雪のこえ
ある夜
雪が静かに振り積り
町は白く包まれた
ただただ降り積もる雪に
私は窓辺に近づいて静かに耳をすました
耳をすまして聞いてみると
雪の降る音が聞こえた
ある朝
日が暖かく降り注ぎ
町に色が戻ってきた
ただただ溶けていく雪に
私は窓を開け放ち耳をすました
耳をすまして聞いてみると
雪の溶ける音が聞こえた
ある日
私は静かによを過ごし
そして静かに眠りについた
ただただ沈みゆく意識の中で
私は穏やかに耳をすました
耳をすまして聞いてみると
ゆきすぎる時の音が聞こえた