(3)再び廃業病院へ
気軽に書いているので、文章は練っていませんが。
今日僕は廃業した病院の前で友達をその建物を見つめていた。しかも友達が遅れてきたために昨日と同じ時間帯になってしまった。改めて見ても気分がいいものではない。
「おまえひとりで行って来い」
「一緒に行ってくれ」
「……」
「一度、携帯で聞いてみるか?」
友達は何を思ったからそんなことをいう。
「……」
僕は半ば呆れて何も言えない。どうせ僕にかけさせるに決まっている。
なぜ行かなければならないのか。友達の付き添いで肝試しに行き、しかもその友達が携帯を落とし、それを取り戻すためにまたも病院に立っている。しかもお土産を手に持って……。さらにその友達は何も持って気やしない。お土産を友達に渡して帰りたい気分だ。おみやげはお酒。なんとなく思いついたのがそれだ。だいたい幽霊におみやげなど見当もつかないのだから、これでいいだろう。どうせこの世のひとではないから飲めるわけがない。
ためらいのあと、僕たちは懐中電灯をつけ病院に入った。割りに合わない。友達は僕を前にして歩いてやがる。静かな声で文句を僕は言った。
「おまえが先行けよ」
「いいから。いいから」
何がいいのか、僕は早く終わらせたいがために仕方なしに進んだ。緊張して自分たちの足音が震えている。その響きは長い時間の流れを感じさせた。
なぜだか上の階に行くほど、かび臭く空気が淀んでいるのはなんだろうか。
そして三階に着いた。僕たちはお互い見つめ、歩き出した。
「おみやげもってきたよ〜」
友達は自分が持ってきたわけでないおみやげを幽霊に対して伝えている。僕はどうでもよくなって早く終わってくれないかと思いながら、しかし幽霊からどう携帯を取り返すのか、その場になって考える始末だ。なぜ入る前に考えないのだろう。今更自分の機転の利かなさを嘆いた。
そして、もう廊下は真っ暗。手にするライトの光だけが、廊下の奥に伸びている。あと十歩ぐらいだ。友達は僕を後ろから押す。
「押すなって!」
それでも友達は止めないでいつの間にか幽霊のいる奥の部屋の前に着いた。
そして、しばらく取っ手に手を掛けたまま。
友達は後ろで促す。
僕は意を決して、開けようとした瞬間、ドアが開く。
「おみやげもってきたか〜!」
野太い声と共に、中から黒い影が出てきて、僕たちは驚いて、逃げ出した。
いや、逃げ出したのは友達だった。彼は一目散に上がってきた階段を駆け下りて行く。
「待って〜。ひぃ〜」
僕は逃げ出したいのだが、身体が前に進まない。服の首筋を掴まれている。僕はそのまま意識が遠のいていく。幽霊に掴まれている悪夢を見るんだろうな。そんな気がしたのをうっすら思い浮かべながら。




