしまって」


 彼女は少しの間泣いたあと、手の甲で目をごしごし擦った。手で土でも構っていたのか、その拍子に顔が少し黒く汚れた。彼女は真っ赤な目で僕を見つめながら口を開いた。


「.....ううん、桜庭くんのせいじゃないよ........桜庭くんって、すごいね.....いじめられるかもってだけで、こんなに怖いのに。桜庭くん、すっごい堂々としてるもんね」

「えっ?」


 どういうことだ?いじめられる?綾小路さんが?どう考えたらそんな結論にたどり着いたんだ?


 いや、違う。彼女は教室の状態を知らないんだ。彼女は城ヶ崎さんと喧嘩して、教室から飛び出したあと、教室に戻っていないんだ。彼女からしたら、自分が城ヶ崎さんのいじめ行為を糾弾した、ということしか知らず、城ヶ崎さんが今孤立していて、仕返しだころではないということを知らないんだろう.......しかし、城ヶ崎さんが綾小路さんをいじめる可能性がある、と綾小路さんは思っているのか。女子の仲というのは、かなりシビアなものなんだな。

 僕は、彼女を安心させるためと、これからの提案のために、口を開いた。


「大丈夫、綾小路さんがいじめられることはないよ。今、城ヶ崎さん、それどころじゃないと思うから」

「.......えっ!?アイカがどうしたの?何かあった?」


 純粋に友人を心配するように見える彼女に困惑しながら、僕は続けた。


「城ヶ崎さん、今教室で孤立している状態なんだ。だから、城ヶ崎さんが綾小路さんをいじめる余裕はないと思う」

「............はぇ!?!?!?」


 彼女は青い目を白黒させながら、僕の肩を掴み、ぐっと顔を寄せてきた。すっっごい近い。僕がNTR好きじゃなかったら惚れてるところだ。


「な、なんでアイカが孤立してんのっ!?どうして!?どうして!?」


 そう言いながら、彼女は僕の体を何度も何度も僕の体を揺らした。先ほど彼女の後頭部でかなりのダメージを受けた僕には耐えられるものではない。しかも、先ほどから何度も何度も、彼女の豊満な胸の方が私に触れてくださっている。辛いけどここは耐えよう。耐えるべきだ。


 数分後、落ち着いた彼女に、僕が知る限りの事情を説明した。彼女は驚きと戸惑いと罪悪感の混じったような表情でそれを聞いていた。今度は僕が質問する番だ。


「綾小路さんは、城ヶ崎さんからいじめられるのを怖がってたんじゃないの?」


 彼女はぶんぶんと首を横に振った。その時彼女のサイドテールが僕の顔をかすめ、とてもいい匂いがしたが、先ほどのおっぱい攻撃を耐え切った僕の頭の中には、一切の煩悩が存在しなかった。


「違うよっ!アイカはそんなことしな...........桜庭くんにいっても、説得力ないかもだけど....でもでもっ、アイカが桜庭くんに嫌なことしたのは、アイカだけのせいじゃないんだっ!.......もちろんアイカも、悪いんだけど....」


 本当に、表情がころころ変わる子だ。きっと暖かい家庭で大切に育てられたんだろうな。ご両親はきっと娘を大切に大切に育てて、いいシャンプーを買い与えてやったに違いない。だからあんなにいい匂いだったんだ。それとも何か?あれが素の匂いだとでもいうのか?だとしたらもうそれ天使だぞ。おっぱいでかいし。

 煩悩だらけの僕をよそに彼女は話を続けた。


「アイカが、嫌な感じになっちゃったの.......ヒナちゃんのせいだと思う」


 ヒナちゃん?知らない名だ。流れからいって、綾小路さんはそのヒナちゃんからいじめられるのを恐れているようだ。


「その、ね、アイカが振られちゃった後、アイカを慰めようと思って、アイカとユヅキとアカリとミオちゃんと、ヒナちゃんとあたしで、ご飯いったんだ。それで、最初は全然桜庭くんに嫌なことしようなんて感じじゃなかったんだよ.....その、アイカはムカついて愚痴ったりしてたけど、でもいじめなんて全然考えてなくて.......で、そっからヒナちゃんが話し始めて......そしたら、いつのまにか、桜庭くんに嫌がらせするのが、いいこと......じゃないけど、そうして当たり前、みたいな感じになっちゃって....」


