2.召喚術師は風に
「凶柱、どうやら6人居るようです。」 ルキフグス。
「情報源は?」 アスタロト。
「エヴァリア様の記憶です。」 ルキフグス。
「ルキフグス、エヴァリアを呼んできてくれないか。」 アスタロト。
「承知致しました。」 ルキフグス。
「てな訳で召喚を頼む。」 ルキフグス。
「あ、はい、分かりました。」
「召喚」
「何だよ糞共がまた何の用だ」 エヴァリア。
「アスタロト様がお呼びです。」 ルキフグス。
「凶柱か?」 エヴァリア。
「はい、その事について、聞きたい事があるようで。」 ルキフグス。
「分かった。」 エヴァリア。
・・・突然真面目になったなエヴァリアさん。
「エヴァリア。凶柱について知っている事は?」 アスタロト。
「いや、存在しか知らんな。」 エヴァリア。
「何年前から知ってる?」 アスタロト。
「数百年前からだ。」 エヴァリア。
「つい最近だな。6人だったか?」 アスタロト。
「ああ。灼熱地獄に降り立った奴は、グリームニルとブラックデメントだけだった。」 エヴァリア。
「分かった。ありがとう。」 アスタロト。
「凶柱、大丈夫なんでしょうか?」
「いや、危なそうだな。多分地国のどこかに居るだろう。」 ルキフグス。
「召喚術師、走ってみろ。」 ルキフグス。
「え、嫌です。」
「走れ。」 ルキフグス。
「え、だから...」
「走れ。」 ルキフグス。
「分かりました。」
『緊急開催!召喚術師1500m走!』 ルキフグス。
ローブが運動用の服に変わっている。
『位置について』
『よーい』
銃声。
『さぁ始まりました1500m。順調な走り出しです。』
『おっと!?早くもペースを下げた。』
『まだ500m地点だぞ召喚術師。』
『おっと、止まってしまった。』
「ルキフグスさん、めっちゃキツいですよ...」
「この位余裕であろう。体力が無いのか。」 ルキフグス。
「昔から体が弱くて...」
「よし、そうとなれば鍛えてやろう。」 ルキフグス。
-シェリルース地方 ツイン平原-
「ここは風が強い。風に向かって走れ。」 ルキフグス。
「不可能じゃないですか...踏ん張るだけで精一杯です...」
「風に向かって全身の筋力をつけろ。」 ルキフグス。
・・・風が強い。
・・・無駄な足の出し方はやめろ。
・・・ん?風が一定の強さ...
・・・テンポ良く足を出せば...
・・・案外これ行けるぞ。
「気付いたか召喚術師。」 ルキフグス。
「大事なのは、体力だけじゃない。洞察力、思考力も戦闘において必要なのだ。」 ルキフグス。
「全て体得するには長い長い時間がかかる。でも、お前にある潜在能力、」
「それを大いに引き出す事でお前の力は最大限になるだろう。」
「さぁ、もっと走れ。」 ルキフグス。