最初のクレーム
不思議だと思う。魔王と言えば残虐非道の悪魔の王さま。人のクレームどころか悲鳴も無視するようなイメージがあるのに玲奈はロゼに聞いた。
「あの、何でテレアポ何ですか?」
「ご不満ですか?なら勇者討伐のアルバイトもありますよ。後はクルニカ王国制圧のバイト後は…」
ロゼはメモ帳を開き目ほ細くして言った。玲奈は最初こそ聞いたが途中から聞き取る事が出来なくなったので聞く事を放棄した。そして
「やっぱりテレアポでいいです」
最初に聞きたかった事は結局聞けなかった。
結果として玲奈は魔王城で働く事になった。
魔王城はビル50階に相当する。勿論最上階は魔王がいる。そして玲奈の職場は36階『魔王テレアポセンター』と言う部署であった。この瞬間彼女の悪魔のイメージが崩れた。同時に笑いを堪えるので必死だった。職場に入ると既に何名かは仕事をしていた。ごく普通の職場だ、陰湿感0、むしろ綺麗過ぎる職場。時間は昼時だったから多くの社員さんがクレーム処理をしていた。
ロゼが「今日からここの部署で働いてもらいます。何か困った事があったらあそこに居る人に聞いて」
ロゼが手を指した人は見た目でもわかる怖い上司だった。例えるなら江角〇〇〇だろうか。その江角似の上司が1つのファイルを取り出して玲奈に歩み寄る。
「これマニュアル。これ見れば大体処理出来るから、さっさと仕事しな。座る場所は空いてる所でいいから」
「最初はこのロゼもお手伝いたします」
玲奈は空いてる席に座った。ちゃんとパソコンとよくテレアポの人が使うマイク付きイヤホンもあった。
「では玲奈さん。パソコンをたちあげて、それから…」っと一通り準備した。後は電話が来るだけ…
玲奈はマニュアルを見た。そして電話のベルが鳴った。
「おおお電話ありがとうございます。魔王テレアポセンターでございます」いきなり噛んだ。そしてあり得ないクレームがきた
『私アルバート王国のグラマン准将ですけども、前日魔王軍と戦闘をしたんですけども、此方が仕様した武器をあなた方に壊されたんだけど、どうしてくれるんですか!?国家予算いくら使ったと思ってるんだ!!』
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