 彼女は白く小さい手を力いっぱい握りしめながら、悔しそうに言った。


「あたし、必死に止めようとして、そしたら、アイカのこと全然思ってないって言われて......そんなわけないよっ!!友達がいじめをするのを許すのが友達思いなのっ!?無茶苦茶だよっ!!!」


 彼女の体は怒りに震え、瞳には涙が溜まっていた。彼女の気持ちは痛いほどわかる。ただ、今は彼女を慰めている場合ではないかもしれない。彼女の認識と、今の教室での状況のズレは、僕にある推論をもたらした。もしかしたら、事態は僕が思っているよりも難しい状況にあるのかもしれない。


「...綾小路さんは、今日の喧嘩も、そのヒナちゃんに誘導されたと思う?」


 彼女はハッとした表情をした後、首をブンブン縦に振った。縦だとあまりサイドテールが寄ってこないのが残念だ。

 そんなことはさておき、彼女が感じたことが真実ならば、大体の状況がわかってきたように思う。

 城ヶ崎さんは、きっとその『ヒナちゃん』に陥れられたのだ。

 

 .......ん?そういえば


「もしかしてそのヒナちゃんって、癖っ毛のロングで、耳にピアスしてて、巨乳の女の子?」

「きょ........う、うん。そうだけど.....」


 やっぱり。先ほど教室で僕に話しかけてきた女の子がヒナちゃんだったんだ。どこかで彼女を見たなと思っていたのだが、今思い出すと、昨日僕の方をニヤニヤ見ていた城ヶ崎さんグループの中に、彼女はいたのだ。城ヶ崎さん以外は、城ヶ崎さんのあとをついて回る金魚の糞だとしか思っていなかったので、あまり目に入れていなかった。

 これで、僕の推測はより確証に近づいた。先ほど彼女、ヒナちゃんは、「城ヶ崎さんには私たちがきつく言っておくからさー」なんてことを言っていたが、その発言そのものや、その時の彼女からは、一切友人を思う気持ちが感じられなかった。それもあって、彼女が城ヶ崎さんグループの一員だということに気づけなかったのだろう。

 .....とすると、なるべく早く教室に向かったほうがいいかもしれない。


「綾小路さん、教室に行こう」

「えっ?」

「城ヶ崎さんの状況があまり良くない」

「へっ?アイカが!?ちょ、ちょっと待ってっ!説明して!」


 確かにそれもそうだ。僕は彼女に向き直り、説明のため口を開いた。


「多分ヒナちゃんは、城ヶ崎さんのことが嫌いで、彼女の立場を悪くしようとしているんだと思う」

「えっ!?ヒナちゃんはアイカの味方だよ!?......どっちかっていうと、あたし、じゃないかな」


 彼女は悲しそうに顔をうつむかせ、今にも泣き出しそうだ。ヒナちゃんにいじめられる恐怖に必死に耐えているようだ。これからする話で、その心配は消えるかもしれないが、また新たな恐怖を与えてしまうかもしれない。

 

「味方のふりをしていたんだと思う。城ヶ崎さんを陥れるために」

「陥れる、って......」

「うん......城ヶ崎さんを、いじめの加害者に仕立て上げて、孤立させようとしたんだ」


 綾小路さんの顔がどんどんと青ざめていく。


「....でっ、でもっ、ヒナちゃんだってアイカの味方したんだし、いじめの加害者じゃん!アイカだけ悪者にはできないよ!!」

「.....うん、確かに。そこで、質問なんだけど」


 彼女のいうことはもっともだ。ただ、もし今回の出来事をヒナちゃんが全てを仕組んだんだとしたら、そんなミスをするとは思えない。


「ヒナちゃんは、僕の机隠す時に、一緒になって隠したの?」

「......!隠してないっ!!....と、思う。あたしが、聞いた、分だと」

「だとしたら、彼女が今回のいじめに関わった証拠がないよ」


 綾小路さんは既に顔面蒼白で、今にも崩れ落ちてしまいそうだ。


「でっ、でも!!!ヒナちゃんが誘ったから、アイカはいじめしたんだよっ!!!」

「ヒナちゃんは『いじめをしよう。机を隠そう』って提案した?」

「...........してない」


 やっぱり。どうやら、ヒナちゃんはかなりのやり手のようだ。少なくとも、こういうことをすることは初めてじゃないはずだ。


「ヒナちゃんには、証拠がないんだ。ただ、僕をいじめる前の日に、城ヶ崎さんとご飯を食べた、城ヶ崎さんの友達、という立ち位置。......立場としては、綾小路さんとそこまで変わらないんだ」


