今までのいろいろ
「それで?昨日は何やってたのかなー?」
ううー。ゆうちゃんの笑顔が怖い。いやでも悪いことはしてないからここは堂々と言えばいいよね!
「えっと、ユキ姉を召喚して」
「うん」
「図書館行って」
「うんうん」
「西の平原に行って」
「おお?」
「ポーション作って」
「は?」
「ご飯食べて」
「ああ、うん」
「四つ子ちゃんとかくれんぼして」
「はぁ」
「精霊と契約した!」
「どうしてそうなった」
あれぇ?そんなおかしい事やった覚えはないんだけどな。ゆうちゃんが変な顔してる。
「うん……。まああんたがまたなんか変な行動しまくってたのはわかった。一個ずつ確認していい?」
「いいよー!!」
「まずなんで西の平原突入した?戦えないよね?」
あ、そういえばそうだね。確かにあの時だと私は戦えなかったから平原行くのはちょっとおかしいのかな?ユキ姉は戦えるけど魔法主体っぽいもんね。前衛居ないと戦うの厳しいっていうのは知ってるよ!
「えーっと、薬草とか探そうと思って」
「戦えないのに?」
「逃げればいいかなって」
はーと大きなため息をついて呆れたようにこっちを見てくるゆうちゃん。そういうやつだよな知ってたって私のこと?なんで呆れられてるかはわかんないけどちゃんと逃げれたから大丈夫だったんだけどな。
「えー……それでポーションはどうやって作った?キット買えるだけの金なかったよな?薬草売ったの?」
「えっとねーナナセさんがキットくれたんだー」
「ナナセさん誰」
「鍛冶屋さんだってー」
「いやそういう説明がほしいんじゃない」
あれ?違ったのかな。えっと他のナナセさんの情報だと……
「あ、フレンドになったよ!」
「そっちでもない」
「あーえっとβテスターで色々やってて今は鍛治だけやるからキットがいらないからあげるって言われたよ!」
「それだよ。あーあの人かな。生産職全種やってた通称"製作狂い"さん」
「わかんないけどたぶんそんな感じー」
ナナセさん(推定)すごいあだ名付いてたんだなぁ……。色々やってたって言ってたからそれっぽい感じはするよね。
「そういや昨日情報投下したのもその人だったな」
「あ、じゃあそれナナセさんだ!書いてくれるって言ってた!」
「あ、そう……。ま、でもそれならいいか。悪い人ではないみたいだし」
「えへへー」
「あんたは反省しなさい」
スパァン。うう……また叩かれた……。ゆうちゃんはこういうとこ容赦ないからなー。いやまあこれ以上バカな事やったら叩くぞって言われてから同じような事やらかしまくったせいだから自業自得ではあるんだけど。反省はしてるけど後悔はしていない。きりっ。
「それで?かくれんぼってのは何?」
「なんかクエストー。4つ子のかくれんぼってやつ」
「聞いたことないクエストだなー。新実装のやつか」
「ナナセさんもそんな感じのこと言ってた」
「何してたらクエスト始まった?」
えーっと最初にリィル君たちと会ったときだよね。あの時はたしか私は屋台見てて、それでリィル君たちがにゃんこだーって近寄ってきたんだったよね。
「んーと……。ユキ姉と一緒に屋台のところ歩いてたら4つ子のうちの2人がユキ姉見つけて近寄ってきてね」
「昨日掲示板で言われてた条件がそこか。その後が?」
「ユキ姉を撫でたいって言ったからいいよーって言って、ユキ姉撫でてた」
「はいはい。その次が?」
「えっと私のしっぽを見て触らせてって言ったから、こっちもいいよって言ったよー」
「それでのんもしっぽ触られた?」
「そうー」
あのもふもふ攻撃はなかなか手ごわかったよね。私もあれくらい上手に触れたらいいんだけどなー。なかなか難しいよね。
「それでその後が?」
「かくれんぼの途中だったの忘れてたみたいで探さなきゃーって言ってたよー」
「クエスト発生の可能性としては動物系2匹以上……?それとも1匹でもいいのかな……。パーティでも可能なのかも要確認かな。それでかくれんぼのクエスト始まったんだ?」
「そだよー!」
ゆうちゃんが色々条件探ってくれてるみたい。私はそういうの考えるの苦手だしゆうちゃんに任せとこうっと。ゆうちゃんは私と違ってそういうの好きみたいだしね。
「んー時間いつごろだったか覚えてる?」
「えーっと……たぶんゲーム内時間だと5時くらい?夕方くらいだったはずだよー」
たしかお空が夕焼けだったしそのくらいのはず……?かくれんぼとか色々やって寝るまでの時間も考えたらそこまで外れてはないんじゃないかな。
「おっけー。それで精霊香が必要って言われたのは?」
「精霊香貰ってこれ何って聞いたらそう答えてくれたー」
「なるほど?じゃあクエスト開始の確定条件じゃないかもね。報酬変化とかかも」
「そういうのもあるの?」
「うん。そうだなー例えば……木材集めのクエストを木工スキル持ちがやるとクエスト報酬が木材に変化するのね。他のキャラだと木工アイテム……杖とか弓とかの選択制」
「はぇー。そんなのがあるんだー」
自分で作れってことなのかな?スキルで報酬変わるっていうのも面白いね。でもたしかに自分で木工するのに完成した木工アイテム貰ってもあんまりだもんね。そういうのもあるっていうの覚えとこうっと。
「そう。それを自分で加工して持ってったら追加のクエスト受けれたりね。持ってるスキルとかによってクエストも色々変化するんだ」
「なんかすごいねー」
「ま、それだけ検証作業が大変みたいだけどね。今の情報流しても大丈夫?」
「いいよー!」
「まあのんは掲示板向いてないもんな。じゃあこっちで書き込んどくからちょい待ってて」
「わかったー」
ゆうちゃん掲示板にアクセスしてるみたい。私は苦手だから書き込んでくれるのはありがたいよねー。掲示板で出た新しい情報とかも教えてくれるからゆうちゃんさまさまだよ。前に色々ありがとうって言ったら「まあこっちものんにお菓子貰ったりしてるしお互い様」って言ってたからムリはしてないみたいだけど。ちょっと時間ありそうだしユキ姉と遊んでようかな。
「ユキ姉ー!ゆうちゃんの用事終わるまでちょっと遊ぼー!!」
「にゃーお!」