 ヒナちゃんが今回の黒幕だと”綾小路さんが感じた”というだけの話だ。いじめに参加していないどころか提案もしていないヒナちゃんを責め立てるのは、とても難しい。


「.........そ、そんな」


 彼女はついに膝から崩れ落ち、白い脚が土で汚れた。彼女はそんなことも気にせずに、ぽつり、ぽつりと、言葉を出した。


「どうしようっ、アイカ、みんなからはぶられちゃう........どころか、いじめられちゃうっ、かもっ......あたしのっ、せいだっ.....あたしが、みんなの前でっ、喧嘩っ、しなきゃ」


 彼女の目からは涙が溢れ出て、地面を黒く濡らした。僕は彼女を元気付けようと、腰をかがめ、彼女と目線を合わせ言った。


「大丈夫。そうならないようにできるよ」

「....そんなのっ、ど、どうやってっ」

「僕が城ヶ崎さんと仲良くすればいいんだよ。被害者がいいっていってるのに、外野が何とも言えないでしょ」


 彼女はその綺麗な顔を並程度になるくらい思いっきり歪め、自分の驚きを表現した。美人の変顔はしょうもないというが、彼女はそこに当てはまらないらしい。


「なっ、なんでっ、アイカは、桜庭っ、くんのこと、いじめてたんだよっ」

「それはそうだけど、僕にも非が......いや、僕の方に非があるから。綾小路さんも、そう思わない?」

「おっ、思わないよっ.....た、たしかに、振り方は悪かったかもだけどっ、それでもっ、いじめていいわけじゃ」

「まあ、それはそうだけど、それでも僕がそう思っちゃったんだから仕方ないよ.....そうだ、聞かなきゃいけないことがあった。質問いい?」


 僕の突然の提案に戸惑いながらも、彼女は服の袖で涙をぬぐいながら頷いた。今はあまりもたもたしている場合じゃないが、どうしても聞いておきたかった。


「城ヶ崎さんは、僕に告白する前に、サッカー部の副主将、中谷樹に、告白したとか、好意を寄せてた、みたいなことはある?」


 彼女はブンブンと首を横に振った。先ほどと違い至近距離なので、彼女のサイドテールは僕の顔に容易にあたり、彼女はすぐにやめ、僕に謝った。残念だ。

 ...しかし、これでもう、完全に僕の勘違いであることがわかった。本当に申し訳ないことをしたな。一刻も早く、彼女を孤立から救わないと。いや、どの道そうするつもりだったけどさ。


「あっ」


 突然綾小路さんが声をあげた。その表情からは驚きと戸惑いが読み取れた。


「どうしたの?」

「そっ、そのっ、イツキくんとか、オガタくんとっ、仲良くした方がいいって....ヒナちゃんがアドバイスしてたのっ.....そのっ、外堀からっ、埋めていった方がいいってっ」


 .......またヒナちゃんか。まさか、それも狙ってたのか?....僕が、城ヶ崎さんを振るよう仕向けたのか?


 だとしたら、異常だ。


 僕の中で言いようのない不安が渦巻いた。今から僕が考えていることで、解決なんてできるのだろうか。それに対する対応も、ヒナちゃんは考えているのでは?

 ....そんなこと考えても仕方がない。とりあえず、自分ができることをしよう。


「綾小路さん、早く教室に行こう。綾小路さんは、城ヶ崎さんに僕と仲良く、表面上だけでも良いから振舞ってくれるよう説得してほしい。それと、みんなの前で城ヶ崎さんに謝ってほしい。僕の机を隠したのはあくまで友人間のいたずらで、それを綾小路さんがいじめと勘違いして、城ヶ崎さんにひどいこと言っちゃった、という内容で。......ちょっと無理があるけど、今、城ヶ崎さんが孤立しちゃってるのは........きついことを言って申し訳ないけど、綾小路さんのクラスでの発言力がとても高いからだと言って良いと思う」


 彼女は顔を罪悪感からか歪めたが、涙は既に止まっており、力強い目で僕に続きを促す。


「だからこそ、綾小路さんが城ヶ崎さんに謝って、城ヶ崎さんの味方であることを示すことによって、城ヶ崎さんを取り巻く状態はかなり良くなると思う。それに加えて、いじめの被害者である僕が彼女と仲良くすれば、多少の無理でも通ると思う。........できる?」


 彼女は力強く頷いたかと思うと、ポケットからスマートフォンを取り出し、城ヶ崎さんへとメッセージを送った。内容は『飼育小屋にきて。仲直りしたいのと、大事な話があるの。お願い』というものであった。

 「直接教室に行けば良いのでは」という僕の意見に、「アイカを説得するときに、ヒナちゃんに邪魔されたら面倒になっちゃうから」という答えが返ってきた。

 たしかにその通りだ。彼女の言う『ヒナちゃん』なら、教室で城ヶ崎さんに話しかける僕たちを見て何かを察し、その場をかき乱そうとしてくる、ぐらいのことは簡単にやってのけそうだ。

 そういえば、綾小路さんは学年順位一桁の才女であった。どこかで彼女をアホの娘扱いしていたことを反省する。冷静になれば僕なんかよりよほど頭が回るはずだ。


 と思ったのも束の間、彼女はまた、ポロポロと泣き出してしまった。そして、僕を、彼女が出せる精一杯の力であろう、思いっきり抱きしめた。

 僕は驚きと戸惑いと羞恥で、ひとしきり固まった後、精一杯の対応として、泣いている彼女の頭を撫でた。昔妹によくしてやったことがここで思わず出てしまい、気持ち悪がれないか心配だったが、彼女にその様子はなかった。彼女は僕に抱きついたまま喋り出し、その吐息が僕の耳を刺激した。

 

「ほんとにっ、ほんとにありがとっ..ぜったいっ、ぜったいお返しするからっ...あたしとっ、アイカでっ、なんでも、するからっ」


 この発言を耳元で囁かれるのはちょっと破壊力が強すぎる。それに、こんな状況城ヶ崎さんに見られたら、さらに話がこじれてしまうに決まっている。

 僕はなんとか彼女を引き離し、泣き止むよう言葉をかけた後、少し先にあったベンチに座らせた。あまりいい匂いとはいえない飼育小屋の近くで、わざわざくつろごうと考える人が少ないのか、ベンチは少し汚れていたが、地面に座り込みだいぶ土がついてしまっていた僕たちには些細なことだった。


 そこからは、先ほどの抱擁が今になって恥ずかしくなったのか、顔を赤くしたり、城ヶ崎さんのことがやはり心配なのか、顔を青くしたりして俯いている綾小路さんと、気まずい時間を送った。その気まずさに誘われたのか、また、僕の中に不安が渦を巻いた。

 一体なんだというのか。僕が今からやろうとしてることに、何か間違いがあるのか?


 .....ヒナちゃんの立場になって考えよう。城ヶ崎さんに、クラスの中心人物である綾小路さんが味方して、いじめの被害者である僕も味方する。その城ヶ崎さんをどうやって陥れることができる?

 .....わからない。いや、あるのかもしれないが、そんな手があるなら最初から使っておけばいいだけの話だ。わざわざ城ヶ崎さんにいじめをさせ、城ヶ崎さんと綾小路さんを喧嘩させる必要なんてない。

 .....本当にそうか?何かそれ以外に


「さっ、桜庭くん?」


 深い思考に入っていた僕は、綾小路さんの声で我に返った。彼女は心配そうに僕を見つめた後、スマートフォンをこちらに向けて見せた。城ヶ崎さんからは、返信どころか既読もまだついていないようだ。


「.....やっぱり、アイカ、あたしのこと怒ってるみたい」


 彼女はうつむき辛そうに呟いた。その可能性は決して低くはないが、城ヶ崎さんの今の状況を考えると、綾小路さんと仲直りすることは城ヶ崎さんにとっていいことしかないはずだ。彼女はプライドが高いらしいから、それが邪魔になってるのかな。


「.....とりあえず、教室に行こうか。そろそろ昼休憩も終わってしまうし。きっと直接話せばわかってくれるよ。ヒナちゃんの目を盗んでさ」

「...うん、そうだね」


 僕たちは飼育小屋を後にし、教室へと向かった。異変に気付いたのは教室の前でのことだった。

 僕たちの教室から、女の子が泣き声が聞こえて来た。僕たちは顔を見合わせ、慌てて教室へと入った。



 教室には、泣き崩れる女の子、その容姿からして、ヒナちゃんで間違いないだろう、と、それを呆然と眺める城ヶ崎さんがいた。



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